扇子が手放せない季節になりました。私は以前から扇子と木の関係を調べていましたが、いろいろ面白いことが分かってきました。
カナメモチという木があります。一般的な木の本には「扇の要に使ったのでこの名がある」と書いてありますが、牧野富太郎は「材はもろくて要には使えない。名前の由来は、芽が赤いのでアカメモチからカナメモチに転訛したから」と書いています。また、扇の要に使うのはクジラの髭という情報もあります。
さらに、要ではなく、蟹目に使ったので「カニメモチ」から「カナメモチ」になったという説もあります。
(要の部分は確かにカニの目みたいです。これは多分プラスチック)
要の話は後にして、扇子のルーツは薄いヒノキの板を束ねた檜扇(ひおうぎ)にあります。その後、片面に紙を貼った紙扇が生れたのですが、これらの扇は日本のオリジナル。中国には団扇(うちわ)はありましたが、扇子はなく日本から輸入していました。そして、中国で両面に紙を張った唐扇が生まれ、日本に逆輸入されて現在のような扇子が普及したようです。
(中国のお土産にもらったビャクダンの扇。このヒノキ版が檜扇)
私たちが使っている扇子の骨は竹ですが、昔はいろいろあったようで、清少納言は『枕草子』の中で「扇の骨は朴、色は赤き、紫、みどり、檜扇は無文、唐絵」と書いています。ホオノキの骨に赤や紫、緑の紙を貼った扇子がいちばんいい、と言うのです。
さて、その扇とカナメモチの関係ですが、中国ではカナメモチのことを「扇骨木」と表記します。漢籍の素養がある夏目漱石も『虞美人草』の中で、庭の木(カナメモチ)を表現する際、扇骨木と書いて「かなめ」とフリガナをつけています。
また、パソコンの漢字にはありませんが、中国では木ヘンに要という漢字もカナメモチを意味するそうです。
(カナメモチの葉)
以下は私の推測ですが、中国が日本から輸入した頃の扇子の骨や要にはカナメモチが使われていた。そのため、中国ではカナメモチを意味する文字として「扇骨木」や「木ヘンに要」を編み出した。その後、日本では骨には竹を、要にはクジラの髭を使うようになった・・・。
牧野富太郎博士に逆らうようですが、「日本のオリジナル製品が中国に新しい文字を作らせた」と解釈した方が面白いですね。
カナメモチという木があります。一般的な木の本には「扇の要に使ったのでこの名がある」と書いてありますが、牧野富太郎は「材はもろくて要には使えない。名前の由来は、芽が赤いのでアカメモチからカナメモチに転訛したから」と書いています。また、扇の要に使うのはクジラの髭という情報もあります。
さらに、要ではなく、蟹目に使ったので「カニメモチ」から「カナメモチ」になったという説もあります。
(要の部分は確かにカニの目みたいです。これは多分プラスチック)
要の話は後にして、扇子のルーツは薄いヒノキの板を束ねた檜扇(ひおうぎ)にあります。その後、片面に紙を貼った紙扇が生れたのですが、これらの扇は日本のオリジナル。中国には団扇(うちわ)はありましたが、扇子はなく日本から輸入していました。そして、中国で両面に紙を張った唐扇が生まれ、日本に逆輸入されて現在のような扇子が普及したようです。
(中国のお土産にもらったビャクダンの扇。このヒノキ版が檜扇)
私たちが使っている扇子の骨は竹ですが、昔はいろいろあったようで、清少納言は『枕草子』の中で「扇の骨は朴、色は赤き、紫、みどり、檜扇は無文、唐絵」と書いています。ホオノキの骨に赤や紫、緑の紙を貼った扇子がいちばんいい、と言うのです。
さて、その扇とカナメモチの関係ですが、中国ではカナメモチのことを「扇骨木」と表記します。漢籍の素養がある夏目漱石も『虞美人草』の中で、庭の木(カナメモチ)を表現する際、扇骨木と書いて「かなめ」とフリガナをつけています。
また、パソコンの漢字にはありませんが、中国では木ヘンに要という漢字もカナメモチを意味するそうです。
(カナメモチの葉)
以下は私の推測ですが、中国が日本から輸入した頃の扇子の骨や要にはカナメモチが使われていた。そのため、中国ではカナメモチを意味する文字として「扇骨木」や「木ヘンに要」を編み出した。その後、日本では骨には竹を、要にはクジラの髭を使うようになった・・・。
牧野富太郎博士に逆らうようですが、「日本のオリジナル製品が中国に新しい文字を作らせた」と解釈した方が面白いですね。
扇のほかにも、日本から中国に渡ったものもいろいろあるんじゃないですか?
なにか日本発のものもないとね・・・