今は午前5時30分。今日はデイサービスの日なので、8時半には階段介助のヘルパーさんが現れる。週に2回のデイサービスの日は結果的に徹夜となるので地獄。父の入浴と気分転換のために不可欠といえども、9時に出て行き、16時半に帰ってくるとなると、20分おきのバス路線上にある我が家では、出かけても駆け足で帰ってこなくてはならない。あくまでも父の為で、家族のためにはならない。
昨日は、母が駅前に用事を済ませるために出かけ、私が午後から留守番だったが、昼の巡回が長引いて、その分、母が約束の時刻に帰ってこなかった。途中立ち寄れなかった寒川に用事があった。父が睡眠中であることを確認し、階段下に車椅子等を重ねたバリケードを置いて、母の帰宅を待たずに家を出た。
私が出かけた時、父はわずかな留守番の不在に気が付いていた。歩行器が通路に引っかかるほど大きいので、居室の出口を回りきれず歩行器を倒してしまった。それをそのままにしてベッドに戻ったから、部屋の出入り口に歩行器のバリケードが出来ていたのだった。階段をひとり歩行器をつけて降りるところだった。危なかった。
昨夜は大きな事態は起きなかったが、父が部屋のソファーに置いた洗濯物の山をかき回したので、部屋はすさまじい状態になっていた。「床屋に行くから財布を捜したのだ」という。そのように、記憶の断片を跡付けることが出来ているのは、まだいいとすべきか。短期記憶を吹き飛ばし、「そんなことは知らん」と言い出したほうが認知症としては進んでいることになるだろう。
しかし平穏と思った私は甘かった。朝食を出すとき、ベッド下から醤油さしが転がり出てきたのだった。床には大きなシミができていた。今日はデイサービスの日。父を追い出したあとベッド下の拭き掃除をすることになる。
都議選の野次馬評定をしていたので、また父の「浣腸」を買い忘れた。押入れを探したら、医療資格のある者が使う先の管の長い浣腸が見つかった。有資格者しか使えないので、押入れに入れっぱなしにしていたのだった。これを入れておこうと、ホームに持ち出す荷物の中の薬袋を見たら、なんと前回の浣腸が手付かずで残っていた。浣腸がなければ、便秘3日目の父を預かれないと、ホームに私が届けたことを思い出した。ため息が出た。四角四面の規則に振り回されたのだろうかと。まあ、浣腸を使わずに排便できたと解釈しようと、首をふるった。
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Big Issue 東京事務所との話し合いの件で、Tさんと接触する必要があった。寒川で用を足した帰り、茅ヶ崎サポセンに立ち寄った。偶然Tさんが連絡簿に私宛の手紙を書いているところだった。
Tさんに、前に同誌の販売していたとき、金銭管理の収支不足の責任をどのような形で済ませたのかを聞いた。それは収支不足の原因を聞いても見えにくいことが、以前の話し合いでわかっていたから、経過を聞いたのだった。Tさんが借金返済の意志表示をして、その意志をお互い確認しているかを、Tさんには失礼承知で問い質した。
Tさんは、借金の金額を知らなかった。ただそれは1・2年間に分散すればBig Issue 販売などの仕事収入があれば、総額でも支払える金額だった。Tさんは収入の道が出来たら、そこから返済していく意志を、前の支援団体に伝えてあるといった。それにも関わらず返済が滞っているのは、空き缶拾いをしているが、それだけでは返済不可能なのだと説明した。
赤貧の方との活動では、予定が守られなかったり、返済が出来なくなるような事態が頻繁に起きる。それを当事者の責任の無さと言い切ると、その方の生きていくこと自体の必要経費の追い上げてくる矛盾の実情が封じられてしまう。無責任な人間が仕立てあげられてしまう。
契約は対等性が背景にある。貧困に関わる活動の場合、その対等性に偏りがあり、支援者はリスクを抱え込まなくてはならないのが実態となる。収入の道がその「契約自身の成立の彼方に入れ子のように設定されている」ため、逆に言うと契約の破綻自身がもともと構造的に準備されている。収入機会の枯渇が当事者さんの身を串刺しにしている。
ゆえにその保証のない契約破綻を防止するシステムを併行して走らせなくてはならない。発展途上国、日本では戦前の高利貸(関係者のことを高利貸と言っているのではない。あしからず。)に、「返せないのになぜ借金をするのか」という泥沼を断じることと似ている。その非対称性ゆえに、契約は安全範囲のガードの隘路の範囲、限定契約から育てる必要があり、単に倫理的な断罪では、当事者は沼の底にただ落ちていくだけとなる。支援活動は救済ではなく連携契約であると言ったとき、その対等性は、隘路のガードゾーンの中でしか成り立たないのだ。ここに貧困を扱う活動の不合理がある。
Tさんが販売再開したとき、売り上げの一部を返済にあてるということを確認し、新規の販売部数に対する支払い責任は、代理人として私が引き受けること。しかしその部数と対価支払いの管理は、Tさんが支払った金額の部数しか冊子を出さないシステムを準備した。
「貸し売り無し」の形を厳守することと、支払いの明確化のために、キャッシング・ショッピングともに機能を捨てた機能限定カードをつかうことにした。会の口座に彼がカード入金する、それを私が通帳管理する。その金額分のみ翌日に部数を手渡すという方式だ。会の口座を使う。手数料が当人入金なので時間帯を考えれば無料だ。会のお互い役員なので口座を利用できる。通帳・印鑑・暗証番号を伝えないので、入金しかできない。察し取り寄せは別口座にプールした運用資金で支払い。定例会前にTさんからカードを回収し、その場でATMから引き出し清算する。
時間的にお互いがすれ違うことの多い関係では、仲介記録機能を利用するのがいいだろうということになった。販売員さんが増えてくれば、このやり方は合わなくなる。しかし数名までなら可能だろう。個人口座を貸すのではないので、違法性も無いだろう。記録明確化と、受け渡しの自由さ確保が目的。
もうひとつは、毎週一度、定例の会合を持つことにした。ここで会計の監査を行う。支援者さんとの交流もここで持つ。バックナンバー仕入れ管理はこの日に行う。他に週1~2回、受け渡し確認の出会いを設ける。連絡簿経由で都合を確認し、会う日程を決める。これで合計週2~3回の出会いを確保する。
もうひとつ、Tさんが代表であることへの問題。これはBig Issue を「会計に経理すべてを委任する」というTさんの委任状と、借金返済を行いその返済終了まで、対外的に「あすなろ会代表」の肩書きを使わないという念書をTさんと私の連名で記しBig Issue に提出すること。旧支援者の方に、私が立会い、借金返済の意思表示と方法を伝えること、それでも信用保証と謝罪がだめならば、湘南オンラインフレネに支援活動の一環として、冊子受取と支払い代行を請負うこと。
Tさんが放棄するだろうという予測の件は、甘いといわれようと収入の道を提供する意義を優先することで、彼の退路は断たないことにしていく。運営資金は定額給付金をプールすることにした。ことは路上滞留の状況を打開すること。Tさんがそこをくぐれば、彼方に信用回復が待っている。
こう書けばTさんの道は開けるようにも見える。しかしTさんとの話し合いの始めに、Tさんは「販売員さんの不法な離脱や、契約外の販売などで様々な問題が最近頻繁に出ているから、自分への対応も厳しくなっている」という解説があり、以前の起きた事態の中の支援者への責任を無視した卑しい発言を、私がたしなめる場面もあって、実際、事はきれいごとでは進まないだろうと思う。しかし話し合いの中で、生まれた「信用回復への道を進むつもり」という彼の言葉を私は信じている。
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8月21・22日の「リカバリー全国フォーラム2009」は、やはり辻堂<>清瀬間を日帰り往復の形になりそうだ。クラブハウス関連のビデオの所在が分かっているが大学図書館なので紹介状をもらうつもり。開館が8月からとは…。
夜間傾聴:□□君(仮名)
(校正1回目済み)
昨日は、母が駅前に用事を済ませるために出かけ、私が午後から留守番だったが、昼の巡回が長引いて、その分、母が約束の時刻に帰ってこなかった。途中立ち寄れなかった寒川に用事があった。父が睡眠中であることを確認し、階段下に車椅子等を重ねたバリケードを置いて、母の帰宅を待たずに家を出た。
私が出かけた時、父はわずかな留守番の不在に気が付いていた。歩行器が通路に引っかかるほど大きいので、居室の出口を回りきれず歩行器を倒してしまった。それをそのままにしてベッドに戻ったから、部屋の出入り口に歩行器のバリケードが出来ていたのだった。階段をひとり歩行器をつけて降りるところだった。危なかった。
昨夜は大きな事態は起きなかったが、父が部屋のソファーに置いた洗濯物の山をかき回したので、部屋はすさまじい状態になっていた。「床屋に行くから財布を捜したのだ」という。そのように、記憶の断片を跡付けることが出来ているのは、まだいいとすべきか。短期記憶を吹き飛ばし、「そんなことは知らん」と言い出したほうが認知症としては進んでいることになるだろう。
しかし平穏と思った私は甘かった。朝食を出すとき、ベッド下から醤油さしが転がり出てきたのだった。床には大きなシミができていた。今日はデイサービスの日。父を追い出したあとベッド下の拭き掃除をすることになる。
都議選の野次馬評定をしていたので、また父の「浣腸」を買い忘れた。押入れを探したら、医療資格のある者が使う先の管の長い浣腸が見つかった。有資格者しか使えないので、押入れに入れっぱなしにしていたのだった。これを入れておこうと、ホームに持ち出す荷物の中の薬袋を見たら、なんと前回の浣腸が手付かずで残っていた。浣腸がなければ、便秘3日目の父を預かれないと、ホームに私が届けたことを思い出した。ため息が出た。四角四面の規則に振り回されたのだろうかと。まあ、浣腸を使わずに排便できたと解釈しようと、首をふるった。
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Big Issue 東京事務所との話し合いの件で、Tさんと接触する必要があった。寒川で用を足した帰り、茅ヶ崎サポセンに立ち寄った。偶然Tさんが連絡簿に私宛の手紙を書いているところだった。
Tさんに、前に同誌の販売していたとき、金銭管理の収支不足の責任をどのような形で済ませたのかを聞いた。それは収支不足の原因を聞いても見えにくいことが、以前の話し合いでわかっていたから、経過を聞いたのだった。Tさんが借金返済の意志表示をして、その意志をお互い確認しているかを、Tさんには失礼承知で問い質した。
Tさんは、借金の金額を知らなかった。ただそれは1・2年間に分散すればBig Issue 販売などの仕事収入があれば、総額でも支払える金額だった。Tさんは収入の道が出来たら、そこから返済していく意志を、前の支援団体に伝えてあるといった。それにも関わらず返済が滞っているのは、空き缶拾いをしているが、それだけでは返済不可能なのだと説明した。
赤貧の方との活動では、予定が守られなかったり、返済が出来なくなるような事態が頻繁に起きる。それを当事者の責任の無さと言い切ると、その方の生きていくこと自体の必要経費の追い上げてくる矛盾の実情が封じられてしまう。無責任な人間が仕立てあげられてしまう。
契約は対等性が背景にある。貧困に関わる活動の場合、その対等性に偏りがあり、支援者はリスクを抱え込まなくてはならないのが実態となる。収入の道がその「契約自身の成立の彼方に入れ子のように設定されている」ため、逆に言うと契約の破綻自身がもともと構造的に準備されている。収入機会の枯渇が当事者さんの身を串刺しにしている。
ゆえにその保証のない契約破綻を防止するシステムを併行して走らせなくてはならない。発展途上国、日本では戦前の高利貸(関係者のことを高利貸と言っているのではない。あしからず。)に、「返せないのになぜ借金をするのか」という泥沼を断じることと似ている。その非対称性ゆえに、契約は安全範囲のガードの隘路の範囲、限定契約から育てる必要があり、単に倫理的な断罪では、当事者は沼の底にただ落ちていくだけとなる。支援活動は救済ではなく連携契約であると言ったとき、その対等性は、隘路のガードゾーンの中でしか成り立たないのだ。ここに貧困を扱う活動の不合理がある。
Tさんが販売再開したとき、売り上げの一部を返済にあてるということを確認し、新規の販売部数に対する支払い責任は、代理人として私が引き受けること。しかしその部数と対価支払いの管理は、Tさんが支払った金額の部数しか冊子を出さないシステムを準備した。
「貸し売り無し」の形を厳守することと、支払いの明確化のために、キャッシング・ショッピングともに機能を捨てた機能限定カードをつかうことにした。会の口座に彼がカード入金する、それを私が通帳管理する。その金額分のみ翌日に部数を手渡すという方式だ。会の口座を使う。手数料が当人入金なので時間帯を考えれば無料だ。会のお互い役員なので口座を利用できる。通帳・印鑑・暗証番号を伝えないので、入金しかできない。察し取り寄せは別口座にプールした運用資金で支払い。定例会前にTさんからカードを回収し、その場でATMから引き出し清算する。
時間的にお互いがすれ違うことの多い関係では、仲介記録機能を利用するのがいいだろうということになった。販売員さんが増えてくれば、このやり方は合わなくなる。しかし数名までなら可能だろう。個人口座を貸すのではないので、違法性も無いだろう。記録明確化と、受け渡しの自由さ確保が目的。
もうひとつは、毎週一度、定例の会合を持つことにした。ここで会計の監査を行う。支援者さんとの交流もここで持つ。バックナンバー仕入れ管理はこの日に行う。他に週1~2回、受け渡し確認の出会いを設ける。連絡簿経由で都合を確認し、会う日程を決める。これで合計週2~3回の出会いを確保する。
もうひとつ、Tさんが代表であることへの問題。これはBig Issue を「会計に経理すべてを委任する」というTさんの委任状と、借金返済を行いその返済終了まで、対外的に「あすなろ会代表」の肩書きを使わないという念書をTさんと私の連名で記しBig Issue に提出すること。旧支援者の方に、私が立会い、借金返済の意思表示と方法を伝えること、それでも信用保証と謝罪がだめならば、湘南オンラインフレネに支援活動の一環として、冊子受取と支払い代行を請負うこと。
Tさんが放棄するだろうという予測の件は、甘いといわれようと収入の道を提供する意義を優先することで、彼の退路は断たないことにしていく。運営資金は定額給付金をプールすることにした。ことは路上滞留の状況を打開すること。Tさんがそこをくぐれば、彼方に信用回復が待っている。
こう書けばTさんの道は開けるようにも見える。しかしTさんとの話し合いの始めに、Tさんは「販売員さんの不法な離脱や、契約外の販売などで様々な問題が最近頻繁に出ているから、自分への対応も厳しくなっている」という解説があり、以前の起きた事態の中の支援者への責任を無視した卑しい発言を、私がたしなめる場面もあって、実際、事はきれいごとでは進まないだろうと思う。しかし話し合いの中で、生まれた「信用回復への道を進むつもり」という彼の言葉を私は信じている。
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8月21・22日の「リカバリー全国フォーラム2009」は、やはり辻堂<>清瀬間を日帰り往復の形になりそうだ。クラブハウス関連のビデオの所在が分かっているが大学図書館なので紹介状をもらうつもり。開館が8月からとは…。
夜間傾聴:□□君(仮名)
(校正1回目済み)