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☆司馬遼太郎「空海の風景(下)」感想

2007年02月20日 23時46分35秒 | 文学
空海の風景〈下〉司馬遼太郎の「空海の風景」を読み終わった。
これまで読んだ司馬遼太郎の小説は、
1位 「竜馬がゆく」
2位 「最後の将軍 徳川慶喜」
3位 「空海の風景」
4位 「燃えよ剣」
5位 「翔ぶが如く」
という感じに並ぶかな。
2位、3位、4位あたりの順位はそのときの気分にもよると思うが、「竜馬がゆく」よりは面白くなく、「翔ぶが如く」よりは確実に面白いといった感じです。
空海と最澄と最澄の弟子の泰範の、まるで恋愛の三角関係のようなつながりが執拗に描かれる。下巻ではほとんどそれだけしか印象に残らなかった。
空海が雑密(ぞうみつ)を集めて日本において独自に密教を形成し、唐に行って恵果(えか)から密教を伝えられる上巻の話はたいへんおもしろくあったけれど。
「竜馬がゆく」のときも思ったが、司馬遼太郎は青春を描くのがたいへんうまい。

この本はもう少し仏教について詳しく書かれているかと思ったが、そこまででもなかった。空海がちょっと(かなり?)意地の悪い、普通の人間に描かれていた。ライバル、最澄はちょっと(かなり?)愚かな人物に描かれていたと思う。
もうちょっと密教の教えについて知りたかったな。
この間、休みの日に「徹子の部屋」を見ていたらゲストが「千の風になって」で有名な秋川雅史で、そのときはじめてこの、「千の風になって」という歌を聴いた。

「空海の風景」を読んで、「千の風になって」の歌詞が密教的だと思う程度には密教の思想が知れた。
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