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☆司馬遼太郎「坂の上の雲(五)」感想

2007年07月20日 23時33分19秒 | 文学
坂の上の雲〈5〉司馬遼太郎「坂の上の雲」の5巻。
児玉源太郎が旅順に行って、役に立たない乃木希典のかわりに指示を出すあたりがたいへんおもしろかった。ひさしぶりにおもしろかった。
戦っているのを遠くから描いているところよりも、ひとりひとりの人間がなにをどうやった、ということを描いている部分のほうが面白い。(会話文が多くなるので読みやすいし。)というか、そこしかおもしろくない。
あーあ、いつまでつづくのかな、日露戦争。

光文社古典新訳文庫の「カラマーゾフの兄弟」の4巻と5巻を購入した。
3巻まではまだ買ってない。
なぜこんな買い方をしたかというと、4巻と5巻の腰巻きに付いている応募券を送ると、「カラマーゾフの兄弟」1巻から5巻が入る化粧箱という名のただの箱がもらえるのだ。(8月末まで。)
化粧箱という名のただの箱がどうしてもほしい。
天麩羅よりもおつくりよりもドロップよりも化粧箱という名のただの箱がほしい。
それにしてもこの光文社古典新訳文庫の「カラマーゾフの兄弟」の5巻は4巻に含めることができるのに、訳者の解説をあんなにふんだんに入れてまで5冊に分ける必要があったのだろうか。
訳者解説だけで1冊本が作れそうだ。
解説がこんなに長いなんて、お前は「ガルガンチュワとパンタグリュエル物語」の渡辺一夫か! 日本のユマニストなのか! とあまり誰からも同意を得られないつっこみを入れる。
文庫本の終わりの解説のたぐいはめったに読まないので、すこし損をした気分になる。
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☆声に出して読みたい「エースをねらえ!」

2007年07月18日 22時36分17秒 | 漫画
エースをねらえ! (9)エースをねらえ! (10)
山本鈴美香の「エースをねらえ!」を全巻読み終わったあと、「声に出して読みたい日本語」で有名な齋藤孝の「バカボンのパパはなぜ天才なのか?」(小学館)の「エースをねらえ!」について書かれてある部分だけ読む。(なので、まだバカボンのパパがなぜ天才なのかは知らない。この本はいろいろなマンガについての評論のようなものです。)
齋藤孝は「エースをねらえ!」について、岡ひろみが主人公ではなくお蝶夫人こそがこのマンガの主人公であると主張する。
たしかにごもっともな意見ではあるけれど、このマンガはだれが主人公というような話ではなく、だれも主人公ではない。あえて言えば、
みんなが主人公です。
というふうな、言うだけでも赤面してしまうような話だと思う。
岡ひろみを世界に出すために登場人物たちみんなが自分が身を引いてサポート役に回り、岡自身も後進を育てていこうとしている。みんなで日本のテニス界を盛り立てていこうとしている。
このマンガを読んだのは、内田樹がこのマンガにすべてを学んだと言っていたのがきっかけで、そんなまさか、と思いながら読み始めたのだが、まるっきり嘘ではないな、と感じた。仕事というのは、ひとりでやって分け前もひとりで獲るものではなく分け前をみんなで分かち合うものだ(だからいいんだ)、というような彼の考えはこのマンガから来ている(またはこのマンガの思想と同じ)のだと思った。
しかしこのような考えはなかなか最近では受け入れられなくなっているのも事実で、「エースをねらえ!」がさぶかったり、古かったり感じられるのは、その東京オリンピック的な、というか高度成長期的な、考え方から遠くにいるからだと思う。
身を引いて誰かをサポートする人物(しかも18才や19才で)が集団で登場する物語をほんとうに知らない。「エースをねらえ!」的な考え方が日本で”あり”だった時期があったということもあまり理解できない。
たかだか三十年で日本人のものの考え方が変わってしまったんだな。

9巻でビデオ撮影したものをスローで再生するという場面が登場し、ああやっとビデオが一般化されはじめたなと思った。そのへんも時代を感じさせる。
ミステリー作家の山村美紗はミステリーのトリックのために新しい電化製品が登場するたびに買って研究していたらしい。ファックスは全メーカーのものを買い揃えていた。と、娘の山村紅葉の語っていたのをなんとなく思い出した。
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☆「エースをねらえ!」あと2冊

2007年07月18日 00時44分26秒 | 漫画
エースをねらえ! (7)エースをねらえ! (8)
山本鈴美香の「エースをねらえ!」を8巻まで読んだ。
映画「スター・ウォーズ」で、オビ=ワン・ケノービがダース・べイダーに殺されて死んでしまった後に、ルーク・スカイウォーカーにとってその存在が大きくなったように、岡ひろみにとっても宗方仁が死んだ後存在が大きくなる。
そしてルークが「帝国の逆襲」においてヨーダから教えを受けるのと同じように、ひろみも桂大悟に教わる。
師匠が死んだ後に初めて弟子は教えを受け継ぐことができ、死んだ師の代わりにサポートする人物が登場するというこの物語の型はいったいなんなんだろう。ほかにもあるのかなあ、いま思いつかないが。

8巻になっていろいろな外国選手が日本に集まってくるし、後輩もどんどん増えてきて、宗方仁にそっくりの神谷裕介とか登場し、「大丈夫かな」と心配になる。迷走してる気がする。あと2冊ですっきりと終わるのだろうか。
宗方仁が死んだ後に、まわりのみんなが気を使ってそれを岡ひろみに知らせないようにして、彼女が事実を知った後も全面的に支援する姿はちょっとやりすぎという気がした。
ものすごく岡を中心にすべてが動いている。
すこし付いていけなくなってきた。
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☆備忘録(アレックス・カー)

2007年07月17日 01時15分29秒 | 文学
そうそう、昨夜、テレビ「情熱大陸」に出演していた、アレックス・カーに興味をもつ。
彼の本はいつか読んでみたい。
まず、これだろう。
忘れないようにメモしておく。
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☆岡 エースをねらえ!

2007年07月17日 00時59分45秒 | 漫画
エースをねらえ! (6)山本鈴美香の「エースをねらえ!」の6巻。
岡ひろみたちがアメリカへ行こうとするときに宗方コーチがとうとう死ぬ。
やっぱり死ぬんだなあ。
必ずあとからアメリカに行くって岡ひろみに約束しちゃったらそりゃあ死ぬしかないよ。
映画「スクリーム」でも映画オタクの登場人物のひとりが、ホラー映画では「絶対帰ってくる」って言って出かけた人物は必ず死ぬって言ってたもんなあ。そのほか「スクリーム」では処女じゃなくなった女は殺される、とか、子供は残酷に殺されない(なぜならハリウッドはそれに耐えられないから)、などいろいろと勉強になる映画だった。
それはさておき、「エースをねらえ!」では宗方仁の親友の坊主桂大悟が登場し期待が高まる。
小説でも映画でもなんでも、坊主や小説家、哲学者など頭のいい感じの、すべてを理解しているひとが出てくるとうれしくなる。
推理小説家の出てくる推理小説も好きだ。
このあいだゲーム「ウィッシュルーム」をやっていたときも推理小説家が出てきて期待したのだけれど、思うような活躍を見せず、残念だった。
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☆シャングリラをめざせ

2007年07月16日 12時46分11秒 | 音楽
ユーミンのコンサート「シャングリラⅢ」に行ってきた。
コンサートは二回目。
「シャングリラ」は初めて。
驚いたのは、最初にピアノが動いたことと、会場の隅においてあった恐竜の骨が動きだしたところ。
あとのサーカスはまあ面白かったし、シンクロナイズドスイミングも見たことはなかったんで新鮮だったけれど、ふむふむ、といった感じでびっくりしたというほどではなかった。
テレビで放送していた「シャングリラⅢ」の舞台裏の番組で、ユーミンが天井から吊るされた輪に初めて座ってブランコみたいに揺らされたところで、見た目よりも案外厳しい夫(松任谷正隆)に「もう一回乗ってそんな感じだったら演出を大幅に変える」と叱られたり、ブランコが地上に戻ってきてユーミンが歩くときに目が回ってふらふらしていたところを見ていたので、コンサートでまっすぐに歩けたユーミンを見て「クララが立った!」(「アルプスの少女ハイジ」より)的な感動があった。
素直に見れなくなるので、舞台裏を知るのはあまり良いことではない。

毎回思うが、ユーミンのコンサートって作りこんでるなあ。

しかし、今回は好きな曲がなかったので残念だった。
前回のほうが楽しかった。
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☆よしもとばなな「なんくるない」感想

2007年07月14日 16時50分52秒 | 文学
なんくるないよしもとばななの短編集「なんくるない」(新潮文庫)を読み終える。
表題作の短編(とはいっても結構長い)「なんくるない」は、よくある感じで、ほかの小説でも見たことのある犬みたいな男の子、おいしそうな料理、といった話で別にどうということはないけれどおもしろかった。(しかしちょっと長いかな。)
沖縄に行きたくなった。
誰にも同意してもらえなくても個人の味の好みなので構わないが、僕は沖縄料理がどうしてもおいしいとは思えず、おいしいと言っている人を見ても、「魚ははらわたが一番おいしい」とか、「海老のしっぽを何で食べないんだ? おいしいのに」って言ってるようにしか聞こえない。まあほんっとに味の好みの話なのでどうこう言うことではないが、なんか違うんだなあと思ってしまう。
沖縄は料理さえおいしければ言うことないんだけどなあと思ってる。もしもこの物語に出てくるようなイタリア料理屋があるのならほんとに沖縄最高って思える。

最後の「リッスン」はあまりよしもとばななの小説では見ない感じの話だった。たぶん「とかげ」に入っている短編で、電車に乗ってて神様を見る話があったように思うがそれに近いかも。
会話文だけで、なかなか好きな話だった。
よしもとばななの小説では珍しく、またいつか読みたいな、と思った。

よしもとばななは、沖縄やアジアをひとりで旅してる、占いとか神秘的なものとかそういうものにはまってしまう人たちにたいへん近い場所にいるようでいて(か、それだからこそ、なのかもしれないが)、そういうひとたちとの距離感を感じさせるときが結構あって、そこが好きなところだ。
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☆仁の宗方節

2007年07月14日 01時39分15秒 | 漫画
昼ごはんを食べたうどん屋のテレビで、氷川きよしが「きよしのソーラン節」を歌っていた。
知らん。
しかし、結構人気があるようでうどん屋の主人が口ずさんでいた。
氷川きよしにはこの調子で
「きよしの黒田節」や
「きよしの安来節」、
「きよしの鰹節」、
「きよしの暇つぶし」、
「きよしの長塚節」、
など続々と「きよしの○○節」シリーズをリリースしてほしいものだ、とは別に思わなかった。ソーランソーラン ハイハイ!

エースをねらえ! (3)エースをねらえ! (4)エースをねらえ! (5)
山本鈴美香の「エースをねらえ!」の5巻まで読んだ。
なんとなく2巻までですべて言い尽された感が僕にはあって、3巻から5巻まででとくに覚えておきたいことはなかった。強いて言えば「無我の境地」ぐらいかな。
2巻まででは、宗方コーチの、
「コートではだれでもひとりだ! いままでの練習だけがおまえをささえる いけ!!」
だとか
「男にささえられていない女は弱い」
だとか、いろいろとあっと驚く名台詞があったのにな。
ひろみが怒られると思っていたら、いつも優しくなる宗方もすごいなと感心した。

後半に期待。
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☆「エースをねらえ!」を読み始める

2007年07月13日 00時34分10秒 | 漫画
エースをねらえ! (1)エースをねらえ! (2)
「坂の上の雲」が奇跡的に面白くなってきたのだが、内田樹が「エースをねらえ!」にすべてを学んだ、というような意味のことを書いていたので、「んなアホな、そんなわけないやろ」と思い、山本鈴美香の「エースをねらえ!」を図書館で借りて読み始める。
おもしろい。
まだ二冊目だが、買って家においておいたほうがいいかもしれないと思い始める。
お蝶夫人こと竜崎麗香がすばらしい。出来のよい後輩を見る先輩の感じ、よくわかるな。(お蝶夫人についてはそのほかいろいろ言いたいことが山ほどあるが、まずどうしてもその扮装、話し方、位置がデヴィ夫人を思わせて仕方がない)
宗方コーチの決め台詞も決まってる。
蜘蛛の巣のガラの浴衣はすごい。あれでは、岡ひろみは逃げられないと思う。
加賀のお蘭こと緑川蘭子の身長コンプレックスのところもよく描けてると思う。
なんかすごくて、息つく暇もないままに二巻まで来てしまった。

これはほんとにすごい。
いままで読んだ少女マンガのなかでは間違いなくトップだ。
話の感じやスピード感が「スラム・ダンク」に似ていると思う。

そうそう。岡ひろみがお蝶にもらったラケットはいったい誰が隠したんだろう。お蝶が手下のものに隠させてたってことなんだろうな。

それから、ちょっと思ったんだけど、「DEATH NOTE」のL(エル)も竜崎と呼ばれていたけれど、お蝶とは何か関係があるのだろうか。まさか異母兄妹?
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☆司馬遼太郎「坂の上の雲(四)」感想

2007年07月12日 00時28分52秒 | 文学
バニラ味かミルク味かと、チョコ味とコーヒー味との三種類の飴が入っていて、舐めてると中からとろっとしたものが出てきて、包み紙が銀色で、その懐かしい飴が食べたいって妻に力説しても理解してもらえず、悔しくて昨晩インターネットを駆使して調べてみたらそれは「ソフトエクレア」であることがわかった。
しかし、発売元が不二家だからというわけではなく、ずいぶん前に発売中止になっているらしい。
発売されてないと知ると無性に食べたくなる。
いま突然戦争が起こって、物資が不足して空腹で死にそうになって何が食べたいか訊ねられたら、「天麩羅にな、おつくりにな、ソフトエクレア」って答えてしまうと思う。
「ソフトエクレア」食べたいよー。

坂の上の雲〈4〉司馬遼太郎の「坂の上の雲(四)」を読んだ。
乃木希典の名前をはじめて知ったのは、夏目漱石の「こころ」で、そのほかで聞くこともほとんどないんだけど、なんとなく立派な人のイメージだったけれど、この本を読んでしまってもう「無能」、「馬鹿」のイメージしかなくなった。
恨みがあるんじゃないかと思うくらい乃木希典がひどく書かれている。

今日はそのほか、よしもとばななの「足てびち」(「なんくるない」所収)も読んだ。なんだかわからないままに終わった。
短かった。
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