日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

潅水チューブの活躍

2017年09月25日 | 回想

 車で走りながら見ていた畑法面に咲く真赤な彼岸花を撮ろうと出かけた。夏ほどではないが秋晴れで乾燥している空気は気持ち良いけれど汗をかく。整然と区分けされた畑にはそれぞれの作物が行儀よく整列したり隣と競りあいながら育っている。そんなひと区画によく育っている人参の畝に「おやっ、もしかしたら」というものを見つけた、近寄って見ると「EVAFLOW」と印字されている。

 在職中、仕事でこの商品の開発現場をよく訪れた。何となく記憶している商品の特徴はこうだった。露地やハウス栽培の農作物への水や液肥をやるとき、噴霧、点滴、畝への散水などその方法に無関係でむらなくやれる潅水チューブの優れ物、施工取り扱いは簡単で、入り口から離れたところも均一に撒けるなどというもの。営業や開発者はPRに努めただろうが、責任者が懇意なこともあって、外勤の多い私にも近隣へのPRを頼まれた。

 或る時、外国の実習生を広島に案内した。平和公園を散策中にエバフローが公園の植え込みに張り巡らされているのを見つけた。通訳を通じ実習生に当社製品であることを伝え、当社技術の一端を現物紹介した。人参畑を潤している製品はどこのメーカー品かは分からないが、何十年経っても働いている姿に喜びながら、開発機器のわずかなロールの間を上下に駆けまわっていたチューブの走りを思い出す。

 農業経営の大型化や従事者の高齢化、外国農産物との競合、自給率の低下など農業を取り巻く環境の厳しさは一向に改善されていないように思う。また、農獣被害も深刻で離農も増える。一方、農作物は水無くしては育たない。小さな潅水チューブを眺めながら、機械化は無理だと思われる畑のそばで小規模農家を助けている思い出の商品へ我も頑張ると応える。
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