う~ん、知る人ど知る書。「この本、読むの!」と言われそうですが、さる人からの頂き物。ご存知一日の往復電車で読み終えたほどの本体ボリュームですが末尾の解説の方が長いくらい。出会も別れもストーリーも一切抑制し、感情というよりひたすら自分の感覚本能体験を直視し、切り取り、忠実に抽出描写している。
「恋の行き着く先は恋、果てまで行く。果てとは二人で暮らしたり、添い遂げることでない。恋のための恋。そんな恋をすると苦しいが幸せ」と言切る著者の強さと凄さ。
それにしても成人した子供もいるこの離婚経験者が高校教師退職後に父を語り、母を描き、遂に自分の性愛感覚を微細余すところ無く情緒を一切排して硬質に描く。別れた夫や子供、教え子の思惑を超える私と同年のこの著者の表現欲に参った。
こんな本に接すると直ぐデュラスの「ラ・マン」といい「フランス女流文学は」と論ずるのは安易ですね。
「恋の行き着く先は恋、果てまで行く。果てとは二人で暮らしたり、添い遂げることでない。恋のための恋。そんな恋をすると苦しいが幸せ」と言切る著者の強さと凄さ。
それにしても成人した子供もいるこの離婚経験者が高校教師退職後に父を語り、母を描き、遂に自分の性愛感覚を微細余すところ無く情緒を一切排して硬質に描く。別れた夫や子供、教え子の思惑を超える私と同年のこの著者の表現欲に参った。
こんな本に接すると直ぐデュラスの「ラ・マン」といい「フランス女流文学は」と論ずるのは安易ですね。
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