自動車を所有する者は強制的に自動車損害賠償責任保険(自賠責)に加入させられる。保険料を納付しないと車検が受けれず、車を所有していても使用できない。車社会の今日、交通事故の被害者を自賠責で支え合う制度は必要だと思うし、制度の充実のためなら負担増も必要だ。
来年度からこの保険料が1台当たり150円引き上げと今国会で決まった。購読紙の社説を読んで驚いた。その見出しは「借りた金 国がまず返せ」、何だこりゃあ、と思い読んだ。約30年前の1994と95年度に国は自賠責の積立金から、なんと1兆1200億円を強引に借り入れた。この隠れ借金の返済が利息も含め6千億円残っている。政府は返す返すと言いながら長く放置、今の返済計画では100年以上必要と社説は解説している。
ある新聞では「被害者支援や事故防止にも充てられるようにして安定的な財源を確保する」と報じ、政府の都合の悪いことは記事に載っていない。財源の積立金は1500億円まで目減りしているが、未返済の6千億円ガ返済されていれば7500億円の積立金があることになる。
借りた物は計画通り返済する、当たり前のことを国はしていない。ましてや国は返済の具体的な計画を示していないという。悪く言えば借りっぱなし、その付を車所有者に強制的に払わせる、理解に苦しむ。国会でどんな議論の過程かを知らないことも問題かもしれないが借りた物は返すのが筋だ。大幅な円安に手を打てない内閣の策無しと合わせて参院選を考えよう。
(今日の575) 個人ならとうに倒産姿なし