2007年06月08日の山梨日日新聞サイトにあった「甲府の中心街を流行発信拠点に 県内大学生調査、6割が熱望」では、アンケート調査の結果を報じています。
「甲府市中心街を流行の発信拠点に」-。県内の大学生の6割が、甲府市中心街にファッションなど流行の発信拠点機能を求めていることが、NPO法人「大学コンソーシアムやまなし」の学生意識調査で分かった。
空洞化が叫ばれて久しい中心市街地。学生からは「魅力的な店があるのに認知度が低い」と情報発信不足を指摘する声も聞かれ、学生自身が活性化に取り組む動きも生まれている。調査では多くの学生がインターネットで地域情報を得ている実態も明らかになり、商店街側からのネット世代への“アクセス”が課題となって浮上している。
調査は、単位互換による大学間の学生移動を中心街活性化に生かすのが狙い。単位互換協定を結ぶ県内七大学の学生3160人を対象に1月に実施し、中心街への意識や生活実態など約60項目を質問し、1972人(回収率62・4%)から回答を得た。
調査結果(複数回答)では、甲府市の中心街に求められる機能として「最先端の情報・ファッションの提供」が54.9%でトップ。次いで「アクセスのしやすさや低価格の駐車場」(40.2%)、「ウインドーショッピングなど楽しさの提供」(38.2%)だった。
記事がタイトルしたように「流行発信拠点」であることを望んでいると理解できるのかどうかは実際の設問とそれに対する回答集計を読まないと何ともいえません。アンケートというものは設問が設定された段階で、その「発想の範囲」以上の結果は得られないものです。
逆に言えば、設問の設定次第で回答が誘導され、それを世論調査の結果として示すこともでき、その事で更により広範な世論を一定の方向に導く事もできる。この場合、若い人達がそう考えているのだから甲府市中心街はそのような方向に動くべきだと年配者も一緒になった世論が形成されるかも知れません。
私はこの記事で「魅力的な店があるのに認知度が低い」という意見があることに着目します。
そのように感じたのが「流行の先端に敏感な人々」なら、皆でその店に足しげく通えばよいのです。あの店にはなんだかスゴクカッコイイ人たちがよく来ているよという話は、それ以外の人々もひきつけます。
現在の東京の状況は知りませんが、昔の竹下通りとかみゆき通りとか、どこどこのなんという店とか、それらは自分たちがブランド化しようとしたのではなく、なにかにこだわっている店だったり、何気なく魅力を感じさせる店が多いとかで集まる人々が自然発生的にブランドを形成していったものでしょう。そういう人達を見物するフツーの人々も集まるからです。
そういう「ちょっとした変化を敏感にキャッチして発信する」メディアが、東京には沢山ある事も幸いしていると思います。甲府にそういうメディアが無いなら、みんなでやりましょう。まずはイラストマップ作りから始めたらよいです、感度の高い学生さん達の手で。
そんなマップが出来たら、商店街の皆さんはそれを必ず店に置いてあげる事です、たとえ自店が大きく載っていなかったとしても。そして大きく載っている店は、なぜそうなのか学生さん達に尋ねればよい、その理由に納得できるかどうかは商人としてのコダワリの問題です。だからこういうマップ作り仕事は商工会議所とか商店街連合会とか広告会社などの仕事としては決して実行はできないのです。明治維新を成し遂げたのは若い人々でした、例えその後ではその理想が失せたにせよ。