樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

樹の注射

2010年03月25日 | 森林保護
先日、いつも通り大吉山に散歩に行くと、乗り入れ禁止の遊歩道に車が4台も停まっていて、6~7人の男たちが何やらあやしい動き。よく見ると、斜面に生えているアカマツの幹にドリルで穴を開け、そこに茶色のボトルを差し込んでいます。
「松枯れ病対策だろうな~」と思いながら、いつも通り展望台まで登って体操した後、カメラで撮影して帰ってきました。



茶色のボトルに書いてある「グリーンガード」をネット検索すると、やはり松枯れ防止の薬剤と判明しました。作っているのは、世界最大の薬品メーカー、ファイザー。
そのサイトには松枯れ病に関する一般向けの解説ページもあって、いろいろ勉強になりました、私も一応そのメカニズムは知っていましたが、より詳しく理解できました。
以前から「松枯れ病と水不足による枯れをどう見分けるのだろう?」と疑問でしたが、それも解消しました。葉の枯れ方が違うらしいです。
枝先の葉(新葉)は緑なのに、その下の旧葉が枯れて垂れているのは松枯れ病、全部が赤く枯れて垂れてないのは乾燥によるものだそうです。ほかに、幹を少し傷つけて出てくる樹脂(松やに)でも判断できるとか。


(1本のアカマツに2~3個のボトルが差し込まれています)

樹の幹にボトルが差し込まれている姿は痛々しいですが、人間で言えば予防注射みたいなものですね。
大吉山には近くに住む高齢者も登って来られて、「昔はアカマツだらけやった」と話しておられます。以前この山の植生変化をご紹介しましたが、長年住んでいるとそれを実感するんでしょうね。
グリーンガードのwebサイトはこちら
コメント (2)
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