樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

ブナの花

2017年06月01日 | 樹木
週末、栃の森に行ってきました。この時期は樹の花が最も多彩で、いつものコースを歩いていても目移りします。
まずは主役のトチノキ。白い花の中の小さな赤い点は「蜜売り切れ」のサイン。花粉を媒介するミツバチやマルハナバチはこの赤が識別できる一方、花粉を媒介しないコハナバチやチョウは識別できません。媒介者は蜜のある花へ誘導し、盗蜜者には無駄足を踏ませることで吸蜜効率を抑えるというトチノキの戦略だそうです。



この森でトチノキと同じくらい多い樹種はブナ。久しぶりにその花を見ることができました。
ブナは4~5年に一度しか開花しない上に、地味な色なので発見しにくく、訪れるタイミングが合わないとなかなか出会えません。今回、1株だけよく見える位置に咲いていました。垂れ下がっているのが雄花、上を向いて咲いているのが雌花です。



ブナとは逆に、最も目立ったのはミズキ。小さな花が集まって咲いて、白い雲のようです。



ヤブデマリもあちこちに白い花を咲かせていました。



タニウツギも満開でしたが、林道のいつもの場所に1株だけ白花のタニウツギが咲いています。私が依拠している図鑑には掲載されていませんが、Web上では「シロバナタニウツギ」とか「シロバナウツギ」という名前の品種として出ています。いずれにしても珍しいようです。



このほか、ホオノキ、ハクウンボク、ヤマボウシ、ナナカマド、アズキナシ、ガマズミなど白い花を中心に、フジ、キリ、コミネカエデ、ウリハダカエデ、オニグルミ、サワグルミ、カナクギノキなどの花が咲いていました。
コメント (2)
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