センスプロデュース研究所!

ヒトの五感と脳の関係、ヒトの五感の重要性の提唱、研究を行っている者です。

愛する脳!

2007-04-24 09:05:52 | 感覚
ヒトがヒトを愛するとき、脳内ではオキシトシンOxytocinという物質が「視床下部」の脳下垂体という所から分泌されるホルモンが存在している。
このホルモンは9種類からのアミノ酸で構成されている「ペプチドホルモン」である。
以前、大学との共同研究で、このオキシトシン物質を遮断したマウス(オス)とメスを入れたゲージとオキシトシン物質を投与したオスマウスを入れたゲージに分けて観察した。
10分程度でオキシトシン物質を遮断したオスマウスはメスマウスにすぐに近づいたが、凶暴に成り、噛みついたり、追い回したりする行動をとるようになるのである。
逆にオキシトシン物質を投与したオスマウスは、メスに近寄り、匂いを嗅ぎ、交尾をしようとする行為をとったのである。
これらの結果からオキシトシン物質が愛情などの感情に深く関わっていることが分かっている。
また、母親が乳児を抱っこし、お乳をあげるときにも通常の8倍ものオキシトシン物質が分泌されることが知られている。
このオキシトシンは乳腺房の中にある母乳を促進する働きのあるホルモンで、母乳を造り出すのです。
同時に働く、プロラクチンは乳腺に作用して母乳の分泌を促すホルモンなのです。
最近の産婦人科では「抱っこ療法」という、生まれたての赤ちゃんを20分以上抱くことで母親はこのオキシトシン物質の分泌を促し、赤ちゃんは抱っこされることで、母親の温もりや心拍の鼓動を感じ取ることが出来る。
これらは赤ちゃんの脳の発達、情緒の安定に繋がる重要な課題でもある。
現在、育児放棄の親が増えているが、私はこの「抱っこ」する愛情の欠如によって脳内でのオキシトシン物質が不足することから赤ちゃんや子供達への虐待など起こす原因の一つと考えている。
つまり、愛情不足の親が増えているのである。愛情こそこのオキシトシン物質の分泌が生み出す感情なのである。
母親と子供の問題だけではない、夫婦間や若者達の間でも問題化されているのが「ヒトへの愛情不足」であると私は提言している。
夫婦感では「セックスレス」が現在深刻な問題化されている現状がある。
日本では32%もの数字で夫婦間でのセックスレスが報告されているのである。
特に20歳代~30歳代の若い世代でのセックスレスが深刻なのである。これらの世代は「少子化問題」の中心的な役割を担い、少子化に繋がっていると私は提唱している。
つまり、現代社会はストレス社会であり、人間関係、激務に耐えているサラリーマン、これらのストレスが脳内に影響し、オキシトシン物質などのホルモンが激減し、夫婦間での愛情が希薄になり、離婚や妻への暴力などに繋がっているのではないかと考えている。
このオキシトシン物質は合成が可能で、現在、研究で使用されているオキシトシンはこの合成である。
近い将来、臨床実験で人間に投与できれば「惚れ薬」として活用できるのではないかと考えている。
但し、惚れ薬として活用すると悪用する人達が増えるので、将来的には医師の診断で処方される薬になると考えている。
これらオキシトシン物質の働きの低下はつまり「視床下部」の脳部の低下にも繋がるのである。
この視床下部は「食欲、性欲、やる気」などの欲求に深く関わっており、この脳部の低下は、セックスレスだけでなく、仕事や行動のやる気の低下まで繋がるのである。
また、食欲不振などに繋がると益々身体的に疲れやすく「慢性疲労症候群」など恒に身体がだるい状態、これら脳の低下、視床下部の低下なのである。
ヒトの脳が疲れたと感じると逆に脳が活性化する脳部がある。それは「前頭眼窩野」という丁度、目の奥当たりにある脳部が疲れたと感じたときに活発に働くのである。
この脳部の低下は、疲れやすい体質になっている状態でもあるのです。
この脳部を鍛錬するのには、ヒトとのコミュニケーションが重要な鍵を握っているのである。
この脳部はヒトとの会話、ヒトの顔の表情や仕草を読み取ることで鍛錬される脳部なのです。
一人暮らしの高齢者や団塊の世代の一人暮らしが急激に老け込み、惚け易いのはこのヒトとの会話(コミュニケーション)が不足しているかである。
これらは高齢者や団塊の世代の人達だけの問題でもないのである。
私が怪訝しているのは若い世代や子供達にこれらの傾向が顕著に表れていることである。
子供達や若者達はヒトの会話も少なく、携帯電話やパソコンでのメールなど文字的なコミュニケーションで会話をしていることが心配なのである。
これらの行為は、ヒトの顔の表情や仕草を理解できず、読み取る能力(洞察力)も低下するのです。
この前頭眼窩野は25歳頃から比較的若い世代から衰える脳部なのです。
また、視床下部の低下は男性に多いタイプの脳の低下なのです。
これらは男女の脳部の違いでもある。男性は女性より「視床下部」の細胞の数が1.5倍ほど多く、女性は「脳梁」という、大脳半球(左右脳)を繋いでいる脳部が1.5倍ほど多いのである。
良く、男女が口喧嘩すると男性が女性に敵わないのはこの脳部の違いでもある。
女性は思ったこと(直感)で言葉を話す、つまり、左右の脳を使って話すのと、男性は左脳の偏った言葉で話す違いでもあるのです。
男性は、視床下部が優れているので「見た目で興奮」したり、スケベといわれる由縁はこの視床下部の働きから言われた言葉である。
だからこの視床下部の低下が性欲の低下、食欲ややる気の低下などに繋がり、自律神経に左右し、身体的な怠さ、不健康的なイメージに繋がり、ストレスと重なり、益々若さがなくなるのです。
これらを防ぐのには、ヒトとの会話(コミュニケーション)をとり、ヒトの顔の表情、仕草を読み取ることであり、ヒトとヒトの顔を合わせた会話、親子であれば、子供が小さければ「抱きしめる」夫婦間では、優しい言葉一つかけてあげる思いやりが重要であり、「愛情」が生まれ、オキシトシン物質が分泌され、益々愛情が深まるのです。
だから、大げさではないが「オキシトシンが人類を救う」のである。
皆様も、イライラしたり、怒ったりして居ては、脳は活性化されないし、逆に脳細胞の死滅を加速するだけであることを私から提言致します。
これらの状態が長引くと精神障害、脳障害に繋がるのである。
まずは、笑顔で家族や恋人、友人、夫、妻に語りかける事である。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、




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