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☆ちんぬくじゅうしい

2007年07月11日 00時09分11秒 | 文学
よしもとばななの短編集「なんくるない」(新潮文庫)の最初の、「ちんぬくじゅうしい」を読んだ。
宗教にはまってしまった母親と、彼女と心が離れてしまった父親と娘、の話。
両親が離婚するのを子供の目から見た作品は好きなので、悲しいなあと思いながらずっと読んでいた。
家族というのは未完成な人たちの集まりで未完成だからこそつながれる。ひとりで完璧を目指しているひとは他人とわかりあうことはできないとか、そんなメッセージなんだろうと思う。

最後に、父親の妹、主人公からの続柄でいえばおばさんがひとりで長くしゃべるところがあって、そこに違和感を感じた。
あまりに長く正解をしゃべりすぎる気がした。
そして主人公の母親がおばさんの言うとおり帰ってくるところも気に入らなかった。気に入らない、とまで言うと言いすぎだけれど、違和感を感じた。おばさんがあまりに完璧すぎる。

祈りは通じるよりも通じないほうがいい気がした。
悲しい気持ちは、悲しいままで終わってくれたほうが良かった。
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