私は30数年前頃から「人の感覚に特化」した研究に励んで来ました。
中でも「人の能力と感覚」は長年の研究課題の一つでもあります。
以前に「日本テレビ(世界まるみえ!)」の番組の取材を受けて、監修とコメント出演したことがありますが「火事場の馬鹿力を科学する」の内容で、脳科学的に解明と説明をしました。
人の脳は、いくら頑張っても力や脳力を出せるのは「80%程度」です。それは、常に100%の力を出していると「筋肉や骨が壊れてしまうからです」。能力も勿論、100%発揮すると「精神状態に異常を来す」から(脳が勝手に)セーブしているのです。つまり、生命維持のために働く「制御システム」のようなものです。
専門的には「脳の本能の働き」なのですが、それも「心身の状態」が良くなければ、自身の能力を最大限に発揮することは出来ません。
人の脳には素晴らしい才能のような「脳力が備わっています」。それは「潜在的能力」です。
先程のように、必死に頑張って力や能力を出そうとしても80程度しか発揮出来ません。もし、100%の力や能力を発揮したいと思えば「潜在的能力を引き出す」ことが重要になる訳です。
良く、脳科学者などの先生方が「人の脳は、普段は20%~30%程度」しか使われていないと都市伝説のように言われていますが、私はそうだとは思っていません。
人の脳は医学的に説明すると、消費カロリーの激しい臓器です。エネルギーも身体の20%程度必要だし、酸素に至っては40%程度必要とされています。
例えば、脳の細い血管が詰まったり、破れるだけで「半身不随や言語障害」などが生じるのが、頻繁に脳は使われているという証拠でもあります。
人は普段から、歩いたり、物事を考えたり、話したり、スマホを操作したり、日常生活を過ごすために脳は、休みなく、働いています。眠っている間でも脳は活発に活動しているのです。
現に、私たちが「脳が疲れたと感じるのは(栄養不足)」からです。人の脳のエネルギーの基は「良質なブドウ糖」が必要です。特に、女性は脳の疲れを感じやすいのです。
それは、男脳と女脳の違いにあります。女性の脳の一番の特徴は「脳梁」という脳部が、男性に比べて、太く、脳神経細胞が1.5倍ほど密集しています。
脳梁の脳部位は、左右脳を繋いでいるところです。男性は「左脳優位」と言われ、女性は左右脳をバランスよく使っているものです。ですから、女性は男性に比べて「言語能力に優れ、おしゃべりです」。現に、女性三人が集まると賑やかです。
こうして、私の説は「人の脳は普段から70%以上」を使っており、残りの20~30%が眠っていると言われる脳(潜在的脳力)だと考えています。
例えば、命の危機に関わる出来事や、最愛の人を助けたい想いや、スポーツ競技などで「運動能力を100%」発揮して闘いたいと考える人ならば「火事場の馬鹿力」を発揮して好成績を残したり、人助けしたり、九死に一生の出来事に遭遇しても生還出来るなどが「人の能力の100%の発揮なのです」。
では、スポーツ競技などで自身の能力を100%出せるようになるためにはどうしたらよいかと思う人は多いと思います。特にパワー競技などでは必要なことです。日々の練習とトレーニングをして鍛え上げて来た筋肉や能力を充分に発揮するためには、身体を鍛えるよりも「感覚を鍛える」ことが大切になります。つまり「脳を鍛える」ことが重要となるのです。
ですから、種目別のコーチの指導ではなく、私たちのような「専門家の指導」が必要ということになります。「メンタルトレーニングにも類似することです」。
私たちが指導したのが「大声を出して、踏ん張る力や能力」を100%近くまで発揮することが出来るものです。
砲丸投げや槍投げなどの選手が気合いを入れて投げますが、実は大声を出すことで「潜在的能力を引き出す」ことが出来るのです。現に、声を出した時と出さない時には、力の出方に差があります。これらを「シャウトの法則」と呼ばれているものです。
他にも、あまり興奮することは良くありませんが、緊張を解すために「脳内にアドレナリンを放出させて気合いを入れる」などの方法もあります。
以前に、その方法を指導したプロの球技選手が試合中に興奮し過ぎて、口から泡を吹いて倒れたのは「アドレナリン中毒」の症状でした。
こうして、人の能力を常に100%発揮するのは、持続して行うことは時に危険も伴うという事です。
自身が必要と思うタイミングと時に発揮出来るように訓練と鍛錬することも必要ということです。
センスプロデュース研究所、葛西行彦