悪魔の館

2010-02-23 00:00:24 | 市民A
yamamoto奈良県にある雄山会、山本病院の事件は、病院の破産によってすべてがあいまいなまま集結しそうである。

が、・・

色々な情報からいえば、この病院ほど「悪魔の館」ということばに近いものはないように思える。

まず、逮捕事件。

業務上過失致死容疑事件の概要

2006年6月、52歳元理事長らが入院中の51歳男性に肝腫瘍の摘出手術を実施。肝臓手術にも関わらず、輸血用血液を用意せず、医師2人、看護師2人の計4人で行われた。手術中に肝静脈を傷つけ大量出血し、男性は心肺停止状態に。赤十字血液センターから急遽血液を取り寄せ男性に輸血。人工呼吸や心臓マッサージも施されたが、手術開始から約4時間半後、男性の死亡が確認された。

2010年2月6日、奈良県警捜査1課などは、不十分な態勢下での手術を避ける注意義務を怠り男性を死なせたなどとして、業務上過失致死容疑で、52歳元理事長と54歳元主治医の両容疑者を逮捕した。


一見、どこにでもあるような、ずさんな治療という感じである。

そして、破産した。

雄山会、破産へ=診療報酬不正受給の「山本病院」運営-帝国データ

帝国データバンクによると、奈良県大和郡山市にある「山本病院」を運営する医療法人雄山会(同市長安寺町、山本文夫理事長)が28日、奈良地裁に自己破産を申請し、同日破産手続き開始決定を受けた。負債は約7億1800万円。

山本病院は1999年7月に開業し、2007年4月に法人化。今年7月、心臓カテーテル手術をしたと偽り、診療報酬を不正受給したとして、奈良県警が山本理事長ら3人を詐欺容疑で逮捕。社会的信用を失墜し、入院患者の転院手続きが終了した7月中旬、病院を閉鎖していた。[時事通信社]


しかし、隠された事実が多すぎるのだと思う。

まず、この病院は、俗にいう「行路病院」もしくは「行旅病院」だった。

聞き慣れないことばかもしれない。心筋梗塞とか脳梗塞などに見舞われ、路上で行き倒れになったホームレスや日雇労働者の救急搬送先である。

それで、何が問題かということ。

搬送される患者のほとんどは、生活保護の対象者である。あるいは、身元がはっきりしなくても「急迫保護」という制度で、手続きを後回しにして生活保護が適用される。

そうなると、患者の自己負担がゼロになるわけだ。

しかも、彼ら患者の多くは、それまでの生活の過酷さから、たいてい何らかの慢性疾患に侵されている。

そのため、温かい居住空間としての病院へ、無料で入院できる代わりに、山本病院の言うがままの治療を続けることになる。たとえば心臓カテーテルは月20件とか院内でノルマを課していたらしい。もちろん治療や手術が必要ではなかった患者の多くが、ここで開腹手術をうけているらしい。

もちろん、患者のモラルハザードや病院の経営が悪化している状況、貧困層の拡大など、背景の解釈は色々とあるのだろう。

だからと言って、病気でもない患者の体に、「がん」と偽って、メスやカテーテルを入れたり、すでに手遅れの患者に無駄と思える治療を繰り返すことが許されるのだろうか。

山本氏はなんのために医者になったのだろうか。単に金の亡者だったのだろうか。なんとなく、もっと暗い闇の部分を感じてしまうのだ。