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年末に帰省した孫が「おじいちゃん、新聞は止めないよね」と聞く。
その新聞は孫の名前を付けた小さな新聞のことだ。始めた動機は「ひらかなが読めるようになりました」という嫁のメールだった。3歳になる孫とのコミュニケーションを図ろうとパソコンで作り始めた。季刊のつもりで始めたが面白くなり月刊になった。送り続けて6年余になる。
「おじいちゃんが元気な間は作るよ。でも読むのが嫌になったら教えて」と答えた。「新聞はいつも待っているよ」と嬉しそうな顔で返してくれた。
なぜ「止めないよね」と聞いたのだろうか。帰省しこの顔をみたり話したりして老いていると感じたのだろうか。まだ続ける気力は持っている、孫に安心させようと今月は早めに作った。きりよく80号、人で言えば傘壽に当たる目出度い号数になっていた。明日には届くだろう。
今年の年賀状に「新聞いつもありがとう」と書添えていたことを思い出した。待っていてくれるのだと思いながらも、孫の成長にいつまでついていけるか心配はある。
(写真:今月号の1部)