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既に伝えられている「生活者財源」という新語に関する首相官邸からのメールマガジンが着信しました。福田内閣メールマガジン(第29号 2008/05/01)

 第一に、ガソリンスタンドなど流通の現場をはじめとして、様々な混乱を回避するため、政府として全力を挙げます。また、この機に乗じて、便乗値上げが行われないよう、しっかりと監視していきます。

 第二に、無駄な予算の根絶は、すべての改革の大前提です。道路財源であれ何であれ、国民の税金をお預かりしている以上、一円たりともムダがあってはならないことは、言うまでもありません。
 この際、すべての省庁、独立行政法人、関連公益法人に至るまで、無駄な歳出を徹底的に洗い出し、「ムダ・ゼロ」に向けた見直しを断行してまいります。また、いわゆる天下りについても抜本的に是正します。

 第三に、地方の発展に必要な道路は作らなければなりませんし、地方財政への配慮も必要ですが、私は、この道路財源の「一般財源化」を進めていきます。

 『その際、財源が必要ということになれば、まずは道路会計などの行政の無駄を排除することで、捻出していきます。』とも書かれています。
この「その際」というのは医療問題全体を指していると私は解釈しましたが、道路問題と医療問題のトレードオフのような発想も見えていると感じます。言及されていませんが国防費の問題もあります。道路と合わせて必要性と無駄遣い部分の検証が進んで欲しいと思います。

『一般財源化とは、まさに「生活者が主役となる行政への転換」を示すものです。「道路特定財源」から脱却し、生活者である皆さんが求めている様々な政策に使うための、いわば「生活者財源」へと改革する決意です。』とこのメールマガジンは締めくくられています。
小泉改革の功罪についていろいろと言われています。今回の福田政策は小泉さんでも成し遂げられなかった道路族など利権構造の解消を、医療問題解決のトレードオフとして国民に提示した戦略のようにすら思えてきました。「生活者」に直接向かい合う地方自治体にサイを投げかけた、日本国の人口、環境、財政の趨勢の中で、この二律背反のどちらを選択するかは皆さんの問題だとして。

「生活者」という用語にはいろいろな使われ方があるようです。(NIFTY-serveに所属していた時代の私はこういうフォーラムには無関心、参加していなかった)
 『生活者とは、生活の基本が「自己生産であることを自覚しているもの」であり、「時間と金銭における必要と自由を設定し、つねに識別し、あくまで必要を守りながら」、大衆消費社会の「営利主義的戦略の対象としての、消費者であることをみずから最低限にとどめよう」とする人びとである』、この定義は大隈信行さんとのこと、大隈教授のお名前を久しぶりに思い出しました。
私が感じているこの用語の現在的位置は、「東京・生活者ネットワーク」とか「東京都 都議会生活者ネットワーク 」で感じるものです。

福田首相が「生活者」をどういう定義で用いておられるか、今後の発信にも注意したいと思ったメールマガジンでした。「生活者財源」という言葉が定着し2008年(平成20年)が「生活者財源宣言の年」として日本史に残るか、それとも年末のテレビで今年の流行語の一つと紹介されて終わるか・・・
『弱いから群れるのでは無い、群れるから弱いのだ』 (竹中労)と思っている「生活者」の一人としての私。
上記リンク先の堀啓造さんの論説で気が付きましたが、生活者の英訳はどうなるでしょう、日本政府発として consumer ではない用語が出てくるかも知れません。・・・英語版バックナンバー

北杜市のtosiさんのブログ記事、「どっちもどっちだろ・・・」に、私は以下のようにコメントを投稿させていただきました---
これからの日本は人口減少という姿は既に予測確定状況ですから、大都市圏への人口集中を回避して高齢化が進みそうな地方への若年層回帰の方策が必要かと私は思います。
その為に必要な道路はどのような姿に描けるか、そこのところが見えないまま特定財源維持を訴える行政に私は疑問を感じます。
財源がフリーハンドで得られた時に、地方復権の方策が土地ごとに異なるでしょう、それがその土地の未来を決めることになる。 道路しか念頭に無い場合に果たして復権可能か?
道路造りに関係する仕事だけがその土地の産業だと考えていて未来はあるか?
補修が必要でも未来には必要無くなる道路なら廃止すれば良い、これは暴論かな(^_^;)
ガソリンの再値上げは痛いですが、4月だけちょっと楽できたと思えばよいと思っています。5月から一挙に倒産が増えるなどとは私には思えません。



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