樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

遊ぶ鳥

2013年01月07日 | 野鳥
現生人類を「ホモ・サピエンス(賢い人)」と呼ぶのに対して、オランダの歴史学者ホイジンガは「ホモ・ルーデンス(遊ぶ人)」と名づけました。人間のあらゆる活動には遊びの要素があるという説です。
まさしく卓見ですが、人間だけでなく鳥も遊びます。カラスが電線に止まったまま1回転したり、滑り台で遊ぶのはよく知られていますが、最近、私は小鳥も遊ぶことを発見しました。
その一つの事例がクロジ。毎年冬になると散歩コースの大吉山にやってきて、薄暗い林床で数羽が群れになって動き回っています。
最初は「健気に、一生懸命餌を探しているな~」と思っていましたが、じっくり観察すると、餌とおぼしき丸い実をくわえても飲み込まず、吐き出して地面に落とし、また別の実をくわえては落とすという行為を繰り返しています。
まるで子どもがボール遊びをしているようです。その姿を見ながら、幼い頃「食べる物で遊んだらアカン!」と親に叱られたことを思い出しました。
下の動画では、メスは丸い実で遊んだ後、カマキリを捕食します。クロジは雑食ですが、遊びと食事の対象を切り替えているようです。画像を拡大して確認すると、くわえているのはコジイの実。



もう一つの事例はビンズイ。今の時期、京都御苑の草地ではあちこちで数羽の群れが餌をあさっています。次の動画の前半は通常の採餌ですが、後半ではただ落ち葉をまき散らしています。



シロハラは落ち葉をひっくり返して虫を取りますが、ビンズイは草や木の種を食べるので葉っぱをまき散らす必要はないはず。私には戯れているようにしか見えません。小鳥も遊ぶんですね!
ホモ・ルーデンスとしては、奴らに負けてはいられません。オランダの学者を持ち出すまでもなく、日本の古人も「遊びをせんとや生まれけむ 戯れせんとや生まれけん」と言っていますので、私も一生懸命遊ぶことにしました。(笑)
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする