樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

付和雷同

2024年02月08日 | 野鳥
宇治川でダックウォッチングしてきました。上流の天ヶ瀬ダムにはオシドリが数百羽いますが、京都の宝が池や枚方の山田池公園にいる人慣れしたオシドリと違って、メチャ警戒心が強く、100メートル離れていても木陰からチラッと人影が見えただけで逃げます。
そのオシドリが珍しく、ダムの下流にいました。カルガモやマガモの小群に混じって、♂♀仲良く採餌したり、休憩しています。多分、他のカモがダム湖から移動してきた際に、つられて下流へ降りてきたのでしょう。



私がカメラを構えているのは分かっているはずで、ダム湖にいる時はすぐ逃げるのに、ここでは警戒レベルを下げています。「他のカルガモやかマガモも逃げないのだから大丈夫だろう」とタカをくくっているようです。本来持っている固有の能力を他のカモに同化させているのです。
さらに下流に行くと、スズガモ♀がいました。本来は海にいるカモですが、色や形がよく似た淡水系のキンクロハジロの群れに紛れ込んでいます。シベリアから渡ってくる際に、「自分はスズガモである」というアイデンティティや個性を忘れて、「同じ色と形だからこっちについて行こう」とキンクロハジロの群れに加わったのでしょう。



他のカモに合わせて警戒心をゆるめるオシドリや、外観が同じキンクロハジロの群れに混じって行動するスズガモを見ていると、同調圧力を受け入れて右往左往する人間を連想します。
恵方巻に煽られて無用な巻き寿司を買い込んだり、バレンタインデーに踊らされてチョコレート売場に殺到するという世相に触れたこともあって、カモの行動に付和雷同する人の愚かしさを感じました。
コメント (2)
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