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ジュピターエンジン

2010年02月26日 | オイルリーク

Jupiter_engine_arp_750pix 画像はウイキペディアから転載

イギリスのABCが固定式星型エンジンの開発に失敗した(ドラゴンフライのシリンダー)あとに、ブリストルは倒産しかかったコスモス社のプロジェクトを引き継いでジュピターエンジンの開発に成功した。

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Jupiterivcyl

ジュピターが成功した要因はシリンダーヘッドをアルミニウムにしたことだ。これは初期型の部類のⅣ型なので、バルブステムは平行だが4バルブ。記述による説明はどこにもないが、見る限りでは燃焼室とバルブシートまでは鋼製のシリンダーと一体になっていて、ポートとバルブメカニズムが組み込まれたアルミニウムの”ヘッド”が上に載せられる。

Bristol20jupiter20cylinder 画像はttp://www.enginehistory.org/coventry.htmより転載

ちょっと見にはプッシュロッドが4本あるように見える。このタイプはバルブ配置がV型になっているがその仕組みは現在では考えられないほど複雑だ。

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違う角度からの画像があったので説明しやすいが、2股のエキゾーストパイプからして星型エンジンには珍しい。通常の4バルブでは同じ列が同じ機能のバルブになるところだが、マニホールドの長さを同一にしたかったのか特異な設計だ。

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文章だけでは分かりづらいので。

赤矢印が排気バルブ、緑矢印が吸気バルブ。黄色矢印は排気側のロッカーアームのプッシュロッドが押す部分、水色矢印は吸気側のロッカーアームのプッシュロッドが押す部分。

吸気側のロッカーアームと排気側のロッカーアームが同軸だ。

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赤矢印が排気バルブ、緑矢印が吸気バルブ。黄色矢印は排気側のプッシュロッド、水色矢印は吸気側のプッシュロッド。

ではピンク矢印はなんだろう?

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1本のプッシュロッドが2つのロッカーアームを押すという、これまた珍しい構造だが、このあたりのことも詳しい説明はどこにも見当たらず、想像するしかない。

右側ロッカーアームの上面は平らになっていて、左側のロッカーアームの接触面が球面のアジャストボルトを押すのだろう。

詳しい構造の説明がやはり何処にもないが、気になるクランクケースから伸びたロッドがプッシュロッドのラッシュアジャスターではないかと思われる。

つまりロッカーアームは半浮動に固定されていて、熱膨張率の大きいアルミニウムのシリンダー/ヘッドが膨張することによりバルブクリアランスが大きくなるときに補正するようだ。クランクケース側の構造がどのようになっているのか知りたいものだが。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ジュピターのその特異なロッカーアームの保持方法が (をたくな講師)
2010-02-26 18:43:36
ジュピターのその特異なロッカーアームの保持方法が
気筒固定式の空冷星形エンジンを完成させた、なんて
記述を読んだ事があります。

それ以前の空冷星形は、温度条件でタペットクリアランス
が目茶苦茶になり安定した馬力を出す事が出来なかった、
と言うことですね。

OHV4バルブエンジンですが、カウリング内の空気の流れを
考慮し、複雑な吸排気になっている様ですね。

ジュピターは、後の空冷星形の原形になったとも言える
名エンジンですね。
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>特異なロッカーアームの保持方法が気筒固定式の... (ピストン)
2010-02-27 00:36:12
>特異なロッカーアームの保持方法が気筒固定式の空冷星形エンジンを完成させた・・・
というより、ヘッドをアルミにして冷却を確実にしたという点だと思います。
ハイドロリックバルブリフターはその後の時代だと思われますから、この辺りでバルブラッシュの必要性が分かったのではないかと考えています。
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