先日書いたNASAなどの無人探査機カッシーニ、予定通り昨15日に13年にわたる土星やその衛星の観測を終えた。購読紙の総合・国際面に30行ほどの記事で載っている。記事によると、土星への突入は日本時間15日午後7時半ごろとある。土星から電波が届くには80分かかるため、同午後9時ごろにカッシーニからの最後の信号を受信とある。
任務終了の間際まで、先日も書いた土星大気の成分分析に挑戦したという。観測データや撮影した画像を突入まで地球に送信し続けた。突入により機体はばらばらになって燃え尽きた。これは地球周回の衛星が任務を終えて大気圏で燃え尽きる運命と同じだ。掲載した写真は、完成直後の高速道路のように見えるがカッシーニが最後に撮影した土星の輪。
衛星の一つエンケラドスでは、南極にある割れ目から間欠泉のように水が噴き出す様子が発見されている。表面の厚い氷の下には広大な海があることを突き止めている。さらに、海底では地球と同じ熱水活動が起きているとみられ、生命を育んでいるという期待が高まっているという報道は宇宙への夢を膨らませる。
宇宙の航海者ボイジャーは、最近話題の太陽風の届く太陽圏を脱し他の恒星空間へ向かっている。一方で長い観測を終えた探査機は打ち上げ者の目の届かない惑星へ突入し燃え尽きる。国際観測衛星は人類未来の幸せのために活動している。無限の宇宙で人でない人工物が未知への夢を開いている。そんな宇宙へ戦の飛び道具を飛行させるなどとうてい許されるものではない。宇宙は地球人だけのもではない、未来永劫安泰で欲しい。