タバコを吸い始めたのは二十歳をかなり過ぎていた。きっかけは、ある試験準備を仲間としていた。一休みしているときタ仲間の一人がタバコをふかし始めた。その煙に誘われたことで喫煙者の仲間入りとなった。タバコの量、常用となって3日で2箱くらい、1本の半分くらいで灰皿に捨てていた。「もったいない吸いかた」と母が家内に話したという。
ある休日の朝、タバコの買い置きが切れていた。それをきっかけにキッパリと吸わなくなった。よくある禁煙宣言などしないまま喫煙にさよならできた。元々、好きでなかったのかもしれない。それでも、「ある休日」はいつだったか気になっていたが、古い古いメモの端に「昭和57(1982)年9月15日、敬老の日」、と残していた。ということから今日で35年になる。
禁煙開始日を記憶しているようでは本当の意味での禁煙者ではない、というお叱りもあるようだが、タバコの煙漂うとこには近づけなくなっており、喫煙者に戻ることはない。禁煙宣言をしていないからいつでも再開できると強がりも言っていたが、その気は完全に失せている。禁煙の勧めもあり喫煙人口の減少は社会的にはいいことだ。
2020年に向けて禁煙の勧めが一層拍車をかけている。禁煙は五輪開催の絶対条件と言いながら国の方針が決まらず東京都が独自の条例制定に向けて動き出した。紙巻タバコに変わって登場の加熱式タバコ、こちらも税額を紙巻と同水準にする検討が始まると報道されている。喫煙経験があり一刀両断とすることに気の毒な思いもする。その昔、喫煙室で同僚と遠慮なく語ったことが懐かしい。