2008年情報通信月間で山梨県最後のイベントが6月19日に開催されました。
(株)インターネット戦略研究所代表取締役会長の高橋徹さんによる「インターネットの将来」と題した講演会です。 『日常生活に欠かせないインターネット。現在でもハイビジョン動画配信や地域活性化への利用など新たな活用策が生まれています。その一方でIPアドレス枯渇や迷惑メール対策といった解決していかねばならない課題も存在します。今回はインターネットの将来について、幅広い視点から講演します。』と予告されていましたので、会場のベルクラシックまで出かけました。
講師のご経歴は「インターネット戦略研究所:高橋徹は語る」のページにあります。このご経歴についてのお話が導入部でした。
パワーポイントから採られたレジメからタイトルを拾います。ハイフン以下は細目の一部ですから、ご講演の全容をお伝えしているものではありません。リンク先はレジメに書かれていたアドレスを確認したものです。
□ 現在のインターネット-1995年が日本のインターネット元年
□ こんなはずでは-スパムメール問題、子供たちの問題、有害情報、etc.そういうモラルハザードに抗するインターネットの在り方が問われている
□ インターネットは誰のもの?-関係する国際組織などのこと
□ だれのための-インターネットは国家、民族を超えた万人のもの
□ Cyber Crime-有害情報対策ポータルサイト
□ 新しいアプリケーションとサーヴィス-IP電話、YouTube、WiFi、WiMax などについて。
□ SNS,Weblog(ブログ)の効用-(会場に来られた方々の中に mixi の参加者やブログ開設者がどのくらいおられたか、私はちょっと気になりました)
□ どこに向かうのか、インターネット-「2008年は“IPTV元年”になるのか?」、通信と放送の融合など
□ IPv4の枯渇、IPv6への移行-2011年頃に、IPv4(現在のインターネットアドレスの設定方式)が枯渇する予測値があるとのこと、これには驚きました。いわば10桁の電話番号を使い切って、新しく電話を契約できない事態になるという意味です。IPv4アドレスの在庫枯渇に関してはJPNICの記事、「IPv6普及・高度化推進協議会」の資料ページ、総務省で「インターネットの円滑なIPv6移行に関する調査研究会」報告書(案)に関する意見募集
□ 「次世代」から「新世代」インターネットへ-NGN(Next Generation Network)とNWGN(New Generation Network)、総務省サイトに「新世代ネットワーク推進フォーラム」設立について、IP(Internet Protocol)から次の技術に進もうという動きですが、これはテレビが地デジに移行していくのと似ています、規模も問題ももっと大きいと感じますが、私は追いついていけそうにない(^_^;)
□ 克服すべき課題-設備などのインフラの問題、セキュリティ、緊急時への対応など。私はインターネットはもっと緩やかな結合であるべきものと思っていましたが、インターネットの発展はある意味で集中化を意味しているような現状があり、分散していればリスクが限定されるものが、集中してきたことで克服すべき課題自体が大きくなりすぎ、それがまた集中化を進めるというジレンマに陥ったように感じています(^o^) 巨大企業が撒き散らす問題の大きさ、分散させてネットワークを組むことに意味があったものを、逆に集中化させたマーケットという魔物、それにたかった人々。
□ 将来のインターネット-新しい共同社会
□ すでに兆候はある-コストを使うだけの組織を思われていたのが社会の富を生み出す。(第1次、第2次産業の発想だけで見ているとNPOは単なるボランティアと思い込まれてしまいます。図書館なんて要らないと切り捨てられます。それは間違えている、考え直さねばならない事を指摘されたと私は思いました)
□ 将来の人類社会を問うのと同じ-共同社会の将来とインターネットの将来を重ねて考える
昨日書いた記事で、私はインターネットやWWWページについてかなり特定の問題にこだわっている自分に気が付いたところです。Webプログラミングにしても細かいことが気になり、そこに突っ込んでいく自分の日常があります。技術的なことを追求するのにできるだけT型やV型のように幅広い地平を知った上で自分の技については深く掘り下げたいと思います。
そういう日常の中で今回のような講演に接すると、穴から抜け出して大空を見ているような気持ちになります。有意義な情報通信月間の締めくくりでした。