ダブログ宣言!

ひとりでするのがブログなら、
ふたりでするのがダブログ。

☆「金持ち父さんの投資ガイド入門編」感想

2009年12月26日 14時01分11秒 | 文学
金持ち父さんの投資ガイド 入門編―投資力をつける16のレッスンロバート・キヨサキとシャロン・レクターの「金持ち父さんの投資ガイド入門編 投資力をつける16のレッスン」(筑摩書房)を図書館で借りて読む。
お金の本なのにおもしろく読めるのはロバート・キヨサキが自分の経験をよく考えて自分の言葉に出来ているからだと思う。そのへんが勝間和代と違うようだ。彼女の本には取ってつけたようなところがある。印象だけど。
私は自分の考えを言っているのではなく、師である「金持ち父さん」の教えを守っているだけだというところも論語的というか内田樹的というか文学的というか、おもしろいところだ。
今回は投資ガイド入門編ということで投資に対する基本的な心構えが語られた。
僕としては結構本気で学ぼうとしていて、ノートにメモをしたりしている。今回最も気に入った言葉は、
《たいていの人は値段はお金で測るものだと思っている。だが、よく見てみると、値段はお金で測るものではないことがわかる。それは本当は時間で測るものなんだ。》(137頁)
というもの。なんだかベルクソンぽくていいなあと。
投資というと思い出すのは村上春樹の「国境の南、太陽の西」で、語り手の妻が彼女の父親から”絶対に儲かる株”があるから買うようにと言われて、語り手と連絡が取れないままに株を買ったという話があった。それを知った語り手が、その取引を無効にするように妻に言うような結末で、とても村上春樹的で、自分のことは自分できちんと管理できる範囲のことをやっていくというような思想が感じられる。
「ねじまき鳥クロニクル」でも、宝くじを買った後に破り捨てる場面があったように思う。
さすが村上春樹はお金のこともきちんと小説に書いているなあ。

お金について考えることがだんだんと楽しくなってきたのでもう少し勉強する。
儲けようとかそういうことはまだあまりなくてただ知りたいという気持ちが強い。
思えば、「お金(にまつわること)は汚い」という考えは、「死ぬのは怖い」とか「夫の親戚はなんだか気に入らない」とか「隣村の連中は不気味だ」とか「だいたい女は頭が悪い」とかに類する、感情を理屈で丸めたような、頭のよくない考えなのだけれど、しかしそうは言ってもそのような考えをなかなかなくすことは難しいのだが、お金についてもう少し知的になりたいと思っている。
コメント