本書は琉舞や伝統工芸にも造詣が深い横浜能楽堂館長の著者が「きしもと食堂」~本部、「三笠」~松山、「イラブ料理カナ」~中城、「仲地山羊料理店」~八重瀬、「道頓堀」~松尾、「照ちゃんてんぷら」~南城、「やまや」~牧志、「富久屋」~首里、「美栄」~久茂地、「新垣カミ菓子店」~首里、「歩」~牧志市場、「花ぬ島」~沖縄市、アガパンサス安里」~安里、「千日」~久米、「おでん東大」~安里、「まんぷく食堂」~南城、「シーサイドライブイン」~恩納、「コーヒスタンド小嶺」~牧志市場、「ブエノチキン」~普天間、「ジャツキーステーキハウス」~那覇、「チャーリ多幸寿」~沖縄市とほぼ沖縄本島全域の飲食店の20店を訪ね紹介している驚嘆のエネルギー書。私はこの20店舗中、行ったことのあるお店は久茂地の「美栄」だけ。県外出身の著者が”よくまあーこれだけ訪ねる”エネルギーと感嘆しますが、これは単なる食通趣味に止まらず、沖縄の文化、風土への尽きることのない深い興味と愛着のなせる業でしょう。本書が通常の店舗紹介と違うもう一つの特徴はプロ写真家による撮影スライド。ページを捲るだけでも沖縄の食文化が伝わってくるユニークな書。
ただ、私が沖縄出張時通う贔屓のお店を言えば、プラザハウスの「月苑飯店」、首里の「ラ・ビュー」、那覇の「インディア」を挙げたい。