三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

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石山鎮春騰村で 1

2008年10月22日 | 海南島
 夕刻海南島に着いた翌日、10月9日に、海口市石山鎮春騰村を訪ねました。
 市内バスにのって、いったん業里村に行きました。海口中心部からバスで30分ほどの業里村には、旧日本軍の望楼が残っています(写真集『日本の海南島侵略と抗日反日闘争』54頁を見てください)。前に来たのは2005年1月でした。
 業里村で石山行きのバスに乗り、終点まで行き、そこから三輪車で春騰村に行きました。
 こんど、海口市石山鎮春騰村を訪ねたのは、2005年7月18日と2008年4月14日のつぎの報道を見たからです。この記事があることは、ことし5月に、梁昌寶さんから知らされていました。
  「日軍大型隧道現身火山口 修建時数十人被圧死」
  http://news.qq.com/a/20050718/001617.htm
  「侵華日軍5条大型隧道現身火山口 位於海口石山鎮」
  http://news.sina.com.cn/c/2008-04-14/061313731696s.shtml
 
 2008年4月14日の記事によると、石山鎮春騰村馬鞍嶺に旧日本軍のつくった隧道が5本あり、「日本人が隧道を掘らせるのに連れてきたのはほとんどが外地人だった。その中には北韓、台湾などから連れてきた人も少なくなかったと書かれています。
 わたしたちは、石山の「火山口」には、2005年秋に行き、石山から10キロほど南の雷虎嶺にある日本軍用洞窟(写真集『日本の海南島侵略と抗日反日闘争』62頁を見てください)には2回行きましたが、これまで春騰村には行ったことがありませんでした。
 石山には舞鶴鎮守府第1特別陸戦隊の守備隊が「駐屯」していました。石山守備隊本部の位置は、烈楼守備隊本部から直線距離南7キロの地点で、現在の石山鎮の中心部にありました。

 10月9日に、村の広場に着くと、大きな樹の周りに村人が20人あまり集まっていました。
 記事に載っていた王伝策さんに会いたいというと、いまは、山に行っているとのこと。その息子さんと話していると、遠くから、王伝策さんのお兄さんが歩いて来ました。王伝範さん(1932年生まれ、77歳)でした。話していると、そばに王安帮さん(78歳)が来て、次のように話してくれました。

 「日本軍は石山の高い丘の上に望楼をつくった。20人あまりの部隊だった。
  当時、石山には、遊撃隊が抗日闘争を続けていた。日本軍は、飛行機から爆弾を落とした。村の近くに落とされた爆弾で、遊撃隊員が1人、殺されたことがあった。
  漢奸2人が村に来たとき、遊撃隊がそれを知って、2人を捕まえて村の大樹に縄で縛りつけたことがあった。その夜、2人は逃げて日本軍本部に知らせた。日本軍は村と村の周りを掃蕩した。村人は秀英のほうに逃げた。日本軍は、村の家を焼いた。
  なんか月がたってから、村人は村に戻って、“順民証”をもらった。住むところがなかったので、草を刈って草の家をつくった。
  “順民”になってから村人は、交代で日本軍に働かされた。道路や戦闘壕などを作らされた。日本軍は食べ物もかねもくれなかった。日本兵はよく殴った。
  当時、日本兵に出会うとかならずお辞儀しなくてはならなかった。そうしないと殴られた。お辞儀しなかったといって殺された村人もいた。
  日本軍は近くの山に洞窟を掘った」。

 日本軍が村人に掘らせたという洞窟に、黄永存さん(86歳)と王伝範さんに案内してもらいました。洞窟の入り口は草木で覆われていると言って、2人とも、大きなナタを持ってきてくれました。細い道を500メートルあまりあるいて、最初の洞窟の近くに着きました。そこから、黄永存さんと王伝範さんは、入り口まで、20メートルほど、ナタで道を切り開いてくれました。
 その洞窟は、落盤していて20メートルほどしか見通せませんでしたが、30メートル以上あったそうです。
洞窟の入り口で、黄永存さんは次のように話しました。

  「このような洞窟を、日本軍は、この近くに9本つくった。この洞窟は1本目だ。ここではないが、わたしも洞窟を掘らされた。2か月ほど働かされた。朝7時から夕方6時まで。日本軍は、食べ物はくれたがカネはくれなかった。わたしは当時13歳くらいだった。10人あまりがいっしょに働かされていた。台湾兵が監視していた。日本兵もいた。台湾兵は海南語がすこしできた。
  わたしは、仕事が遅いといって銃で肩を殴られたことがある」。
                                     佐藤正人
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