センスプロデュース研究所!

ヒトの五感と脳の関係、ヒトの五感の重要性の提唱、研究を行っている者です。

痩せの大食いを科学する!

2009-11-11 00:03:29 | 感覚、五感
世の中には、食べたも食べても太らない人は多く存在している。今や大食いタレントなる、芸人がテレビで10人前以上食べ続けるシーンがテレビで流れている。
これら大食いタレントや大食いの人たちは一様、太っている大柄な体型をイメージするが。関取に代表されるように太っている人=大食いとされてきた。
ところが、最近は小柄な女性や痩せた体型の人たちが15人前など食べている姿はまさしく「痩せの大食い」である。
では、なぜ痩せの大食いと言われる人たちは、10人前から15人前も食べて太らないのか? 例えば、1回の食事に15人前ほど食べるとなんと1万カロリー以上のエネルギーを摂取してしまうのである。成人の平均的1日の2.500カロリーが理想とされているが、大食いの人たちは一回の食事で4日分のカロリーを摂取してしまう計算である。その食事の量は驚くばかりである。
では、大食いの人たちは、なぜ大量の食事が食べられるのか?、そしてなぜ太らないのか? そのことについて脳科学、感覚生理学的見地から説明しよう!
大食いの人たちと私たちでは、脳の働きと、身体の仕組みに少しだが違いがあるのです。その違いとは、私たちが普通に食事すると20分も食べ続けているとお腹がいっぱいになり、食べられないと脳が反応し、お腹が膨れてくる。
これは胃袋から「グレリン」という満腹物質が脳の「視床下部」に伝わり、満腹と感じ、これ以上食べられないと認識します。大食いの人たちではこの満腹中枢が備わっている視床下部にグレリンの伝わりが遅く、10人前食べ続けてから満腹と感じるのです。
では、なぜ、お腹がいっぱいにならないのかというと、私たちが食事を沢山食べると、すぐにお腹が膨れ、ズボンのベルトを緩めてもそんなに食べられません。人の胃は「筋肉と繊毛」で構成されているため、大食いの人たちの胃は膀胱のあたりまで垂れ下がり、伸びるので、その伸び率が普通の人の15倍にもなります。ですから、大食いの人たちは10人前以上を食べられるのです。
何より驚くのは、こんなに食べてもお腹が膨れない、逆に背中のあたりが膨れたような感覚になるのです。
これら大食いの人たちが15人前を食べた直後にレントゲン撮影してわかったことです。
これらが満腹中枢の反応ですが、身体的な違いは、普通の人と大食いの人たちでは大きな違いがあります。その違いとは、人の身体のある細胞に深く関わっていたのです。その細胞とは「褐色脂肪細胞」人の脂肪細胞には2種類あります。白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞があり、褐色脂肪細胞は、首の回り、脇の下、かたの回りなどに存在しております。
この褐色脂肪細胞が大食いの人たちは、食事をすると活発的に働きことが分かっております。この褐色脂肪細胞が活発に働くと体温が0.5度~1度ほど上昇することが、マーモグラフィティー装置の測定で分かっております。
現に、大食いの人で冷たいお蕎麦を食べていても首の回りや、脇の下、背中の当たりに汗をかいて食べている人が多いのがその証拠である。
つまり、大食いの人たちは10人前以上の食事をしてもそのカロリーを体温上昇のエネルギーに変換し、消耗しているので消費カロリー効率が高いのです。
ですから、太らないという理由付けができるのです。
但し、若いうちはこの褐色脂肪細胞が活発に働いているが、中年以降もこのように大食いを続けていると、太らなくても、塩分の取りすぎ、糖質の取りすぎなど栄養素のバランスが乱れ、内臓脂肪や成人病の疾患リスクは高くなる。
何より、大食いの人たちの悩みはその食事の量から、一回の食事を外食したら何万円になるか予想できない。だから、毎日食べ放題のお店を探すことになるのです。
太っている人たちは羨ましいと思うだろうが、やはり、食事はゆっくり咀嚼して味わって、楽しんで食べることで、人の味覚も脳も快感し喜ぶのである。
私が以前から指摘している。「生きるために食べる食事、死に急ぐ食事」と提唱したことがある。好きものや偏った食事、大量の食欲は不健康になり、成人病のリスクが高まり、脳も低下することが私どもの研究でも分かっている。
逆に腹八分の食事をし、バランスよく、ゆっくり食べ、楽しんで食べている人は、健康的で脳の記憶力など活性化する。何より身体的に疲れにくい体質にも変化することが分かっている。どちらを選ぶかはあなた次第だが、やはり、健康で居るのが一番だと私は思う。
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