本当に怖いシベリウス交響曲第4番

2004-06-24 22:00:54 | 音楽(クラシック音楽他)
きょうは、久しぶりに昼休みにサントリーホールのオルガンプロムナードに行きました。5月14日にオペラシティでラベルを聴いてから、ちょっと時間が経ち、何げにコンサートホールでのゆったりした気分を楽しみたかったのですね。

ホールでの生演奏の良さは、いうまでもなく「音量無制限」と「演奏終了後の拍手」です。しかし、それなのに、・・・。

昨年12月にNHKホールで聴いたシベリウス交響曲第4番。静寂と恐怖が満ち溢れています。
息詰まるように静寂が圧縮された濃密な空間に、第一楽章の微かな音量の管弦楽が始まります。そのまま第四楽章まで地獄の底を這いまわるような出口の見えない絶望の中、交響曲は何の解決も無く終わります。何かの間違いではないかと思い、CDで聴き直しても、ちょっと私の神経では第二楽章までが限界です。逆説風にいえば「途中で気楽に止められるのがCD」ということです。

ホールで聴いた時は心理的余裕がなく、てっきりスターリン時代に迫害を怖れながら地下室で書いた曲なのだろうと思ってしまったのですが、よく考えれば彼はソ連ではなく隣国フィンランド人。大誤解です。
調べたところ、1911年46歳のシベリウスは咽頭にできた腫瘍を摘出することになっていて、彼自身が死の恐怖と戦っていたとのこと。しかし、自身の絶望感をこれだけの恐怖の交響曲にするのは大変な想像力です。

もっとも彼自身、結局は、この時の46歳という年齢のちょうど倍となる92歳まで長寿を誇ったということはなんと皮肉なことなのでしょう。