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「今日はボジョレーヌーボー解禁日」、アナウンサーの嬉しそうな声が教えてくれた。現役時代、仕事の相方の一人に在京勤務者がいた。大のワイン好きでボジョレーヌーボー解禁日は午前零時を喫して仲間と乾杯していた、という。その人の顔を思い出していたら「レンコンの日」でもあるという。
レンコン(蓮根)は当市の特産の一つで、全国でも名を知られている。料理によってほくほく感やしゃきしゃきした歯ざわりが楽しめる。また、でんぷん質が多く食すると糸を引き粘りのあることもわかる。もう一つの特徴は一般のレンコンは穴が8つだが、特産のレンコンには穴が9つある。地元料理の酢の物や大平、岩国寿司には欠かせない品となっている。
これから歳暮にも喜ばれる品で出荷量が増しレンコン農家は忙しくなる。先日、収穫を終えて運搬車へ積み込むところに通りかかった。黒々とした土付きのレンコンは陽の目にあえてどんな気持ちだろうと思いながら眺めた。農家の人は、収量は雨量が少なかったことで昨年より落ちるが、味は伝統のまま、そんな話を聞かされた。
市内ではこの土の付いたまま販売されるものもあるが、何か上質な品に見える。岩国レンコンは「門前(もんぜん)バス」といわれる。これは篤農家の一人が、岡山から備中種を持ちかえり、これを門前地区に植えたのが始まりといわれる。外周の穴が9つのレンコンは岩国産です、どうぞ味わってください。
(今日の575) 蓮の花終わりて茎は食される