3月3日は女の子の節句。錦帯橋付近のホテルや商店でお雛様が飾られている。雛飾りを知らせる赤い幟に誘われて訪れた人を楽しませている。緋毛氈に並んだそれは歴史を感じさせるものが多い。
孫娘に嫁の実家からそれが届いて何度目の雛祭だろう。毎年その時期になると写真が届く。しかし我家には雛飾りがいらなかった。それでも孫を思い季節の味わいにと本当に小さな人形を飾る。毎年同じ人形だが夫婦だけの部屋にも柔らかい春の風を感じる。
今年はその飾りに、粘土をこねて形作り、素焼きしたものへ釉薬塗り、そして本焼した手作りの内裏雛が加わった。市販のそれとは違う素人の面白さがいいと自賛しながら写真を撮る。
焼物教室の玄関に「紙雛」を折ってくださいと作り方と色紙が備えてある。1つ作りさて目と口はどんなに書こうかと迷う。ところがそこに見る作品にはそれが書かれていない。目や口は折った人の思いの中かに残すのか、そう考えて作品を置いた。
ひな祭りのもとは上巳の節句といい邪気をはらう意味があり、赤・緑・白の尖った菱餅はその名残で、緑の餅に蓬を用いるのも邪気を払う意味があるという。菱餅を飾ったことは無かった。邪気払いになるなら今年は飾ってみようか。
端午の節句は祝日だが桃の節句はそうなっていない、男女差別だと言った人があったようだが、無粋なことは考えないで白酒を召し上がろう。
(写真:前列右が手作り雛)