我家の近所に自動車学校がある。創立から50年近くなるだろう。高校の卒業式が近くなるとここへ通う制服姿が賑やかな会話をしながら通り過ぎていく。3月の終りまで続く。今の時代、特に就職する生徒には必要な資格になった。
高校卒業し就職したころは自転車の他はバスや列車が通勤手段だった。海岸線にある工業地帯の企業は3交替制が多くバス通同士、他企業の人とも親しくなったことが懐かしい。今は3交替に対応する交通機関はなく、車がその役目を担っている。
在職のころ高卒新入社員の導入教育に安全運転のカリキュラムを加えた。在籍する社員が2千人いれば安全教育の事例には事欠かなかった。また、職場と仕事になれるまで配属後半年ほどは運転を禁止した。
この間は全員寮生活とし同期との関係構築を図ることとした。運転解禁になると親御さんを煩わしただろう車が寮の駐車場に並んだ。幸いなことに退職まで新入社員の事故処理はなかった。
暖かくなったのかメダカが姿を見せ始めた。冬のあいだは動かないでいたメダカ、若葉マークのような泳ぐ様子を見ていて、導入教育をした高卒社員の姿を思い出した。
創立から50年近く経つ自動車学校で免許取得して40数年なる。返上の時期が遠くなるように、これまでどおり無事故無違反をこれからも心掛ける。
(写真:姿を見せ初めたメダカ)