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今朝方まで雪という昨夕の予報。それならと雪を見てあわてるよりと、電池は充電済みと入れ替えるなどカメラの準備をして床に就いた。寝返りの時、雪にしては冷え込まないと思いながら再び寝入る。起床時間の時報に促され床を抜ける。玄関の扉を開く、無情かな音もなく小雨が降っている。「小寒」と「雪」、この絶好のタイミングへの期待は明けやらぬ5時の彼方に消えた。
今朝の気持ちは「小寒の氷大寒に解く」に似る。大寒がかえって小寒より暖かなことがる、物事が必ずしも思い通り順序通りにゆかないことを表す。大寒は非常に寒い時期を表すが、今月20日が大寒、2月4日の立春までは暦の上では寒さを覚悟しなければいけない。今日の最高気温は6度台、風のない午後、お節疲れの身体を戻そうと散歩する。少し汗ばみ寒を忘れる。
青芒は夏の季語、穂の出た花芒はやがて冬の枯芒となる。枯れ芒の風情も捨てがたいと歌人はいう。近くの中州は上流からの流土が自然に堆積してできた個所で、草木を始め小さな生き物が自然に宿っている。その中でススキは他を圧倒する生命力で川の風景を形作る。しかし、冬ともなりと夏の勢いは消え、来春へ備えるため土に帰る。
そんな枯れススキの茂みの中に1本、普通の背丈の半分もないススキが白い穂をつけて立っている。風が吹いていれば穂をなびかせ存在が示せるが穏やかな冬日で叶わない。小さなススキの傍の茂みから野鳥の鳴き声が聞こえるが姿は見えない。思わぬところに生き物の気配を感じ、万物の霊長が寒さに縮こまってはいられない、そう思いながら散歩を続ける。