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「蛙」と書いて「かえる」と読むが俳句では「かわず」と読む習慣になっているという。蛙と言えば「古池や蛙飛びこむ水の音 芭蕉」の句を知らない人はいないだろう。日暮れ時から夜にかけて田んぼで鳴く蛙の合唱は田んぼには欠かせない趣のある風情だった。と今は過去形になるほど田んぼの様子は変わった。
子どものころには小川と田んぼが遊び場所の一つだった。そのとき歌いながら遊びに興じたか定かでないが「童謡・かえるの合唱」がある。曲はドイツ民謡とあるが楽しく歌える。「かえるのうたが きこえてくるよ クヮクヮクヮクヮ ケケケケ ケケケケ クヮクヮクヮ」。カタカナのところはいろいろに歌われるそうだ。まあ、とにかく蛙の鳴き声は賑やかだったと記憶している。
そんな蛙を粘土で作る。最近は蛙を見かけないという会話を交わしながら、準備された型紙を使って始める。胴が出来たら、足、腹、手、目など細かな部位を丁寧につけていく。作る人の個性を滲ませた蛙が姿になる。次々と生まれるそれは殿様蛙、雨蛙、蟇(ひき)蛙など様々、だが、牛蛙の姿は無かった。一同に並べてみると合唱が始まりそう。
色は黒っぽいがこれは粘土の色。素焼きすると白くなる。そこで専用の絵の具を使って色をつけるというか塗る。ぴょんと身軽に飛べるか、のっしのっしと鈍い動作の蟇蛙になるか、色づけでがらりと作品の感じが変わる。蛙が姿を見せるにはもう少し時間があるが、作品に誘われて早く登場して欲しいものだ。