日の名残り(カズオ・イシグロ/土屋政雄訳)

2023-08-23 00:00:36 | 書評
先日、ゴルフ場での同伴者との話題で、カズオ・イシグロの『日の名残り』の小説と映画のことになった。私以外の3人はこの小説を読みと映画(主演:アンソニー・ホプキンス)を観ているそうで、ちょっとしたイシグロハラスメント(イシハラ?)を受けた。

彼の著書は2冊読んでいて、「浮世の画家」と「わたしを離さないで」。この「日の名残り」は既読の2冊の間に書かれているが、英国貴族の大邸宅の執事の回想録となっている。



英国貴族が没落し、邸宅を買ったのが米国人で、引き継いだ執事に対し、「旅行に行くので、君も車を貸すから英国の国内旅行に行きたまえ」ということで高級車を貸してくれる。

そして数日間のミニ旅行に出て、すべてが没落していく英国を理解していく。

そして、執事は数十年前にお互いに好意を持っていたにもかかわらず、恋愛に至らなかった女中頭と再会し、昔話を語り合い、そして別れる。

すべて、過去からの時間は現在まで流れ、思い返すことばかりのわけだ。

1989年の出版ということは35歳の時の作品で、少し驚く。

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