
秋の味覚の一つマツタケ、輸入品は店頭に姿を見せ始めた。しかし、マツタケは国産が味も香も他を寄せ付けない。山口・広島県産はその評価が高いと思っている。市内でも錦川沿いは産地として知られていて、その昔、シーズンには多くに人が味わいに訪れた。最近は、品薄もあり庶民が気安く味わえる値段でないことはよく承知している。
何度か錦川沿いの山にマツタケ獲りに行った。早朝、うす暗いうちに出発、現地で腹ごしらえをしているうちに夜が明ける。麓から両手両足を地面につけて這うようにして上っていく。1本見つけるとその周囲を念入りに探す。手にした時、自分では見えないがニンマリしていただろう。その山も管理ができなくなり知人の持ち物でなくなり行けなくなった。
市内で地元産がいち早く店頭に並ぶのは錦川に架かるある橋のたもとにある商店。古くから続く店で、初入荷は必ず地方紙のローカル紙面に載るが、今年はまだ載らない。手に入れるわけではないが作柄はどんなものかと思っていた。そんな思いごとが通じたのか「小さいので香りだけですが」とマツタケが届いた。
大きい小さいは抜きで嬉しい届け物、初物なので仏壇に供える。アカマツの根元に自生するキノコで、キノコ菌を山に戻すこともあるという。子どものころ見かけた、天秤棒で担いで運んでいたような光景を返ってこないだろう。さて、思いのほか早く秋の味覚に出会える、初物を家内はどう料理してくれるだろうか。