馬の続き

2005-08-16 21:47:08 | スポーツ
e351f3c6.jpgラドクリフ選手の首振り走法が「馬」的であると、昨日書いたのだが、元々「マラソンランナーは馬のようだ」という証言もある。

だいぶ前に市民ランナーの知人から聞いた話だが、皇居周回コースで走っていると、後ろから「ズドン ズドン」と蹄の音が近づいてきたそうである。驚いて振り返ると、あの谷川真理が接近中と思う間もなく、つむじ風のように追い抜かれていったそうだ。蹄の音にドップラー効果があったかどうかは聞き漏らした。「ケリ」が違うのだろう。

さて、首振り運動についてだが、手元にある数十年前の学研動物図鑑によると、馬の体型は草原を走るために首が長くなったということらしい。草を食べるのが好物と言う嗜好と、肉食獣からの攻撃にそなえて逃げるという二つの目的の妥当な結論が、あの長さの首を上下前後に振りながら走るというパターンを造ったのだろう。

ところで、人間の競争は、わずか10秒以下の100メートルから2時間超のマラソンまであるのに、本家の馬のレースは一般に短時間だ。長く走っているように思える中山大障害でも、4,100mで4分半位だ。といって長距離は人間の方が有利などということはなく、江戸の早馬の例もある。本当に見てみたいのは、馬マラソンなのだ。

ではなぜ、馬マラソンが行われないのかというと、一つはギャンブルとしてのビジネスモデルが書けないからなのかなとも思うのだが、最大の理由は、走る場所がない、ということなのだろう。もっとも人間だって本来走ることのできない場所でレースをしているのだからできないこともないかもしれない。

では、どれくらいの距離が必要なのかを考えてみると、だいたい普通のレースで競走馬は1,000mを1分で走っている。人間は約2分だから、馬の方が2倍速いことになる。そしてその比率を長距離に当てはめると、2時間走ると80km位になる。折り返しというのは人間より難しそうな気がするが、半分でUターンすると、長さ40kmのコースがあればいいことになる。実際、ちょっと人口過疎地に行けば、ほとんどクルマの走っていない高速道路はいくらでもある(ただし、そんな道路は日本にしかないので国際化は無理かもしれない)。そうなると、馬マラソンは可能なのだろう。

ただし、問題点がある。それは路面だ。いかになんでもアスファルトでは、馬もかわいそうだし、騎手の骨盤も耐えられないだろう。そのためには、解決方法は二種類しかない。まず、馬用の衝撃吸収ランニングシューズの開発という手がある。これは新技術を詰め込まなければならない。あまりデータもないだろうから時間もかかる。一方、もう一つの方法には、まったく技術はいらない。それは、アスファルトをひっぱがして土にする方法だ。もっと高級感を出すには芝生も美しい。あとは、インターチェンジを間違って曲がらないように入出路を高い塀で塞ぐこと(馬は標識は読めないはず)。

実は、ジョークのように思えるかもしれないが、このまま原油を使い続けていくと本当にガソリンが品切れになりかねない。バレル(約159リットル)30ドルの原油が60ドルになると、大幅に消費が減少し、需給バランスが緩み、妥当な均衡価格に向かい、消費も抑制されるというべきものがそうならないわけだ。もちろん、ガソリンがなくなれば、高速道路の新規建設も意味をなさない。細々と棲息しているだろう道路族も店終いとなる。つまり50年後の高速道路は芝生の敷き詰められた、早馬天国となっている可能性もあるはずだ。

一方、「人間と馬の速度が2倍違う最大の原因は、2本足と4本足の差である」ことに気付いたある競馬好きのスポーツ学者の新理論発見の結果、50年後の陸上競技場では人間ランナーが地面に這いつくばっているかもしれないのではあるのだが・・


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