今日も宇宙の話。「土星」は太陽の周囲を回る太陽系8惑星の一つ。太陽から6番目に近い軌道を回り、太陽からの距離は地球の10倍ほど離れていて、29年余りかけて太陽を一周する。大きさは惑星の中で木星に次いで大きく、その赤道半径は約6万㌔で地球の9倍以上あるという。土星といえば、その赤道上空の円盤の様に広がる輪は子どものころの教科書で知った。土星探査機によって輪は氷の塊などの粒子でできているなど数多くの新しいことが分かった。
この探査機の名前は「カッシーニ」。1997年10月15日というから丁度20年前、米航空宇宙局(NASA)や欧州宇宙機構(ESA)などが共同で打ち上げた。金星、地球、木星のスイングバイに成功し土星へ進路をとった。打上げから7年経った2004年に土星の周りを回る探査機となった。あの輪はダイナミックに変化することや、2つの衛星に子機を降ろし表面の状況や大気の様子、間欠泉の発見から生命をはぐくんでいる期待を持たせた。
探査機カッシーニ直近の観測作業は今年4月末、惑星と一番内側の輪の間を22回通り抜け、これまですべて推測にすぎなかったデータを採取した。また、そこから輪の起源や土星内部の性質も判明するかもしれないと期待されている。カッシーニは新しい衛星を7個発見するなど、これまで40数万点の映像など資料を収集、その解析が進んでいるという。
運用が順調で2回観測期間が延長されたが、9月12日衛星タイタンへ接近しその重力により軌道を変更し15日に土星の北半球へ突入し観測13年のミッションを終える。突入でカッシーニはバラバラになるが、その寸前まで土星表面の画像や大気の分析を続け新たなデータ取得を行いフィナーレとする。20年間のお勤め本当にご苦労様でした。