新型コロナ感染拡大により、大きな影響を受けた事業者に対し、事業継続を支え、再起の糧となるとして事業全般に広く使える給付金として「持続化給付金」制度が設けられた。この給付申請や給付についてトラブルもあったが、助かった事業者も多かったろう。
この給付に関し、このところ給付金詐欺の逮捕者が出ている。その典型は国税庁職員らの逮捕ではなかろうか。確定申告書を偽造するなど思いもつかないが、国税局職員なら簡単なのだろうか。これを用いて億単位の詐欺を働いた。国税の職員であれば給付金は税金からということを知らぬ訳がない。税金の使途はどうあるべきかは業務の基本の基本だろう。国税への信頼を落とした。
この制度は「迅速な給付」を目的としていた。国会審議でも抜け穴がガ心配されていた。岸田首相も政調会長時代に質問で危惧され「性善説による申請」を質されていた。これまで30億円以上が返金されており、特設コーナーを設け返金の受付をしていると報道されている。これほどの誤申請を見破れなかったのは法の不備ではなかったのかと思う。
法がどうであれ公務員、それも国税職員が詐欺で税金を騙し取る、世も末の感というところか。国税職員以外の同類の詐欺事件の報道にうんざりしている時、寺の山門横の掲示が目についた。そこには、今あゆんでいる道がどれほど大切な道なのか、分かりやすく詠ってあった。いつか法話で聞けるかもしれない。
(今日の575) 税金を詐欺で盗んだ税務署員