福島原発のスタートから「東京電力」協力会社として保守点検業務を担って来た㈱東北エンタープライズ社長の名嘉さんの今回の未曾有の「福島原発」事故に対する苦闘奮戦証言記。著者の名嘉さんとはWUB(Worldwide Uchinanchu Business Association)会員として10年以上のお付き合いで、ご令嬢の近藤ゆうなさんにも大変お世話になっている仲。
それ以上に私と名嘉さんは伊是名と奄美と出自は違うものの、1940年、41年の生まれの同世代、沖縄の日本復帰前に沖縄本島で高校時代を過ごし、脱サラ、起業した日本の南東離島出身世代の共通、共感の感慨があります。ただ、大きく違うのは、私は上京本土留学、IT企業創業に対し、名嘉さんは沖縄水産高校を経て、渡米、文字通りWorld Enterprise GEに就職、原子力Engineerとして福島原発の発足に協力、脱サラ、原子力発電所メンテナンス会社を創業し、今回の未曾有の事故に対し、東京電力を相手に苦闘奮戦に留まらず、被災地福島の復興ビジョン描写する本書の記述には同世代とは言え、とても脚下に及ばぬパワーを感じます。
私が大学卒業時の「東京電力」は文字通り就職難関の超エリート企業で、そのトラウマがある在京の私達世代にとっては、その東電に対し、“下請け会社”のTOPとし「発注・東電会社からの感謝状」を断ったり(133ページ)、「東電にもの言えるのは俺しかいないだから」(168ぺージ)、「異論を覚悟であえて書いた」(176ページ)といささかも怯むこと無く、発注・親会社に対して忌憚ない忠言、直言は、日本の企業経営感覚を超えたWorld Enterprise 勤務経験の名嘉さんならではの真骨頂を感じます。
もう一つ、琉球王朝第二尚氏開祖の尚円王の出生島として伝説の名嘉さん出自の伊是名島出身の版画家・名嘉睦稔、琉大教授出身の高良倉吉沖縄県副知事、儀間三男参議員とその同郷の人脈も羨ましい限りです。名嘉さん、貴重な御著の御寄贈有難うございました。
若い層から戦争を知らない層、福島を知らない層(僕も知らない、同級生がいる、知っている会社の主力工場が完全につぶれた。
高放射能のため)に読んでほしい書と思う。
政府・経産省・東電・原子力むらなど、現場を無視・話を聴かない・引き延ばし体質は、敗戦前の軍部と全然変わらない。一国のリーダーが全く片付いていない最中に原発を外国に売りつける。これ本当に美しい
日本でしょうか。名嘉さんの叫びを聴いて欲しい。
田舎の書店では探せず取り寄せて読みました。有難う。健康第一、こんな本が読めるのも有難い。
それではまた。