西尾城を歩く

2022-10-23 00:00:59 | The 城
三河は家康の出身地でもあり、戦国時代の遺構が多いが東海道の南に下った三河湾に近い場所は少し異なった事情の場所だ。そもそも三河湾は伊勢湾の中に三河湾があるというような複雑な地形で渥美半島という長い半島があって、その内側にあり海面はいたって平穏だ。

海岸部には吉良温泉郷があり、リゾート地になっている。その途中にあるのが西尾市。小京都といわれ、茶葉の栽培がおこなわれ抹茶関連のスイーツも多数。



観光事業の一環だろうか、もとの城郭である西尾歴史公園内の広場は天守台とされ、天守閣建設の予定があるようだ。ただ、道路と同じ高さに天守閣を立てても、威厳はなく、本気で作るなら堀は必要だろう。平地の城には、たいがいは水堀がある。松本城とか、今治城とか。



そしてこれらを含む地域全体は吉良荘といわれ、あの吉良義央、通称吉良上野介の所領だった。西尾城との関係をいうと城主は小刻みに変わっていたのだが、城主が管理する土地とは別に3200石分の領地を高家旗本である吉良家が所領としていた(その他上野に1000石があった)。地元では、有名人である吉良義央を名君として褒めたたえていて、京都の公家筋との関係で小京都と言われたり、抹茶栽培が進み、黄金堤という立派な堤防が完成したことになっている。そういうのは甲府では柳沢吉保が褒めたたえられていることに通じる。実際はよくわからない。堤防というのは片側が立派にすると反対岸が決壊するわけで、常に争いの種になる。

公園内には無人の櫓があり、中に入って下界を眺めることができる。無料だが、その対価はやぶ蚊に襲われることだ。