近鉄球団買収と30億円

2004-06-30 21:55:27 | スポーツ
6月15日のダイアリーで触れた「近鉄問題」は予想どおり空中遊泳を続けている。一リーグ制に傾いたようであったり、そうでもなかったり、5チーム制の経済的問題、選手会の動き、水面下で密かに行われる第二の合併案。今度は、ライブドア社による球団買収案である。

ライブドアといえば、ネットや株の世界では誰でも知っているメジャーなイメージであるが、逆にその世界に疎い人にはよくわからない会社である。旧態依然の縦割り型組織の新聞社には苦手な存在なのか報道も歓迎しているのかそうでないのか意見がよくわからない。ただ、どうも単なる古典的な買収ということであり、簡単な話のようである。が、せっかく巨人中心主義の弊害が表面化したところだし、ちょっと安易かな。
ここで問題なのは、経営変更料(あるいは新規参入料)なるもので、経営変更なら30億円、新規なら60億円が必要ということである。いつ決めたのかよくわからないが、これが参入障壁の一つであったのだろうが、ここに日米の決算手法の差が見られる。日本型であれば30億円は無形資産とし、5年償却で1年6億円ずつコスト経常することになるのだろうが、米国式だと無形固定資産に計上したまま、営業権としてそのまま減価償却しないでおくのである。つまり次に転売するときには、また権利込みで売れる(はずだ)からである。したがって経費とは認定しない。ライブドア社が提示した500億円強のほとんども営業権として、国内税法上は経費認定となり、連結決算上はコストにならないことになるのかもしれない。同様なことは例えばソニー社でも連結決算は米国式で行っているため、莫大な無形固定資産を計上した形になっている。

しかし、ライブドアの登場は野球でいえば、まだ2回裏位のところではないのかな。