豊橋市公会堂の目的は

2022-10-20 22:00:00 | たび
豊橋の吉田城の隣には歴史的な建物がある。有形文化財として国が指定している立派な建築物で、豊橋市公会堂である。昭和6年の竣工。今年で91歳だ。



設計は中村與資平。辰野金吾の事務所からはじまり独立。朝鮮半島で活躍した後、日本で設計を続ける。本公会堂の最大の特徴は正面の柱。様式はコリント式と呼ばれるギリシア調。一部、アラビック(あるいはスパニッシュ)であり、柱の上に鷲を配置するのは米国式。米国の大学にはこういうデザインが多い。



実は昭和6年の竣工の一年前に日比谷公会堂も竣工。その頃、公会堂建設ラッシュがあったようだ。

その目的だが、大正デモクラシーだそうだ。当時の国民は政治家の生の演説を聞きたがっていた。いまとは真逆だ。そのため、政治家の講演を聞くための公会堂が必要だった。

もっとも世の中は逆説だらけで、公会堂ができた年に満州事変が勃発。民主主義は徐々に劣勢になっていき、日本はとんでもない方向に進んでいった。