給電スタンドは増えるのだろうか

2023-08-22 00:00:30 | マーケティング
自動車の定期点検でカーディーラーに行って、ガラガラの店内でセールスマンの方と雑談したのだが、ガソリンの高騰が本当に心配だそうだ。
要するに自動車メーカーは付加価値を上げるために車の大型化をはかる一方で、ユーザーは小型化を考えているということ。しばらく前まではエンジンの燃費改善に進んでいたが、もう限界感があるようだ。

それで話は、電気自動車のことになる。そのディーラーでも給電はできるが、電気を販売する行為は認められていないので、電気代は仕入れ原価ではなく店の経費になり、給電スペースを一定時間使った占有料として売り上げを立てているそうだ。

そもそも、ガソリンスタンドは世界中どこでも石油会社が精製したガソリンなどの石油製品をユーザーに販売しているわけだ。最終販売は特約店とか代理店という形態だが、すべて製品の売買になっていて、1リッター〇〇〇円というように買った数量に単価をかけるだけだ。ガソリン税も同様にリッター当たりの単価が決められている。

ガソリンスタンドの滞在時間とか給油用の計量器に使用料金を別に払うわけではない。

となると、電気を売っている会社(つまり東電パートナーズとかエネオス電気とか)が給電スタンドを作るのかと言えば、特に積極的のようには見えない。東電はそもそも無気力だし、石油会社系の発電は、原油精製で余ってしまう重油の処分に困っているからで、ガソリンの売り上げが減れば原油処理量も下がり、重油の生産量も減るはずなので本気にはならないだろう。

また、おそらく電気自動車が行き渡るようになれば、半分ぐらいの車は自宅でコンセントから給電すると思われるので、そもそもスタンドの数は少なくてもいい。ただし、セルフスタンドなら5分程度で給油が終わるが電気はもっと時間がかかる。つまり給油中に台数が増加する。一方、ガソリンスタンドの設備は大型の地下タンクが必要だが、電気スタンドはほぼ何もいらない。

一方、ガソリンや軽油からの税収は約3兆円/年だが、ガソリンから電気に変わると税収がなくなる。では、代わりに電気の購入者から徴収するにしても、電気はリッターで買うわけには行かないし、太陽光発電で自宅で発電している電器をチャージしている人から徴税するは難しいだろう。


そもそも方向性がわからない国内のEV市場だが、出遅れてしまったある巨大自動車会社の顔色見ながら行政を行っていたからだろうか。創業家一家が社長に座るという世界の大企業にはあり得ない構造から脱却したものの、見当違いの方向に進まないことを祈りたい。

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