樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

バードウォッチングの愉しみ

2008年03月12日 | 野鳥
8日から2泊3日で沖縄に鳥見ツアーに行ってきました。毎年3人で北海道や信州、四国、中国、九州など各地を巡ってきたので、今回は思い切って沖縄に飛びました。ヤンバルクイナやノグチゲラなど沖縄固有の鳥と、本土より早い南からの渡り鳥を見るのが目的です。
北部のヤンバル地域の道路には写真のような標識があちこちに掲げてあります。それだけ出現の確率が高いということでしょうが、残念ながらヤンバルクイナは私たちの前には姿を現してくれませんでした。ノグチゲラも声とドラミング(木をつつく音)のみ。

       

でも、ヤンバルではアマミヤマシギやリュウキュウオオコノハズク、中部エリアの田園地帯ではシロハラクイナなど沖縄固有の鳥に出会えました。また、南から渡ってきたサシバ(タカの1種)も各地で目撃。沖縄の最北端の岬では、これから本土に旅立つであろうサシバが、渡ろうか渡るまいか逡巡するように、飛び立ったり、木に止まったりを繰り返しています。彼らにとっては命がけの飛翔ですから無理もないです。

       
          (辺戸岬のサシバ。これから本土に旅立ちます)

那覇には干潟がたくさんあって、シギやチドリが「ピーピー」「キョーキョー」と可愛い声で鳴きながら群れていました。写真のセイタカシギは沖縄でなくても見られますし、時々うちの近くの田園地帯にもやってくるのですが、小さな池の中でほかの鳥たちといっしょに餌を啄ばんでいました。テレビで報道されたクロツラヘラサギもいました。

       
        (セイタカシギのみなさん。名前のとおり足が長いです)

可愛い鳥の姿を見、声を聴いていると、平和でのどかで、ゆったりした気持ちになります。何と表現すればいいのか、自分の体が周辺の自然に溶け出していくような感覚…。ありきたりな言葉ですが「自然との一体感」でしょうか。珍しい鳥が見られなくても、私にはそういうひと時が至福です。
「鳥を見るだけで何がおもしろいの?」と時々聞かれます。私が思うに鳥見の愉しみには3つあって、1つは前述の「自然との一体感」が味わえること。もう1つは、宝探しのおもしろさ。「この時期にこの場所に行けば、こんな鳥に出会えるはず」と推測して、目と耳を頼りにその鳥を探し、実際に探し当てたときの喜び。今回のヤンバルでは見事にハズレましたが…。
そしてもう1つは、コレクション趣味。どれだけ多くの種類の鳥を目撃するか、あるいは写真に収めるかに生きがいを見出す人もいます。しかし、この愉しみは往々にして、ただ数を競うことに走ったり、いい写真を撮りたいがために自分だけ被写体に近づいて皆が見ている鳥を逃がしたり、餌付けしたり、フラッシュを焚くというような本末転倒に陥ります。自戒も含めて、コレクション趣味に走らないようにしないと…。
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2 コメント

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鳥見 (guitarbird)
2008-03-13 18:26:53
こんにちわ、お帰りなさい
沖縄はまったく想像がつきません・・・
ミフウズラはいましたか?
沖縄で見てみたい鳥のひとつです。
さて、鳥見についての愉しみですが、1はまったく同感です。
さて、鳥見の愉しみですが、1はまったく同じです。
2については、それももちろんですが、その逆のパターンとして
「定点観測で季節によってどんな鳥が出るか」を見るのも楽しいです。
時には予想外の鳥が現れたりして(昨年ジョウビタキも出ましたし)。
それと2の応用で、鳥を見るためではない初めての場所で、
ここにはこんな鳥は出るかな、というのを考えるのも楽しいです。
3番目は難しい問題ですね。
私は基本的に、普通に歩いて行ける範囲内で撮ることにしています。
冬のスノーシューは別ですが、撮るために草をかきわけたり、
餌付けなどはしないです(庭に餌台は置いていますがこれも別)。
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ミフウズラは (fagus06)
2008-03-14 10:02:58
全くノーマークでした。図鑑によると、サトウキビ畑などに生息すると書いてあり、そういう環境も行きましたが、頭から抜けていました。探せばいたかも…、残念。
リュウキュウヨシゴイとかソリハシセイタカシギとかはマークしていましたが、発見できずでした。
いつも訪れるフィールドを持っている人には、確かに定点観測のおもしろみもありますね。
3については、最近、近くの干拓田にケアシノスリが出現し、あるカメラマンが撮影のために、木に止まって休んでいるケアシノスリを追い出したという騒ぎがあったので、そのことを念頭において書きました。
一部の人ですが、「この人は野鳥を被写体としてしか考えていないな~」と思うマナーの悪いカメラマンが時々います。
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