日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

1枚の写真から

2014年06月11日 | 生活・ニュース


 購読紙に自分の写っている写真とそれにまつわる思い出を短い文章と一緒に載せる「思い出の1枚」というコーナーがある。大方の写真は、服装や周囲の風景、説明などからセピア色ではないかと思いながら読んでいる。時には経験したような懐かしい話題もあり、投稿者の年齢を改めて見直すことも多い。

 掲載の写真は集合写真が多い。添えられた文章は思い出とともに、その時に思いの適わなかった時代背景や家庭の状況、受けた恩愛への感謝、今、思い出して楽しくなることもあればそうでないことなど人様の人生の一片を見る。「出来なかった」「して上げられなかった」という自己に批判的な評価の内容が意外と多い。謙虚な気持ちだろうが、セピア色に変わるほどの長い時間でそれらは寛容されている。

 小学生が宿泊研修の初めに記念写真を付き添いのカメラマンが撮っている。何十年かが過ぎクラス会や同窓会などを待ちどうしく感じるころ、今日の1枚にどんな思い出が残っているだろう。写真なんて生まれた時から撮られ続け、小学生もデジカメを使い、動画も自宅で見れる時代に変わった。今、セピア色の写真に思いをはせている者の気持ちは分からないだろう。でも、分かるときがやってくる、人の営みは繰り返しだから。

 どの児童も屈託のない笑顔で緊張感無く撮られている。彼らと同じ学年頃に撮った私のクラス集合写真もセピア色、今はない背景に写っている校庭を懐かしみながら友らの顔を見る。緊張の坊主頭とおかっぱ姿の顔が並ぶ1枚は朝鮮戦争の始まったころ。戦争を知らない子らにそれを味わせることのない世作りが必要だ。
コメント
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