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ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

ヘッド面研後・・・

2006年02月20日 | シリンダー、シリンダーヘッド
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S5_2
先日紹介したボロンライナーシリンダーです。
ショベル以前のシリンダーは矢印のようなデッパリがあります。
これは他のエンジンではあまり見たことのない特徴です。
記憶はアイマイですが、空冷ドウカティの1部にはヘッドガスケットを使わないものがあり、似た構造だったかな?
矢印の示すデッパリは加工前と同じ寸法ですが・・・・。

S2_4
シリンダーにヘッドを載せてチェックすると、矢印のように隙間が・・・・。

S1_2
つまりココの関係は図のようになっていて、青矢印の寸法が充分にないと、ヘッドガスケットがヘッドボルトを締めてつぶれた時に赤矢印の部分がツカエテしまい充分な面圧が得られないか、ヘッドが壊れてしまいます。

S4_2
純正ヘッドガスケットの厚みを測ってみると、85/100mmしかありません。
つぶれるとタブン2/3くらいになると思います。

S3_2
解決方法は?
矢印の寸法を充分に2次加工しました。
面研加工はすごくキレイに仕上がったのですが、今回のようなことを見逃すと大変な事になります。












ヘッドにクラック!

2005年12月26日 | シリンダー、シリンダーヘッド
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S114_1
ショベルローライダーのマフラーから白煙が出てきたので、シリンダーヘッドを外してみました。
これでも堆積したカーボンは意外と少なかったですね。それほど昔でない時期にオーバーホールしたことが想像できます。
S112_1

バルブを抜いて、カーボンを落としてみるとジャジャーン!!
矢印のところにクラックが入っていました。
Simg_0220

バルブガイドを抜くのには、150℃くらいに加熱する必要があります。
この古い電気コンロもまだまだ役に立ちます。30分くらい載せておくと丁度イイ感じになりました。
Simg_0191_1


鉄丸棒を必要なサイズにした手造りSSTをあてがいハンマーで叩くとバルブガイドは抜けます。
ガイドは鋳鉄かブロンズなどの割れやすかったり、変形しやすい金属で出来ているので、決して強く叩いてはイケマセン。
また下には木片などを置いてヘッドに掛かる衝撃を和らげます。
抜けにくい時は加熱が足りないのかもしれません。くどいようですが、強く叩くとシリンダーヘッドにも損傷を与え取り返しの付かない事にもなりかねません。
Simg_0194
いずれにしてもバルブガイドをこのまま使うつもりはないので、全部抜いてしまいます。
S113
抜いたガイドを良く見てみると、左のモノの赤矢印が示すところはヘッドと密着していた痕跡があるのに対して、青矢印のところには液体ガスケットの残骸が見られます。
右のガイドも赤青の矢印のところはヘッドとの「当たり」が違いますね。更にオイルが付着しています。
つまり、バルブステムシールも壊れていなかったのに「オイル下がり」していたのは、バルブガイドがキチンと組み込まれていなかったのですね。
S111
ガイドを抜いてクラックの様子を見てみると、幸いにそれほど深くはないようです。
実はガイド周辺のクラックはさほど珍しい事ではないのです。
適切な修復作業を行えば、再発の心配もありません。
Simg_0210
クラックを溶接で直すのには、まず周辺をこのように削り込みます。
クラック内部には油分とかカーボンが滲みこんでいるので、これらを除去しないと強度のでる溶接ができないのです。
鉄系の溶接にはこういう心配も少ないのですが、アルミ溶接には不純物は大敵ですね。
Simg_0225
アルミ溶接の場合は熱がドンドン逃げてしまいますので、予熱が必要です。
歪みや強度を考えなければ溶接電流をあげたり、小さいものでしたら溶接しているうちに熱くなりますので、予熱する必要はないかもしれませんが、モノがモノだけに作業条件を整えたほうが良いでしょう。
Simg_0211
無事に溶接終了です。
Simg_0216
ガイド穴に盛り上がった溶接をリューターで削り、盛りかたが充分であるかチェックします。
この先は内燃加工屋の外注にだして、こちらの指定どおりにガイドの打ち込みや、バルブシートの研磨などを依頼します。
全部自分でやっつけても良いのですが、更に設備投資が必要になりますので、25年来のお付き合いの井上ボーリングに任せてしまいます。