たまに通る、国道へ抜ける山越えの抜け道がある。そこは歩いて上るにはちょっときつい感じがする勾配の在る坂道、ということもあり通る人は散策や畑仕事をする人くらいで少ない。片側1車線であるが通行には十分な幅員で、通過車はかなりの速度で通り抜ける。その道は小さい山を切り開いて設けらたので、両側から樹木が覆いかぶさり陽ざしをさえぎっている。
木蔭を通り抜けたところで農作業中の人の猪の話を聞いていた。散策中の女性がその木陰を通り抜けて来た。立ち止まり木蔭の涼しさを口にされた。その日は今季始めての夏日を記録を記録した日だった。「この道が全部木蔭なら歩くのに助かるんですが」、そんなことを言い再び歩き始めた。
あの木蔭も自然のままに放置しておけば、枝が折れたり倒木したりと必ず通行の邪魔をするときはが来る。そうならないうちに手入れして欲しいが、道路際の伸びた雑草も最近は処理が年1回になったというぐらいメインでない道路の手入れは回数は減ったと聞いた。通行量は多くないが便利で利用者も負多い道路、整備を望みたい。
木蔭のトンネルと言えば思い出す場所がある。作家・宇野千代の小説に出る錦川の途中に龍江と呼ぶ深い淵がある。そこは錦帯橋からまっすぐに下ったところで、樹齢2百年くらいの杉が立っている。そこから川西の街並みまで昼でもうす暗いほど樹木が覆っていた。ある時、拡幅工事で青空が見え始め風景が一転、惜しいことをしたと思いながら散策している。
(今日の575) 抜け道も毎日通れば本通り