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ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

ドライブチェーン

2006年03月31日 | ドライブ系

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12月8日掲載の記事で紹介したFS530UW-Rの関連記事になります。

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まずチェーンにはソリッドローラーなるものと、普通にローラーが回転するものがあります。

低フリクションを謳っているものは回転します。ご存知のようにシールタイプはメインテナンスフリーのイメージがありますけれど、ローラーの部分はシールされていないのでノーメンテという訳ではありません。

シールチェーンはオイル洩れの多い車両には使えないとう評判もありますが、このチェーンを使う車両は5速ミッションなので安心して使えます。

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カットしたいコマのカシメをサンダーで削り取っておいたほうが、ズット楽に作業ができるし工具も痛めません。

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これは以前にも紹介したレイノルズのチェーンカッターです。昔はカシメのジョイントなどは存在しなかったのでカッターだけでも用が済んだのでしょう。しかし切る専用なので使いやすいし仕事も早いのです。

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これはカシメのジョイントです。ピンの中央がかしめ易いように窪みになっています。

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カシメジョイントのプレートには嵌め合い締め代が設定されているので、これ以上は手で押しても入りません。

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ココから先はチェーンツールを使わないとほぼ不可能です。

このツールは520~530までのチェーンに対応でき、部品を付け替える事によりカットからカシメまでこなします。しかし、こういったツールは高価ですね。安物はすぐ壊れてしまいますし。

①の本体にチェーンをカットするときには②を、カシメるときは③を使います。これを間違えてカシメるときに②のままだとジョイントのピンが抜けてしまい、大変な事になります。

ワタシはこの付け替えが面倒なのが、カットのときにレイノルズのカッターを使う理由のひとつです。

カットのときは⑥でチェーンを固定して④を使い⑦を回転させてピンを押し出します。

カシメのときは③でピンの移動を阻止して、⑥でプレートを圧入し、⑤を使いカシメます。

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まずプレートを押して圧入します。

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圧入するプレートの位置は写真のようにノギスで測って、他の部分と同じ幅にします。

押しすぎると動きが硬くなり、Oリングもハミデてしまったりします。

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プレートの圧入が終わったらツールにカシメ用のピースを取り付けて・・・・。

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カシメるのにはツールを使っても大きな力を要します。

矢印は4つ上の写真の③を必ず使います。

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カシメた結果を測定して確認します。もとのピンの外径より0.2mm程度大きくなっていればOKでしょう。

「抜けてしまうのではないか」という杞憂のあまりカシメすぎると「割れ」が発生して、かえって強度が落ちてしまうので・・・・・。


クラッチハブ

2006年02月27日 | ドライブ系
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ローラーをクラッチハブに組み付けるのには、リテーナーにグリスを塗ってローラーを張り付けると作業しやすいですね。

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赤矢印はベアリングプレートを固定するスプリングの入る溝です。この溝はハブの3本の長いドライブスタッドにあります。
青矢印はドライブスタッドの磨耗している部分で、ココでフリクションデイスクを駆動しているため、どうしても磨耗してしまいます。磨耗が酷くなるとクラッチの機能(切れ具合)に悪影響しますね。

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赤矢印は固定用のスプリング、青矢印はベアリングプレートで変形しているのは、ハブのセンターナットのロックワッシャーを折るときに曲げてしまったのでしょう。

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クラッチハブが付くメインシャフトです。
矢印は回り止めのスピールキー(通称キー)で、なるべく新品の使用、少なくとも磨耗していたり傷ついていたら必ず交換です。

*ハブを組み込むときに、溝の中央にないとハブを破損してしまうので注意!

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センターナットとロックワッシャー。
ロックワッシャーのシャフト側のツメは、さほど大きくなく、シャフトの形状によりずれ易いので、やはりココも注意です。

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上記のようにロックワッシャーがずれやすいので、ワタシはナットの矢印の部分のカドを面取りして、ナットを締める時に引っ掛からないようにしておきます。

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ナットを締めてこのようにロックワッシャーのツメを折り曲げて回り止めをします。

*このナットは逆ネジ(左ネジ)になっています。

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ココの時点でベアリングプレートを付ければ、変形させずに済みます。

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プライマリーハウジング取り付け

2006年02月26日 | ドライブ系
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昨日の記事はこの記事の冒頭にする予定で書いていたら、思わぬ展開になり時間がなくなってしまいました。
しかし、現在ブログランキングの1位の”しんたろう”さんは、ずっとトップに君臨しているだけに手強いですね。

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プライマリーハウジングの裏側です。
①はまだホースをつけていないですが、ココからクランクケースの圧力の変化を利用して、ハウジング内のオイルを回収します。
②はクランクケース内とオイルタンクとの圧力を均一にする通路になっています。
③はプライマリーチェーンを潤滑するため、ポンプからオイルを送るホースです。
④はチェンジペダルのリンクですね。

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前時代的なブリキ製のスターターシャフトが通る仕切り板です。シールにはOリング!

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クランクケース側にはOリングが付きます。
このOリングもドライの状態でハウジングを取り付けると、ハウジングのカドでキズつける可能性があるので、ワタシは滑らせるために液体ガスケットを使用します。

*このOリングはエボのものとよく似ていますが、太さが違うため(エボのが太い)しようできません。
もし使用するとハウジングを壊してしまいます。(経験済み!)

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準備ができたらハウジングを嵌め込む前に、スターターシャフトを組み込んだり、ホースをつなげたり、各部を同時に作業しなければならないので、一旦はこの状態で保持しておきます。

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オイル回収のホースはこの段階でつなぎます。

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Oリングを損傷させないように気をつけて、仕切り版にスターターシャフトを通して、モーターのリダクションギアに押し込みます。仕切り版にはガスケットを液ガスなどで固定しておいたほうが良いでしょう。
ココは中々難しく、集中力が要求されます。

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スターターシャフトのシフトカラーの溝にシフトアームの先端が入っているかも注意しないと・・・・・。


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各部を無事に取り付ける事ができたら、給油ホースなどを挟み込まないように気をつけながら、ハウジング固定用のボルトやナットを締め付けます。

*トランスミッションはプライマリーハウジングで位置決めされるので、ハウジング固定用のネジを締める前には、トランスミッション固定の5本のネジは必ず緩めておきます。
ワタシは更にしつこくハウジングとミッションのネジを仮締め、緩め、仮締め、本締めと繰り返して、エンジン・ハウジング・ミッションの相関位置を無理のないように気をつけます。
無理のある取り付けはハウジングのクラックの原因になります。
最後にハウジング内に突き出たメインシャフトが手で軽く回す事を確認します。

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クランクケースの後ろ側2本の5/16ボルトは頭部に穴があいているので、ワイヤーロックで緩み止めをします。
ワイヤーのロックはネジが締まる方向に引くことに注意を。

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プライマリーチェーンのアジャスターが付くプレートは、プライマリーハウジングのキットにも付属していたのですが、写真のようにメッキしてありますので、今まで付いていた純正部品を使う事にしました。

*このような硬化処理してある部品にメッキは禁物なのです。
水素脆性という作用によって鋼が脆くなってしまうのです。

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プレートの取り付けスクリューには、緩み止めとオイル洩れを予防するために、ロックタイトを使用しました。

このプライマリーハウジングの組み立てはワタシも正直言って「面倒くさい」で、オープンプライマリーのなんと単純で、整備性の良い事かといつも思います。
ショベルのミッション廻りのオイル洩れが整備しにくい理由のひとつでしょうね。



























プライマリーハウジング

2006年02月14日 | ドライブ系
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*ご期待の第2部は更新済み。どうぞご覧ください・・・・・。
好評の”3拍子②”はコチラをクリックです
Windows Media Playerでご覧できます。


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只今エンジン腰上オーバーホール中の’79FXSのプライマリーハウジングです。
ミッション付近のオイル洩れも、ついでに直そうと外してみました。

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矢印の示すクラックは、このカタチのプライマリーハウジングには良くみられます。
もちろんコレはオイル洩れの原因にもなります。
ココを溶接で修理しても、他のところに又クラックが入ったり、溶接歪みでベアリングの入る穴が変形して、ベアリングがスムースに回転しなくなることもあるので、これの再使用は避けたほうがよいでしょう。

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そして裏側はドライブチェーンに削られた痕跡もあります。
何度も言うようですが、プラーマリーハウジングはティンカバーから発展したものなので、この’80年までの部品は強度に問題があり”十中八九”はクラックが入っていますね。

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やっとメーカーも気が付いたのか、’81年からはこのようにリブで補強されたものになりました。
しかし、記憶を辿るとこの繊細?なリブでは、ミッションとエンジンのアライメントが悪いと、やはりクラックが入ることも・・・・。

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オーバーホール中のエンジンに、この中古の’81年型が使えると思っていたら、スターターギアシフターレバーのピボットボルトが入る部分にクラックが入っていました。
溶接で鋳掛修理をできるとトライしてみたのですが、条件が悪く今のところNGですね。

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これは社外品ですけれど、問題の場所は確か純正品の最終のカタチと同じになり丈夫になっています。
値段も比較的リーズナブルの500ドルちょい。難点はクロームしかない事で、このままリンクルペイントしてもすぐ剥げてしまうし。クローム好きなら何の問題もないのですけどね。
















チェーン③

2005年12月08日 | ドライブ系
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s-IMG_0069これはチェーン②で紹介したナロータイプのOリングチェーンです。
価格は思っていたよりチョッと高く110リンクで20900円メーカー小売希望価格、税別)でした。
確定していれば、欲しいリンク数のモノも注文できますので無駄が出ないと思います。
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指定排気量はこのようになっていますので、883以外は自己責任ということになります。
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耐摩耗性と駆動抵抗の減少も謳っています。
チェーンとスプロケットは2人3脚の関係ですから、チェーンが伸びなければスプロケットも長持ちしますよ。


ローダウンの危険性?

2005年12月07日 | ドライブ系
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ローダウンされたハーレーはカッコ良く、足つき性も良くなるため、ワタシもキライではありません。
しかし、シカシですよ! その中にあまり知られていない危険も孕んでいるので知っておかなくてはなりませんゾ。

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ベルトのテンションのところで考察したように、スイングアームが動いて角度が変わるとL2の長さも変化するのはご理解頂けたと思います。
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一般的はスポーツバイクはこの作用を利用しています。
つまり、スイングアームには最初から下反角を付けておいて、駆動力を増す事によりタイヤを下方向に動かそうとするを発生させてタイヤを路面に押し付けたり、車体のバンク角の減少を防いで、コーナリングを助けるようにしています。
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こうしてスイングアームが最初から上反角(普通はこういう表現はないですが)がついていると、駆動力を増せばタイヤは前方向に引き寄せられようとする結果、サスペンションを縮め上方向に動こうとします。

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この状態はいわゆる1Gで、車重とサスペンションが釣り合った状態ですね。
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コーナリング中はどんなバイクでも車重遠心力(スピードとタイヤのグリップ力で変化)が合成したモーメント(図中の赤矢印)が働き、サスペンションを1Gのときより大きく縮めてしまい
車高の減少をもたらします。

コーナリング中にアクセルを開けると?
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ローダウンして上反角のついたスイングアームのハーレーで、一般的なバイクのようにコーナリング中にアクセルを開けると前述のようにサスペンションを縮める力が発生して、マフラーなどが地してしまうことになります。

ワタシはライディングテクニックをとやかく言うほどのレベルではありませんが、現在のハーレーは標準でドライブベルトを採用しているため、ハーレーに乗る以前にスポーツバイクで峠をブイブイいわせていたようなライダーの中にはハーレーには馴染めない方がいるようです。
スポーツライディングは如何にコーナリングフォースを高めるかですから、「フロントブレーキの使い方で前輪荷重を増やし、パッと寝かしこんでコーナリングフォースを高め、クリッピングポイントを過ぎたらアクセルを開けトラクションを増す」
という乗り方がしにくいハーレーはまだらっこしいのでしょうね。
確かに高低差のある峠道を充分に楽しむと2.5次元くらいの感じがありますもんね。
ベルトドライブは確かにいくつかのメリットがありますが、半面失ってしまったモノも大きい気がします。
制限された動きのサスペンションもその一つで、バイクのサスペンンションは乗り心地のものだけではない筈なんですが、
ストロークを大きくさせると、ベルトがうまくなくなってしまうので硬くして余り動かなくさせているのでしょう。
まあ、今のところ大方に影響はありませんが・・・・・・。

ワタシはツーリングにはロードキングを使います。
ロードキングは割合バンク角があるほうなんで余り不便を感じません。小さいコーナーは結構楽しめて、クルっと回ってバイクを早く起こしあとは全開にすると、本気ではない?国産リッターバイクの連中とも一緒に走れます。しかし回り込んだ高速コーナーの途中に下水なんかの凹みがあると大変なので気をつけなければなりません。
しかし、ロードキングの風防?はどうしたもんでしょうね。巻き込む風で鼻の中が痛くって!

こうした事を書いていると、早く春が!と思います。


ベルトのテンションは何故?

2005年12月01日 | ドライブ系
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ファイナルドライブベルトの調整には写真のようなSSTが用意されていて、10ポンド(約4.5kg)の荷重を掛けてのたわみを調整するとなっています。
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写真はロードキングです。
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クローズアップすると、ベルトガードにはご覧のように窓に目盛りまでついています。
調整の基準値は1人乗りで8mm前後、2人乗りは7mm前後と荷重により調整値は異なるのです。
コレについて考えた事はありますか?
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ハーレーは1G(静止)状態では大抵このようにA、B、Cがほとんど直線上にあります。
Aはドライブプーリー、Bはスイングアーム、Cはリアアクスルのそれぞれセンターです。
AとBの相関関係は不変ですが、CはBを中心に円弧を描くように動きます。
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サスが縮むとベルトは緩む!

荷重が掛かると通常はサスペンションの働きにより後輪は車体に対して上方向に動きますが、そうすると図のようにL1はL2のように距離が短くなってしまうのですね。こうなると当然ベルトは緩みます。

ベルトが緩むと?

「チェーンの伸び」の項で説明したようにチェーンでは数枚の歯でも駆動を伝える事ができますが、ベルトでは滑って空転してしまいます。

結論
荷重が大きくなると、当然サスペンションのストローク量は大きくなり、それによりベルトの緩みも大きくなるので、2人乗車の場合はきつく張るように指示されているのが分ります。

*番外偏
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ハーレーでは車高を変えるのはほとんど低くするでしょうけれど、その場合はもちろんベルトの調整が必要です。
車高を高くした場合はどうでしょう?
国産車のチェーンドライブの場合では、上の図のようにABの延長線の下にアクスルセンターがあります。これを下反角がついているといいますが(これには意味がありますけれど説明はまた後ほどに)、スイングアームを使ったサスペンションで車高を上げると程度にもよりますがこういう状況になりますので、ベルトドライブでやってはいけません。
つまり、L2が短くなった状態でベルトにテンションを掛け、サスがストロークして下反角が0になると(あるいはその手前で)テンションが過大になりベルトが切れてしまう恐れが多分にあるのです。
これは単なる脅かしではなく、現在のビューエルにはベルトテンショナーがついていますが、何世代か前のビューエルがかなりスポーティーになった始めの頃、長いリアサスをつけてベルトを切ったトラブルが多発したのです。
どうしても車高を上げたい場合はチェーンが必須です。



チェーン②

2005年12月01日 | ドライブ系
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チェーンの伸びはピンの磨耗によるということは解明しましたが(まあ遥か昔からOリングチェーンの出現により解決されていますがネ)スポーツスターユーザーにとっては幅の関係で恩恵に授かっていないのですね。
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手元にあるチェーンの幅を測定してみました。
左は安物のチェーンで、恐らく初期スポ-ツスター標準装備のダイアモンドチェーンと同等と思われます。
右はRKの中級のOリングチェーンです。
モッタイブッているようですが、中央のチェーンは?
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カットしてみましょう。
使用している工具はイギリスはレイノルズのチェーンカッターです。
コピー品が昔日本製でもあったような気がしますが、カシメジョイントが普及してからは見かけません。
カッターという単機能だけに非常に使いやすいですヨ。
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この通り極薄のシールが入っています。
このチェーンは今年の始めあたりにリリースされているもので、ご存知のかたもいるかもしれませんが某ショップがオリジナル商品として売っているものと多分同じものですけれど、価格は18000円くらいです。
残念ながらスポーツスターに使えるかどうかは検証していません。
今現在商品在庫がありませんが、入荷しだい紹介させていただきます。




チェーンの伸び?

2005年11月30日 | ドライブ系
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ベルトの鳴きに続いて、チェーンの伸びについて解明したいと思います。

その昔、CB750がデビューしてノーヘルで皆さんカッ飛ばしていましたがチェーン切れのトラブルが多発したそうです。(恐ろしい!)
その後にエンドレスのチェーンになり、630サイズの強固なものも採用されましたが余りにも重いため?50系にも丈夫なものが出来、150馬力級でも心配なく使えるようになりましたね。

ハーレーにおいては、ビッグツインはショベルの最後期にはベルトが採用され、チェーンは初期のスポーツスターまでしか標準装備はされませんでしたが、その初期のスポーツスターについていたのは『DIAMOND』ブランドで、そのチープな性能とブランド名は冗談としか思えない代物でした。
その頃は883の現地価格は3000ドル代でしたから・・・・・・。
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安物のチェーンは1000~2000kmごと位に張りの調整をしないとダラダラになってしまい、擦れて変な音はするし思わぬ所を削ってしまうこともあります。

交換の目安は?

調整を何回もして、チェーンアジャスターがもうこれ以上引けないからチェーンを交換しますか?それともチェーンの駒を落として短くすればまた調整して使えると思いますか?

チェーンがスプロケットにかかっている所を摘んで引っ張ってみてください。
そうすると青矢印のように隙間ができて、緑矢印のように動くはずです。

こうなると、力の伝達は赤矢印の数個の歯にしか行われず、黄色矢印の部分はただチェーンが乗っているだけに過ぎません。
こうなったら交換です。
もちろん程度にもよりますが、程度を判断するのは経験なんですですけれど、経験を積むのは理屈をわかって実践すれば必ず経験になりますヨ。
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つまり、チェーンが伸びるローラー間の距離が大きくなってしまい、スプロケットの歯のピッチと合わなくなってしまった現象が起きます。

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チェーンをカットしてみると、もう既に潤滑されていた形跡が見られません。
矢印の部分が磨耗しています。

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ピンの部分の写真を拡大してみると、青矢印のところは段つき磨耗していて、赤矢印のところは相当荒れているのが分ります。
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伸びたチェーンをそのまま使っていると、アルミスプロケットなどはたまらずこんな形になってしまいます。
きっとこれ以上使っていたら歯がトンデしまい、丸坊主になってしまうかもしれません。

10年くらい前の話ですが、CRM50か何かに乗ってきた方がダラダラに伸びたチェーンを指差して
「もうこれ以上調整できないから、コマを詰めてくれ」と言うので
「アルミスプロケットだし、チェーンは交換したほうが良いですよ」と返したら、怒り出して
「あんたの店はそうやって金儲けするのか!」と、もっと説明する暇もなく帰ってしまいました。
CRMのチェーンなら数千円なのに・・・・・。
バイク屋ってのも難しいもんですね。



ベルト鳴きで悩む?

2005年11月28日 | ドライブ系
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ドライブベルトの鳴きに悩んでいる人は相変わらず多いみたいで、中にはエンジンやミッションの異音と思い込んでいる気の毒な方もいるようです。
ドライブベルトは基本的にはチェーンのような伸びはないのでチョクチョク調整する必要もなく、ノーメンテで乗れる優れものです。しかしホントウにノーメンテで良いのか?
ここでベルトの鳴きの発生を考察してみたいと思います。
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本来はプーリーにはサイドプレートが両側についているので、ベルトは見えません。この写真を撮るためにプーリーを1個壊しました。
ベルトが新しいうちは赤矢印が示すようにベルトの歯の先端と、プーリーの溝の間にはクリアランスがあるのです。
ところがマイレージが進むと青矢印が示すベルトの溝が磨耗してしまうようです。
つまり、ベルトは伸びないが減ってしまうということです。
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ベルトの磨耗が進むと噛合いが深くなり矢印が示す部分でプーリーとベルトの表面が擦れあって音を発生するのですね。
マイレージが進むとベルトの張りも調整の必要があるのは、噛合いが深くなるので弛んでしまうのです。
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これはプーリーの拡大写真ですが、ベルトの磨耗が進むと矢印の示す部分がベルトと接触して光ってきます。そうなるとベルトに「ご苦労さんでした」と言って交換してやってください。