川柳とて解釈は難しい

2022-10-05 00:00:17 | 書評
上野にある川柳発祥の地の記念像は金色のあひるだが、あひるである理由は、川柳三賢人の一人である呉陵軒可有(ごりょうけんかゆう、あるいは、ごようけんあるべし)の読んだ句にある。像の下には書かれているが、

羽のある いいわけほどは あひるとぶ

普通に、現代のサラリーマン川柳的に読めば、

一応、羽をもつアヒルのくせ、飛ぶ気もないと思われたくなく、ちょっとだけ低空飛行をしてみる。

どこの会社にもいるだろう窓際の高給取り。たまに、重い腰を上げて誰でもできる簡単な仕事をする。



ところが、この一見平凡な句に意外な解釈があるそうだ。

もしも羽があれば、空を飛びたい。夢があれば挑戦したい。

まるで意味が違う。

時は江戸時代だ。封建制度があり、職業選択の自由もない。閉鎖性の高い社会だった。羽さえあれば、その分だけでも空を飛んでみたい。ということではないだろうか。