![道徳の系譜学 (光文社古典新訳文庫)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41HlQsFABNL.jpg)
ニーチェの言っていることは基本的には正しくないことなので、彼の言っていることが正しいか正しくないかといえば、正しくない。
正しいとか正しくないとか、そのように言うことの根拠は何か。
そういうことをニーチェは言っている。
なのだが、改めて考えてみると、ニーチェの批判するキリスト教的な正義が正しくないのであれば、高貴な人間の「良い」と思うことがそんなに上位のものなんだろうか。そこが疑問ではあった。
どこに根拠を置くかの違いなんじゃないかという気がしないでもない。
ニーチェは確かにものすごく賢いのだが、ニーチェの言うことを真に受けて現代は間違っていると思い続けて生きることは、もっと間違っていると思う。不幸になると思う。
そのようなことはわりとよくあることだ。
ニーチェの言うことは「そうだよねー」と思いながら、「でも仕方ないよねー」と思っているくらいがちょうどいいのではないかと思う。普通に生きていくには。