三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

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「日本、原発の寿命「60年以上」に…「福島の惨事を忘れたのか」」

2023年06月08日 | 
「The Hankyoreh」 2023-06-02 12:46
■日本、原発の寿命「60年以上」に…「福島の惨事を忘れたのか」
 「GX脱炭素電源法」成立

【写真】日本の福島第一原発の爆発事故が起きて20日余りたった2011年3月30日、ドローンで撮影した福島原発の様子。核燃料棒が溶ける炉心溶融(メルトダウン)が起きた3号機(左)の残骸が見える。右側の4号機の建屋も水素爆発によって大きく破壊された/EPA・聯合ニュース

 日本の国会で、現行最長60年までと認められていた原子力発電所の寿命をそれ以上に延長可能にする法案が可決された。事実上、原発の寿命に関して規制がなかった2011年の福島第一原発事故以前に戻ったという批判の声が上がっている。
 31日の参議院本会議で、原発の60年以上の稼動を可能にする内容が盛り込まれた「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法」が成立。法案は電気事業法、核燃料物質および原子炉の規制に関する法律など5つの法案の改正案を一本に束ねたもの。自民党・公明党など与党と保守野党である日本維新の会、国民民主党が賛成し、残りの野党である立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組は反対した。
 今回の法改正の要は原発の寿命の延長だ。最長寿命の「60年」を計算する際、安全審査などによる原発停止期間を計算から外す方式だ。例えば、再稼働審査などで10年間原発が停止していた場合、最大70年間原発を稼動できる。ただし、原発が稼動してから30年たった場合、10年に1回ずつ機器と設備状況を審査する規定を新たに設けた。この審査を通過できなければ原発の寿命は延長できない。
 原発の運転期間を決める機関も、原子力規制委員会から経済産業省に変わる。原発の寿命の「除外期間」の具体的な基準も経済産業省が設けることにした。東京新聞は1日付で「老朽原発の運転延長認可を巡り、規制当局の原子力規制委員会が原発推進官庁の経済産業省に権限を譲り渡した事実こそが、電力会社を保護する流れが強まったことを象徴する」と報じた。朝日新聞も「電力会社の過失や責任で審査や工事が滞った期間も含まれる可能性がある」と批判した。
 日本は2011年3月の東日本大震災による福島第一原発爆発事故から1年後の2012年、安全規制強化のため原発の最長運転期間を60年に制限する規定を作った。原発の運転期間は原則的に40年とし、原子力規制委の許可を受ければ20年延長して最大60年まで稼動可能にしたが、今回の改正で60年の制限規定は形骸化された。
 日本の原発寿命延長の決定には、世界的な脱炭素の動きも背景として作用した。日本政府は「エネルギー基本計画」に基づき、エネルギー生産全体で原発が占める割合を現在の約6%から2030年には20~22%まで引き上げる計画だ。現在、日本国内の原子炉は計33基で、このうち10基が再稼働中。残りの23基はいずれも11年以上稼動が止まっている。資源エネルギー庁は、「2030年の原発比率20%」を実現するためには25~28基の原発を稼動させなければならないと説明している。日本政府は、原発再稼働に時間がかかるため原発の寿命を延長させることが必要だと判断している。さらに、保守的な安倍晋三政権の時も試みられなかった原発の新設、増設も推進する予定だ。日本の原発政策の大転換といえる。
 東京新聞は「福島事故の反省と教訓どこへ」との見出しの記事で「(日本の原発政策が)事故前の官民一体で原発を推進してきた構図に逆戻りしかねない」と指摘し、「原発依存は一時的にはエネルギー価格高騰の抑制策にはなるのかもしれないが、核のごみの最終処分は解決の見通しはなく、膨大なコストと事故リスクを国民がこれからも背負うことになる」と批判した。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
韓国語原文入力:2023-06-02 02:32
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「旭日旗と帝国軍、自衛隊」

2023年06月08日 | 国民国家日本の侵略犯罪
「The Hankyoreh」 2023-06-06 08:33
■[コラム]旭日旗と帝国軍、自衛隊
 明治政府が1870年に陸軍の軍旗として採用した旭日旗は、太陽を象徴する赤い円から16本の光線が伸びていっている。これは日本王室の象徴である菊の花びらが16片あることと無関係ではないように思える。旭日旗は1899年に海軍旗としても採用されたが、海軍の旭日旗は陸軍旗とは異なり赤い円がやや左に寄っている。
 日本帝国軍は1894年にこの旭日旗を前面に掲げて出兵し、「反外勢反封建」を叫ぶ東学農民を無残に虐殺し、日清戦争と日露戦争を経て植民地支配の地ならしをした。旭日旗はまた、日本軍が1931年の満州事変、1937年の盧溝橋事件を経て中国に進出し、1941年の真珠湾奇襲によって米国との全面戦争に打って出る際にも日本軍と共にあった。
 だから旭日旗は、日本人にとっては旭日昇天する日本の夜明けを表すのかもしれないが、韓国や中国などの東アジアにとっては日本帝国主義の野蛮で残酷な侵略の象徴だ。また日本人にとっては「誇るべき伝統文様に由来するもの」かもしれないが、韓国にとっては二度と見たくない悪夢だ。
 これらの旭日旗は1945年の日帝の敗戦とともに消え去ったが、9年後の自衛隊創設と共によみがえる。陸上自衛隊旗は光の線を16本から8本に減らし、濃い黄色の縁取りをつけたため旧旭日旗とは少し異なるが、海上自衛隊は旧日本海軍の旭日旗をほぼそのまま軍旗として使っている。
 両自衛隊の旭日旗復元はなぜ異なっているのか。推測はできる。日本軍を解体した米軍は旧日本軍出身者の自衛隊への参加を原則禁止したが、この原則は結果的に陸上自衛隊にのみ適用された。日本占領後、機雷除去などのために艦艇を運用する人材が必要だった米軍は、旧日本海軍出身者を改めて起用した。そのため陸上自衛隊は比較的旧日本軍の伝統と断絶している一方、海上自衛隊では旧日本軍の人脈と文化が続いた。このような違いが軍旗採用の過程にも影響を及ぼしたものとみられる。
 先週、自衛隊の艦艇が6年ぶりに旭日旗を掲げて釜山港に入港した。政府は「海軍の艦艇が自国軍の軍旗を掲げて入港するのは国際慣例」と述べて問題はないという態度だが、感情的に受け入れがたいという世論は強い。植民侵奪の記憶が生きている場所にあえて「加害者」の旭日旗を翻してくる姿が、反省することを知らない日本と重なって見えるのは、私だけなのか。日本の猛省を求める。
パク・ピョンス|国際部先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1094644.html韓国語原文入力:2023-06-05 14:59
訳D.K




「The Hankyoreh」 2023-06-01 08:03
■韓国の市民団体「『慰安婦』問題も解決していないのに旭日旗掲げた軍艦来航とは」
 釜山水曜デモ参加者、自衛艦入港を糾弾

【写真】5月31日、釜山市東区草梁洞にある日本総領事館前の平和の少女像のそばで、日本軍「慰安婦」問題解決のための釜山女性行動が水曜デモを行っている=キム・ヨンドン記者//ハンギョレ新聞社

 釜山(プサン)の水曜デモの参加者たちが、旭日模様の海上自衛隊旗を掲げた護衛艦の釜山港入港を糾弾した。
 日本軍「慰安婦」問題解決のための釜山女性行動は先月31日、釜山市東区草梁洞(トング・チョリャンドン)にある日本領事館前の平和の少女像そばで水曜デモを行い、「旭日旗は自衛隊が使用している旗であり、戦争犯罪を行った旧日本帝国主義を象徴する旗だ。強制徴用問題と日本軍『慰安婦』問題が解決されてもいないのに、戦犯の象徴を掲げた日本の軍艦が韓国の海に入ってきたというのは容認できない」と述べた。日本の海上自衛隊の護衛艦「はまぎり」は29日に釜山に入港し、31日に済州東南の公海上で行われた韓国政府主導の訓練に参加した。
 同団体はまた「日本は反人道的戦争犯罪の事実をまず認め、被害者と犠牲者の尊厳と被害の回復に最善を尽くすことが先」だと主張した。続けて「台湾政府に公式に登録されていた日本軍『慰安婦』最後の被害者が10日に亡くなった。『年老いた被害者の証言は信頼できない』として謝罪と賠償を先送りしてきた日本は、取り返しのつかない過ちを犯したのだ。日本は今からでも戦争犯罪に対して、国家的責任と賠償、心からの謝罪で義務を果たせ」と付け加えた。
 女性人権団体「釜山女性の電話」のハ・ギョンヘ代表は「日本軍『慰安婦』の生存者たちは、日本政府の妄言と韓国政府の生ぬるい対処に苦しめられてきた。韓国に残っている生存者はたった9人。彼女たちがみな亡くなった後は『謝罪する対象が残っていないのだから問題を取り上げるな』と言うつもりか」と訴えた。
 韓国政府に登録されている日本軍「慰安婦」被害者は240人だが、このうち231人がすでに亡くなっている。残る9人の被害者の平均年齢は94.4歳。
キム・ヨンドン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2023-05-31 14:16


「The Hankyoreh」 2023-05-31 03:57
■釜山の市民団体「旭日旗掲げた自衛隊の軍艦、釜山から直ちに去れ」
 釜山の市民団体、自衛艦の即時撤収を要求

【写真】釜山海軍作戦司令部の前で、釜山の市民社会団体の活動家と会員たちが、旭日旗を掲げた日本の軍艦の即時撤収を叫んでいる=6・15共同宣言実践南側委員会釜山本部提供//ハンギョレ新聞社

 釜山(プサン)の複数の市民団体が、釜山港に入港した自衛艦の即時撤収を相次いで要求した。
 6・15共同宣言実践南側委員会釜山本部などは30日、釜山港第7埠頭近くの海軍作戦司令部(釜山南区龍湖洞(ナムグ・ヨンホドン))前で記者会見を行い、「我々は日本の軍国主義の亡霊を決して容認できない。日本の旭日旗自衛隊艦は直ちにこの地を去れ」と述べた。
 また、「米国の手下になって日本に屈し、歴史正義と平和を破壊する尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権も放っておくわけにはいかない。尹錫悦大統領は国と民族の自主と平和、未来のために直ちにその地位を降りるべきだ」と主張した。
 これらの団体は、旭日旗を掲げた日本の軍艦の釜山入港を1894年の東学農民革命にたとえつつ「東学農民革命を鎮圧してほしいと外国勢力を引き込み、国まで奪われた閔(ミン)氏政権と、北朝鮮を崩壊させると言って日本の軍隊まで引き入れている尹政権は同じだ」と述べた。
 また、これらの団体は政府の「自衛艦旗と旭日旗には少し違いがある」との主張も批判した。これらの団体は「日本外務省はかなり以前から『自衛艦旗には旭日模様を使用するようにしている』と表明し、事実上旭日旗だと紹介してきた。いったい我々はいつまで、日本の報道官のように彼らの軍国主義の亡霊をかばって釈明してやる政府を見てばかりいなければならないのか」と批判した。旭日旗は日帝強占期に日本軍が戦場に出征する際に前面に掲げた旗だ。
 また「釜山平和と統一を開く人々」は28~29日に海軍作戦司令部前で1人デモを行ったのに続き、30日午後6時から釜山鎮区西面(プサンジング・ソミョン)の地下商店街顧客支援センター前で、日本軍艦の撤収を求めてプラカードを手にデモを行う。
 29日、日本の自衛艦「はまぎり」が釜山港に入港した。はまぎりは韓国、米国、オーストラリアなどの艦艇と共に、31日に済州東南の公海上で韓国政府が主導するPSI訓練(海上封鎖・臨検訓練)に参加する。
キム・グァンス記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2023-05-30 15:33


「The Hankyoreh」 2023-05-30 12:56
■旭日旗をなびかせ…日本の海上自衛隊艦艇、釜山に入港
 
【写真】29日午前、日本の海上自衛隊の護衛艦「はまぎり」が31日の多国間訓練に参加するため、艦尾に旭日旗を掲げて釜山の海軍作戦基地に入港した/聯合ニュース

 29日午前9時30分頃、日本の海上自衛隊の護衛艦「はまぎり」が、日本軍国主義の象徴である旭日旗を掲げて釜山海軍作戦基地に入港した。「はまぎり」は31日に済州南方の公海で行われる多国間海洋封鎖訓練「イースタン・エンデバー23」に参加するため、この日釜山を訪れた。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は日本の海上自衛隊の艦艇が掲げた旗は旭日旗とは形の違う「自衛艦旗」であり、これを掲揚するのは「国際慣例」だとして旭日旗掲揚を問題視しなかった。
 旭日旗は太陽を象徴する中央の赤い円を中心に16本の赤い光線が伸びている形で、かつて帝国主義時代に日本陸軍と海軍が軍旗として使用した。第2次世界大戦での敗戦後、日本の陸上自衛隊は旭日旗に比べて赤い線の数が少ない旭日の形の旗を採択したが、海上自衛隊は旭日旗をほぼそのままの形で自衛艦機として使っている。
 自衛隊の艦艇は停泊する際、艦首と艦尾に国旗と旭日旗(自衛艦機)をそれぞれ取り付け、航海時は国旗と旭日旗(自衛艦機)を艦艇で最も高いマストの上に掲げる。「はまぎり」は釜山の海軍作戦基地に滞在中、艦尾に旭日旗(自衛艦旗)を掲揚し、31日の多国間海洋封鎖訓練に参加する際にはマストに旭日旗(自衛艦旗)を掲げる予定だ。
 日本の自衛隊の艦艇は、1954年から自衛隊法施行令に則って自衛艦旗を日の丸と共に掲揚している。日本外務省のホームページでは、自衛艦旗を旭日旗の一種と説明している。しかし、韓国国防部は昨年11月から、自衛艦旗は旭日旗と形が一致しないため旭日旗ではないという態度を示している。旭日旗を日本軍国主義の象徴として受け取る国内感情を意識したものだ。
 金大中(キム・デジュン)政権時代の1998年と李明博(イ・ミョンバク)政権時代の2008年には、韓国が主催した国際観艦式に海上自衛隊の艦艇が旭日旗を掲げて参加している。その後、韓日関係が悪化し、海上自衛隊の艦艇の旭日旗掲揚は両国間の争点になった。
 文在寅(ムン・ジェイン)政権時代の2018年11月、韓国は海軍が主催した国際観艦式に日本の海上自衛隊を招待したが、旭日旗の代わりに日本の国旗と太極旗だけを掲揚するよう要求したところ、日本はこれに反発し観艦式に参加しなかった。日本は翌年2019年、自国で開催した国際観艦式に韓国海軍を招待しなかった。
 尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権発足後、国防部は「日本の自衛隊艦艇が自衛艦旗を掲揚するのは国際慣例だ」とし、立場を変えた。昨年11月、日本で開かれた国際観艦式に参加した韓国海軍の軍需補給艦「昭陽」の将兵たちは、岸田文雄首相が乗っていた海上自衛隊の艦艇のそばを通る際に対艦敬礼をした。そのとき海上自衛隊の艦艇のマストには旭日旗がはためいていた。
 国防部のチョン・ハギュ報道官は25日の定例ブリーフィングで「通常、外国港に艦艇が入港する際にはその国の国旗とその国の軍または機関を象徴する旗を掲げる。これは世界的に通用する共通の事項」だと説明した。
 一方、大量破壊兵器(WMD)拡散防止構想(PSI)発足20周年高官級会議を機に31日に開かれる「イースタン・エンデバー23」には韓国、米国、日本、オーストラリアなどが参加する。この訓練後、イ・ジョンソプ国防部長官は、韓国海軍の大型揚陸艦「馬羅島」に乗り込み、訓練に参加した水上艦を査閲する予定だ。日本の自衛隊艦「はまぎり」も「馬羅島」のそばを通る際にイ・ジョンソプ長官に敬礼する予定だが、韓国の国防長官が自衛隊の艦艇を査閲するのは今回が初。訓練日程と規模は天候によって変わることもある。
クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
韓国語原文入力:2023-05-30 02:41


「The Hankyoreh」 2023-05-30 09:51
■日本も認める「自衛艦旗は旭日旗」、韓国は否定…繰り返される論争、3つの質問

【写真】2014年5月27日、横須賀港に海上自衛隊艦艇「くにさき」が停泊している/聯合ニュース

 31日から開かれる韓国主催の多国間海洋封鎖訓練「アジア太平洋循環訓練」に参加する日本の海上自衛隊の艦艇が、「自衛艦旗」を掲げて29日に釜山港に入港しました。
 これに先立ち、自衛艦旗をめぐり旭日旗についても議論が再燃し、国防部は「国際的な慣例」に従うだけだとしたうえで、「自衛艦旗と旭日旗は多少の違いがある」と明言しました。忘れた頃に再燃する「旭日旗論争」、これをどのように見るべきでしょうか。

(1)「自衛艦旗」と「旭日旗」は違う?
 25日、国防部のチョン・ハギュ報道官は今回の議論について「自衛艦旗と旭日旗は多少の違いがある」と述べました。
 国防部のこうした説明は初めてではありません。昨年11月、日本で開かれた国際観艦式に韓国海軍が参加し、旭日旗論争が起きたときも、韓国軍は「日本の自衛艦旗は旭日旗と形態が少し違う。形態が完全には一致しないので、我々は自衛艦旗と考える」と述べました。旭日旗は赤い円形の「日の丸」が中央に位置するのに対し、自衛艦旗では日の丸が左に寄っているから異なるということです。
 ところが日本はそのようには考えていません。日本の外務省が2019年に掲示した旭日旗の広報資料によると、自衛艦旗を旭日旗の一種として紹介しています。外務省は「海上自衛隊の自衛艦旗と陸上自衛隊の自衛隊旗は、1954年に制定された自衛隊法施行令によって、旭日模様を使用している」とし、広報資料には、1998年に自衛艦旗を掲げて釜山港に入港した自衛隊艦艇の写真を掲載しました。
 日本は「自衛艦旗は旭日旗であり、旭日旗に問題はない」という立場であるのに対し、韓国軍は「自衛艦旗は旭日旗ではない」と主張している状況です。
2019年4月21日、中国の青島で開かれた中国人民解放軍の海軍創設70周年記念式に参加した海上自衛隊の艦船に自衛艦旗が掲揚されている/EPA・聯合ニュース

(2)「旭日旗掲揚」は国際法では問題ない?
 なぜ韓国軍は「自衛艦旗は旭日旗ではない」と主張してまで釈明するのでしょうか。韓国の国民感情としては容認しがたいけれど「旭日旗掲揚」を防ぐ国際法的な根拠がないという点のためでしょう。
 国際慣例上、海軍艦艇が海を航海するときは、船尾に自国の国旗を揚げます。そして、艦艇が外国の港に寄港するときは、海軍旗を追加で掲揚することになっています。日本の立場としては、海上自衛隊の旗である自衛艦旗を艦艇に掲揚するのです。

【写真】日本の外務省のYoutube動画よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 しかも、自衛隊の艦艇が釜山港に入港しても、自衛隊の艦艇は事実上「日本の領土」です。通常、国際法的に海軍艦艇は治外法権の地域と認定されます。海軍艦艇は外国領海に入っても、その国の国内法の適用を受けることはなく、艦艇が所属した国の法律が通用されるという意味です。日本の国内法では、自衛艦旗の掲揚を義務化しています。
 これに先立ち、1998年の金大中(キム・デジュン)政権のときと、2008年の李明博(イ・ミョンバク)政府のときも、海上自衛隊の艦艇は韓国海軍が主催した国際観艦式に旭日旗を掲揚して参加しました。しかし、2010年以降、サッカーや野球などの各種スポーツイベントで旭日旗をめぐり両国民の感情が悪化していきました。韓日関係が悪化するほど、旭日旗をめぐる論争が増幅されたりもしました。
 文在寅(ムン・ジェイン)政権のときの2018年11月、韓国軍は済州で開かれた国際観艦式に海上自衛隊を招待し、旭日旗の掲揚自制を要求したことがありました。当時日本は「非常識な要求」だとして拒否し、激しく抗議しましたが、最終的には済州国際観艦式の出席要請を拒否しました。

【写真】昨年8月15日午前、東京都千代田区の靖国神社の境内で右翼が戦犯旗である旭日旗と日章旗を持って行進している/聯合ニュース

(3)旭日旗は「軍国主義の象徴」ではない?
 自衛隊の艦艇が「自衛艦旗」を掲げて釜山港に入港したとしても論争の火種は残り、いつでも再燃する可能性があります。日本の旭日旗は、ナチスドイツが使った「ハーケンクロイツ」と同じとみなす人が多いためです。しかし、日本は「旭日旗はハーケンクロイツとは違う」と主張し続けています。ハーケンクロイツはナチスが作った象徴であるのに対し、旭日旗は日本の伝統模様であり、数百年前から使われ続けていたという主張です。

【写真】3月10日午後、東京ドームで開かれた2023ワールドベースボールクラシック(WBC)B組1次ラウンドの韓国と日本の試合で、ある観衆が旭日旗を揚げている。韓国野球委員会(KBO)は大会開幕前にWBC組織委員会(WBCI)と日本ラウンド組織委員会側に旭日旗を使っての応援の制止を要請していた。KBOは旭日旗の登場後に大会組織委員会側に抗議したことを明らかにした=東京/聯合ニュース

 日本の外務省は、現在に至るまで、慶事と繁栄の象徴として日常で使われる旭日旗を広報しています。当然この広報には、日本がこの旗を前面に掲げ、1905年には日露戦争に勝って朝鮮半島の支配権を確保し、1931年には満州事変、1937年には日中戦争、1941年には太平洋戦争を起こしたという事実は抜けています。
 日本が過去の帝国主義時代の日本軍旗をそのまま自衛艦旗として使用し、日常で広く使いながらも特別の問題意識を感じないでいるという事実自体が、旭日旗論争の本質だという指摘もあります。
 大型スポーツイベントが開かれるたびに日本のファンが「旭日旗を掲げて応援」するのが代表的な事例です。2017年には、FIFAのアジア太平洋支部であるアジアサッカー連盟(AFC)は、旭日旗を掲げた日本の観衆に対する責任を日本に求め、「差別的な象徴」として罰金を科したことがあります。
 過去の日本帝国主義の被害者が今なおアジアに広範囲に存在する現実のもとでは、旭日旗は単純に「日本の文化」としては受け入れがたい状況です。

【写真】2020年1月6日、米国のドナルド・トランプ前大統領を支持するデモ隊が米国の議会議事堂の建物に乱入し荒らしているなか、ある男性が南部連合旗を揚げている/EPA・聯合ニュース

 旭日旗を「ハーケンクロイツ」より「アメリカ南部連合旗」に例えるほうがより適切だとする見方もあります。法的に掲揚が禁止されたことはなくても、「人種差別」の象徴とみられているためでしょう。南部連合旗は、米国の南北戦争当時、奴隷制に賛成した南軍が「分離独立」を要求して用いた戦闘旗です。
 2020年の東京五輪を控え、「旭日旗応援」をめぐる議論を扱ったBBCは、上智大学国際教養学部の中野浩一教授の発言を引用して、「ハーケンクロイツよりも適切な比較対象は、アメリカ南部連合旗」だとしたうえで、「この旗は禁止されておらず、今なお南部の州の全域で掲げられているが、人種差別と優越感の象徴という批判を受けている」と指摘したことがあります。

【写真】2020年8月15日、米国ジョージア州のストーン・マウンテン市の近くで、ある男性が人種差別反対デモの参加者に向けて南部連合旗を振っている/AFP・聯合ニュース

 現在でも米国では南部連合旗の使用は違法でなく、今なお南部の地域のあちこちでよくみかけますが、この旗は「人種差別」と切り離しては説明できません。南部連合旗自体が「奴隷制賛成」という人種差別を内包しているうえ、今でも白人優越主義の組織である「KKK(クー・クラックス・クラン)」が好んで使うためです。
 米国社会は数十年間議論を続け、人種差別の象徴である南部連合旗を消しつつあります。2020年にはミシシッピ州が州旗を変え、これにより、米国の公式の州旗としては南部連合旗は完全に消えました。
イ・ジヘ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2023-05-30 01:07


「中央日報日本語版」 2023.05.30 07:40
■日本、旭日旗なびかせ釜山入港…徐坰徳教授「戦争想起させる戦犯旗」

【写真】29日午前、海上自衛隊の護衛艦「はまぎり」が多国籍訓練に参加するため旭日旗の一種である自衛艦旗を掲揚して釜山海軍作戦基地に入港した。韓国政府が主催する多国籍訓練「イースタンエンデバー23」は韓国、米国、日本、オーストラリアなどが参加する中で31日に済州南東沖の公海上で開かれる。ソン・ボングン記者

 誠信(ソンシン)女子大学の徐坰徳(ソ・ギョンドク)教授は29日、韓国主催の多国籍海上訓練に参加する4カ国海軍に釜山(プサン)港に入港した日本艦隊の「旭日旗」が戦犯旗であることを知らせた。
 徐教授はこの日「日本の海上自衛隊の護衛艦が旭日旗を掲揚したまま釜山港に入港する。韓国と日本を除く4カ国海軍に旭日旗の歴史を知らせるメールを送った」と明らかにした。
 31日に済州(チェジュ)南東の公海上で韓国の主催により開かれる多国籍訓練には韓米日とオーストラリアの4カ国の海上戦力、そしてシンガポールとカナダまで合わせて6カ国の兵力が参加する。
 徐教授が海軍に送ったメールには「現在日本の『自衛艦旗』は過去の帝国主義と軍国主義を象徴する『旭日旗』で、ドイツのかぎ十字と同じ意味である『戦犯旗』」という説明が入れられた。
 彼は「日本政府も公式に『自衛艦旗=旭日旗』であることを認めている状況。日本外務省の旭日旗広報資料にも自衛艦に掲揚された旗の写真とともに紹介文が載せられた」と話した。
 続けて「日本がこれまで旭日旗を堂々と使いアジア人に戦争の恐怖を想起させる非常識な行為を行っている」と指摘した徐教授は、「まだ旭日旗の真実を知らない各参加国海軍に旭日旗の歴史的事実をきちんと知らせたかった」と強調した。
 日本の海上自衛隊の護衛艦「はまぎり」は29日、旭日旗と類似の自衛艦旗を掲揚して釜山港に入港した。この時、自衛艦旗が日の丸が若干左に寄っていること以外には旭日旗と事実上同じ形なので議論が起きた。旭日旗は日本が第2次世界大戦を前後して各国を侵奪しながら掲げてナチスドイツを象徴する「かぎ十字」とともに戦犯旗と認識されるためだ。
 韓国国防部は、日本の艦艇が自衛艦旗を掲揚して訪韓するのは「国際的慣例」であるだけに問題にしないという方針だ。国防部のチョン・ハギュ報道官は25日の定例会見で「通常外国の港に艦艇が入港する時はその国の国旗とその国の軍隊または機関を象徴する旗を掲げるものと承知している。これは世界的に通常的に通用する共通の事項」と話した。


「中央日報/中央日報日本語版」 2023.05.30 07:07
■「旭日旗をつけた日本艦艇、自尊心を踏みにじる」vs「金大中・盧武鉉政権のときは?」 与野党の激しい攻防

【写真】日本海上自衛隊の護衛艦「はまぎり」が29日午前、多国籍訓練に参加するため、旭日旗の一種である自衛艦旗を掲揚して釜山(プサン)海軍作戦基地に入港した。韓国政府が主催する多国籍訓練(イースタン・エンデバー23)は、韓国、日本、米国、オーストラリアなどが参加する中、31日に済州(チェジュ)東南の公海で開かれる。ソン・ボンギュン記者

 日本海上自衛隊の護衛艦「はまぎり」が旭日旗の一種である自衛艦旗を掲揚して釜山(プサン)海軍作戦基地に入港したことに関連し、与野党が激しい攻防を繰り広げた。
 韓国最大野党「共に民主党」の姜仙祐(カン・ソヌ)報道官は29日、国会で会見を開き、「政府がついに旭日旗を掲げた日本自衛艦の入港を許可した」とし「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は国民の自尊心を踏みにじった」と批判した。
 姜報道官は「旭日旗は日本の軍国主義の象徴だ。日本の植民地支配に免罪符を与えたのも足りず、日本の軍国主義にまで目をつぶろうとするのか」とし「強制動員問題に対する免罪符、福島汚染水排出問題に対する曖昧な態度をすべて考慮すると、尹錫悦政府の国家観と歴史観を疑うしかない」と指摘した。
 続けて「次は日本の自衛隊の戦闘機が大韓民国の上空を飛び回り、日本の兵士たちが軍事訓練を一緒にする日が来ないという保証はあるのか」とし「これが尹大統領が言った未来のための決断なのか」と反問した。
 さらに「このような状況で旭日旗を掲げた自衛艦の入港を許可するのは正しいことなのか」とし「尹政府は答えなければならない」と求めた。
 これに対して与党は反撃に出た。
 「国民の力」の朴大出(パク・デチュル)政策委員長は同日、フェイスブックを通じて「民主党が自衛隊『はまぎり』釜山港入港をめぐって『国民の自尊心を踏みにじった』と口から火を吹いている。情けない主張」とし「金大中(キム・デジュン)・盧武鉉(ノムヒョン)政府も国民の自尊心を踏みにじったのか」と指摘した。
 朴政策委員長は「民主党の主張通り、旭日旗の入港で国民の自尊心が踏みにじられたのであれば、その元祖は金大中、盧武鉉政府になるだろう」とし「2007年9月にも旭日旗を掲げた日本の『かしま』が仁川(インチョン)港に入港し、韓国海軍の査閲を受けた。それ以前の1998年には鎮海(チンヘ)観艦式参加のために日本護衛艦『はるな』『せとぎり』『みょうこう』など自衛隊の艦艇3隻が旭日旗を掲げて入港した」と書き込んだ。
 同氏はまた「金大中元大統領が直接、友好国艦艇に査閲までした。さらに記録映像を見ると観艦式艦上レセプションで韓国海軍旗と旭日旗が並んで掲揚されている」とし「民主党政府時の海上自衛隊旗と今の海上自衛隊旗が違っているのか」と反問した。
 また民主党に「金大中政府と盧武鉉政府に対してはなぜ国家観と歴史観を疑わないのか。旭日旗も『我是他非』(自分は正しくて他は間違い)なのか」とし「国民はこれ以上つじつまが合わない『無知性の反日追求』にだまされない」と指摘した。


「聯合ニュース」 2023.05.29 17:13
■海自艦が旭日旗掲げ釜山入港 韓国最大野党が政府非難
【ソウル聯合ニュース】韓国の革新系最大野党「共に民主党」は29日、日本の海上自衛隊の護衛艦「はまぎり」が自衛艦旗を掲げて南東部の釜山に入港したことについて、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が(これを容認したことで)国民の自尊心を踏みにじった」と非難した。

【写真】韓国主催の多国間海上訓練に参加するため、自衛艦旗を掲げて韓国南東部の釜山に入港した「はまぎり」=29日、釜山(聯合ニュース)

 同党の報道官は、政府が日本の軍国主義の象徴である旭日旗を掲げた海自艦艇の釜山入港を認めたとし、「(徴用訴訟問題で譲歩することで)日本の植民支配に免罪符を与えただけでは足りず、日本の軍国主義まで見逃そうとしているのか」と憤りを表明した。
 また「強制徴用問題に対する免罪符、福島汚染水の海洋放出問題に対するあいまいな態度を全て考慮すれば、尹政権の国家観と歴史観を疑わざるを得ない」と指摘した。


「中央日報日本語版」 2023.05.29 15:04
■「旭日」自衛艦旗掲揚した日本艦艇、13年ぶりに韓国に公開入港

【写真】29日、日本海上自衛隊護衛艦「はまぎり」(右)が多国籍訓練に参加するために自衛艦旗を掲揚して釜山(プサン)海軍作戦基地に入港した。ソン・ボングン記者

 日本海上自衛隊艦艇が29日、釜山(プサン)海軍作戦基地に入港した。「旭日デザイン」の自衛艦旗を掲げた日本艦艇が公開的に韓国に入港したのは13年ぶりだ。
 韓国軍当局によると、日本海上自衛隊護衛艦「はまぎり」は31日に開かれる大量破壊兵器(WMD)拡散防止構想(PSI)の海洋遮断訓練「イースタン・エンデバー23」に参加するためにこの日午前、釜山基地に入港した。該当の艦艇は日章旗とともに「自衛艦旗」を掲揚して日程を消化する予定だ。日本政府は自衛隊法施行令を通じて1954年旭日がデザインされた旗を自衛艦旗として採択し、海上自衛隊艦艇にこれを掲揚するように規定している。
 旭日模様が日本軍国主義を連想させるという点で韓国世論は日本艦艇の韓国入港に敏感に反応してきた。文在寅(ムン・ジェイン)政府時期だった2018年11月、日本は自衛艦旗を下ろして済州(チェジュ)国際観艦式に参加するように求める韓国政府の要求を拒否して参加しなかったことがある。
 だが、国際慣例上、自衛艦旗の掲揚は問題化できないというのが韓国政府の方針だ。韓国国防部は先立って「通常的に外国の港に艦艇が入港する時、その国の国旗とその国の軍隊または機関を象徴する旗を掲げると承知している」とし「世界的かつ通常的に通用する共通の事項」と明らかにした。
 実際、過去に自衛艦旗を掲揚した日本艦艇の韓国入港はたびたび行われていた。金大中(キム・デジュン)政府時期の1998年と李明博(イ・ミョンバク)政府時期の2008年、日本艦艇は韓国海軍が主管した国際観艦式に参加した。2010年PSI訓練の時も日本艦艇は釜山港に入ってきた。以降の公開入港はなかったが非公開入港に範囲を狭めれば2017年10月、交流行事のために日本艦艇が平沢(ピョンテク)海軍基地に入ってきた事例があるという。
 また今回のPSI訓練で、「はまぎり」を含む各国の艦艇は李鐘燮(イ・ジョンソプ)国防部長官が乗艦した揚陸艦「馬羅島(マラド)」に向かって敬礼する海上査閲を実施する。韓国国防部長官が日本艦艇を査閲するのは今回が初めてだ。
 5年周期のハイレベル会議とともに訓練も行われる今回のPSIでは韓国が主管国を務める。事実上、北朝鮮を狙ったもので、韓日米のほかオーストラリアなどが済州(チェジュ)東南の公海上で訓練を実施する。


「聯合ニュース」 2023.05.29 11:55
■海自護衛艦 旭日旗掲げ韓国・釜山入港=多国間訓練に参加
【釜山、ソウル聯合ニュース】日本の海上自衛隊の護衛艦「はまぎり」が29日、韓国主催の多国間海上訓練に参加するため、自衛艦旗を掲げて韓国南東部の釜山に入港した。

【写真】自衛艦旗を掲揚して釜山に入港した海上自衛隊の護衛艦「はまぎり」=29日、釜山(聯合ニュース)

 自衛艦旗は韓国で「日本軍国主義の象徴」と見なす声のある旭日旗の一種で、自衛隊の船舶は法に基づき国旗と共に自衛艦旗を掲揚することになっている。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)前政権は2018年の韓国海軍主催の国際観艦式で海上自衛隊に掲揚自粛を求め、日本がこれに反発して参加を取りやめた経緯がある。
 だが、国防部は今月25日、自衛隊の艦艇が自衛艦旗を掲げて入港することは「国際的な慣例」だとして問題視しない姿勢を示した。同部のチョン・ハギュ報道官は記者会見で「外国の港に艦艇が入港する場合、通常はその国の国旗や軍隊または機関を象徴する旗を掲げる」とし、「これは世界的に通用する共通事項と承知している」と述べていた。
 多国間訓練は大量破壊兵器の拡散防止を目的に南部・済州島南東の海上で31日に実施され、韓国や米国、日本、オーストラリアが参加する。
 訓練後には李鐘燮(イ・ジョンソプ)国防部長官が艦上から訓練に参加した各国の水上艦を観閲する。韓国の国防相が自衛隊の艦艇を観閲するのは今回が初めてで、「はまぎり」の乗組員らは李氏に向かって敬礼することになる。
 ただ、訓練のスケジュールは気象状況により変更になる場合がある。


「The Hankyoreh」 2023-05-26 10:16
■日本の自衛隊艦艇、今月末に「旭日旗」を掲げ釜山港に入港の見込み
 韓米日豪、31日に済州で多国間訓練を予定
 旭日旗を掲揚する日本の軍艦/聯合ニュース
 今月末に韓国が主催する多国間訓練に参加する日本の海上自衛隊の護衛艦が、「旭日旗」を掲げ釜山(プサン)港に入港するものとみられる。韓日軍事協力の拡大を推進する尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が、前任の文在寅(ムン・ジェイン)政権とは違い日本帝国主義が犯した「侵略戦争の象徴」とみなされているこの旗を容認したかたちだ。
 国防部のチョン・ハギュ報道官は25日の定例会見で、31日から開かれる多国間海洋阻止訓練である「アジア太平洋循環訓練」(イースタン・エンデバー23、Eastern Endeavor 23)に参加する日本の海上自衛隊の護衛艦が、旭日旗を掲げて釜山に入港するのかを問う記者団の質問に、「通常通りに艦艇が外国の港に入港する際、その国の国旗とその国の軍隊または機関を象徴する旗を掲げる」としたうえで、「これは全世界的に通用している共通の事項であると認識している」と述べた。さらに、日本の艦艇が「自衛隊艦旗(旭日旗)を掲げて入ってくるのかどうかは今申し上げるわけにはいかないが、(掲げて入ってくることが)通常の国際慣例」だと述べた。韓国は旭日旗を「戦犯旗」「日本帝国主義の侵略の象徴」と考え、使用の自制を要求しているが、日本は国旗である日章旗と同様に自国の象徴だとする立場を守っている。
 読売新聞はこの日、複数の韓日政府関係者の話を引用し、「海自護衛艦はこの訓練の前後に、自衛艦旗を掲げて釜山港に入り、海自幹部が各国関係者と交流する計画」で、「尹錫悦政権との間での日韓関係改善の流れを受けたもの」だと報じた。さらに「対日関係の立て直しを進める韓国の尹政権は、政治色がにじむ一連の経緯や対北朝鮮での連携の必要性を踏まえ、掲揚を認めるのが妥当と判断した」と付け加えた。
 今回の訓練は31日に済州東南の公海上で始まる。韓国が主催し、米国・日本・オーストラリアが参加する。日本の海上自衛隊は、今回の訓練に護衛艦「はまぎり」を派遣する予定だ。
 文在寅政権時の2018年10月には、韓国政府が済州国際観艦式に参加しようとしていた海上自衛隊の艦艇に旭日旗掲揚を自制するよう要請し、日本が強く反発して不参加を通知したことがある。スポーツ競技でも、韓日戦がある場合、旭日旗が登場すると両国の国民感情が激化したりもする。

【写真】日本海上自衛隊に掲揚される旭日旗//ハンギョレ新聞社

 旭日旗は、日本政府が1870年5月に日本陸軍の正式な旗に定めた。横134.2センチメートル、縦152.5センチメートルの四角形の中に太陽を象徴する赤い丸を中心に周辺に向け16本の光線を放つ形をしている。1899年に海軍の軍艦旗にも採択された海軍の旗は、この旭日旗とは違い、日の丸の位置が左に少し片寄っている。
 その後、日本政府は1954年に自衛隊を作り、自衛隊法の施行令を通じて、過去の日本海軍の「軍艦旗」と同じ形の旭日旗を「自衛艦旗」に採択した。自衛隊法によって、自衛隊の船舶は、自衛艦旗を日章旗とともに掲揚しなければならない。海上自衛隊の艦艇が旭日旗を掲げざるをえない理由だ。
 これに先立ち、1998年の金大中(キム・デジュン)政権の時と2008年の李明博(イ・ミョンバク)政権の時にも、海上自衛隊の艦艇は韓国海軍が主催した国際観艦式に旭日旗を掲揚して参加した。毎日新聞は「自衛隊が韓国主催の訓練に参加するのは2019年7月のPSIの机上訓練以来で、艦船派遣は12年9月以来」と報じた。
 旭日旗を掲揚した日本の艦艇が釜山に入港するとなると、韓日軍事協力はよりいっそうはずみをつけるものとみられる。読売新聞は「6月初旬には、シンガポールでの国際会議に合わせた日韓防衛相会談が予定される。残る懸案のレーダー照射問題について、早期収拾を目指す方針を確認する見通しだ」と報じた。
東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2023-05-26 05:42


「中央日報日本語版」 2023.05.26 14:00
■日本防衛相「済州島訓練に艦艇を派遣…自衛艦旗を掲揚する」

 韓米海軍と日本海上自衛隊のイージス駆逐艦が17日、東海(トンヘ、日本名・日本海)公海上で、高度化する北朝鮮の核・ミサイル脅威に対応するための韓日米海上ミサイル防衛訓練をしている。 [写真 海軍提供]

 浜田靖一防衛相は26日、今月末に韓国の主催で行われ、多国籍艦艇が参加する海洋遮断訓練に海上自衛隊の護衛艦1隻を派遣することを明らかにし、「国内法令に基づき、自衛艦旗を掲揚する」と述べた。浜田防衛相は閣議後にこのように明らかにした。
 国際法に基づき、軍艦は国籍を示す旗を掲揚しなければならない。日本は自衛隊法に基づき、自衛艦旗を艦船に掲揚するよう規定している。
 韓国国防部は31日、済州(チェジュ)東南の公海上で拡散防止構想(PSI:Proliferation Security Initiative)発足20周年の高官級会議の開催を機に実施するPSI海洋遮断訓練(Eastern Endeavor 23)を主催する。
 2010年と2012年に続き、韓国の主管で実施される今回の3回目の訓練には、韓国・日本・米国・オーストラリア・シンガポール・カナダなどの戦力と人員が参加する。大量破壊兵器(WMD)を搭載していると疑われる船舶の遮断および立ち入り検査の訓練を行う計画だ。
 国防部のチョン・ハギュ報道官は25日の定例会見で、今回の訓練に日本の自衛隊艦船が参加する可能性について「自衛隊艦旗を掲揚して入港するかどうか、今は言えない」と述べた。その一方で、自衛隊艦旗を掲揚して入港することについて、通常の国際慣例という立場を示した。


「聯合ニュース」 2023.05.25 14:44
■月末の訓練で海自艦が旭日旗掲げ入港か 韓国国防部「国際慣例」
【ソウル聯合ニュース】韓国国防部のチョン・ハギュ報道官は25日の定例会見で、大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)発足20周年の高官級会合に合わせて韓国が主催する多国間海上訓練に参加する日本の海上自衛隊の艦艇が自衛艦旗を掲げて入港する可能性について、「自衛艦旗を掲げて入ってくるかどうか、今お話しすることはできない」としながらも、自衛艦旗の掲揚は「国際的な慣例ではないかと思う」と述べた。
 読売新聞は同日、同訓練に参加する海上自衛隊の護衛艦について、韓日両政府が今月末にも自衛艦旗を掲げて釜山港に入港させる方向で調整に入ったと報じた。
 チョン氏は「外国の港に艦艇が入港する場合、通常はその国の国旗や軍隊または機関を象徴する旗を掲げる」とし、「これは世界的に通用する共通事項と承知している」と述べた。そのうえで「国防部は国際慣例と相互主義にのっとり、全てのPSI参加国に同等の基準を適用することになる」と説明した。
 大量破壊兵器の拡散防止を目的に韓国南部の済州島で31日に行われる多国間訓練には、韓国、米国、日本、オーストラリアの水上艦7隻と航空機6機をはじめ、乗船検査を担う部隊などが参加する。日本が派遣する海上自衛隊の護衛艦「はまぎり」は、韓国で「日本軍国主義の象徴」と見なす声のある旭日旗に似た意匠の自衛艦旗を掲揚するとみられ、波紋が予想される。


「中央日報日本語版」 2022.11.10 09:02
【コラム】「自衛隊にやられない」…盧大統領の「ハリネズミ論」が済州海軍基地建設につながった
 卞良均(ビョン・ヤンギュン)/元企画予算処長官

【写真】2017年6月20日、済州海軍基地に入港した米海軍イージス駆逐艦「デューイ」。盧武鉉大統領の「海洋強国の夢」が込められた済州海軍基地は2016年2月に竣工した。 [写真=海軍]

 興奮したデモ隊が軍部隊工事現場の入口をふさいだ。国防部と警察は座り込みのためのテントを強制撤去した。一部のデモ隊は体に鎖をつないで激しく抵抗した。負傷者が続出した。
 済州(チェジュ)海軍基地の建設過程であった衝突場面だ。済州海軍基地は2016年2月に竣工した。建設発表から竣工まで10年以上もかかった。海軍基地がある西帰浦市(ソギポシ)の江亭(カンジョン)村は2つに割れて深刻な葛藤が生じた。村の住民など約600人が懲役刑(執行猶予含む)や罰金刑を受けた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は2019年の三一節(独立運動記念日)特赦で19人を赦免・復権したが、割れた村の傷は残っている。
 済州海軍基地は盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の構想だった。陣営論理を超える実用主義的な決定だった。海軍基地は青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)安保室の所管だが、盧大統領は政策室長の私の意見も尋ねた。私は積極的に賛成した。盧大統領が支持勢力の反対を押し切って推進した政策は大きく3つ、韓米自由貿易協定(FTA)、済州海軍基地、イラク派兵だ。今回は済州海軍基地について話す。

◆海軍の反対で変更された巨加大橋の設計
 まず、個人的なエピソードがある。金泳三(キム・ヨンサム)政権当時の1990年代半ば、私は財政経済院で予算総括課長を経て予算第1審議官(局長級)になった。財政の責任を負う重要なポストだった。当時、建設交通部が大田(テジョン)~晋州(チンジュ)高速道路予算案を持ってきた。私は建設交通部の担当者に提案した。「慶尚南道統営(トンヨン、旧忠武)は観光都市なので、高速道路を晋州で終わらせずに統営までつなぐ方がよいのではないでしょうか」。建設交通部は検討の末、区間の延長を決めた。
 そして建設交通部は慶尚南道巨済島(コジェド)と釜山加徳島(カドクド)をつなぐ巨加大橋建設計画を含めた。大田~統営高速道路から巨済を経て京釜(キョンブ)高速道路と連結する橋だった。当時、巨済は大宇造船・サムスン重工業など造船業を中心に人口も増え、成長のペースも速かった。ところが周辺の都市とつなぐ道路網がかなり不足していた。
 橋を建設するのに最大の障害物は資金でなかった。海軍が強く反対した。当時、慶尚南道鎮海(チンヘ、現昌原市鎮海区)には海軍作戦司令部があった。海軍の主張はこうだ。巨加大橋は海軍艦艇が鎮海から釜山(プサン)側に出る途中に位置する。戦時に北朝鮮の爆撃機が南下して橋を爆破すれば誰が責任を負うのか。航路がふさがった海軍艦艇が立ち往生する状況が生じるということだった。
 私は全く納得できなかった。休戦ラインからみて巨加大橋は最後方だった。最後方まで敵の精密爆撃を受ければ戦争はすでに終わったのと変わらない。しかし海軍の立場は頑強だった。財経院局長レベルの力では海軍を説得できなかった。青瓦台も仲裁に動かなかった。結局、巨加大橋区間の相当部分を海の下に入れて沈埋トンネルとして建設した。工事費は3000億ウォン以上もかかった。後に仁川(インチョン)大橋を建設する時にも似た論争があったが、結論は違った。海軍基地を仁川から京畿道平沢(ピョンテク)に移転し、仁川大橋は海上に建設した。
 しかし鎮海海軍作戦司令部は2007年に釜山(プサン)に移った。巨加大橋が完工する3年前だ。最初から海軍司令部を移転して巨加大橋を海上に建設すればよかったはずだ。橋の上の景観も優れていただろう。本当に残念だ。
 当時も海軍基地の立地をめぐる議論がなかったわけではない。私の考えはこうだ。鎮海は日帝強占期に建設された軍港だ。日帝は主要艦隊司令部を本土に置き、鎮海には海軍整備層整備廠を建てた。鎮海は周辺に島が多く海岸線も複雑であり、防御には有利な点はあるが、遠海に迅速に出動するには不利だ。
 私は当時、海軍に基地を移転する意向がないか尋ねた。候補地は済州だった。「統一新羅で張保皐(チャン・ポゴ)は全羅南道莞島(ワンド)に清海鎮(チョンヘジン)を設置し、海上貿易を掌握しました。東中国海(東シナ海)や太平洋まで考えれば鎮海より済州のようなところがよいのではないですか。予算が必要なら可能な限り支援します」。その頃、海軍も内部的には似た発想をしたようだ。1995年の国防中期計画に済州海軍基地建設案が反映された。

【写真】2006年10月9日、安倍晋三首相と首脳会談をする盧武鉉大統領(右) [中央フォト]

◆「ハリネズミ論」で自主国防を力説
 10年ほど過ぎて今度は盧武鉉大統領が済州海軍基地を本格的に推進した。盧大統領は海軍力の強化に特に注力した。国防部長官に約40年ぶりに海軍出身者(尹光雄長官)を起用するほどだった。国防予算も海軍に優先して配分した。盧大統領は有事の際、韓国の貿易路を守るためにも済州に海軍基地があるべきだと考えた。海洋水産部長官時代の経験も関連していたずだ。私に意見を求めた。「済州に行かなければいけないが、どう思うか」。私は当然、賛成だった。そして金泳三政権当時の経験を詳しく説明した。
 盧大統領は「ハリネズミ論」を話した。いますぐ韓国が強大国と対等な戦力を保有するのは難しい。しかし我々に触れれば大きな被害が生じることを覚悟させるという論理だ。70年代に朴正熙(パク・ジョンヒ)大統領が自主国防を強調しながら使った言葉だが、盧大統領も似た考えだった。そのためには自らを守る力をつけなければならなかった。済州海軍基地こそが盧大統領が構想する自主国防の第一歩だった。
 盧大統領が海軍力の強化を苦心したのには日本との海上での葛藤が大きな影響を与えた。2006年4月、日本が一方的に独島(ドクト、日本名・竹島)周辺の水路を調査するとして海上保安庁所属の探査船を送り込んだ。韓国は武装した海洋警察の船舶を出動させた。日本は自衛隊出動の可能性まで示唆して軍事訓練を行った。
 青瓦台は秘密会議を開いた。私は会議に入ってはいないが、後に内容を伝え聞いた。韓国海軍と日本自衛隊がぶつかればどうなるのか。韓国は数日しか持ちこたえられないという計算が出てきた。それでも強硬に対応しようというのが会議の結論だった。まさか米国が韓日間の軍事的衝突を黙って眺めるだろうかという意見が多数だったという。結局、日本探査船は撤収し、自衛隊は出動しなかった。

◆「平和の島にも非武装はない」
 実際、盧大統領は韓日関係改善のために「会心のカード」を取り出したことがある。しかし不発に終わった。2006年10月の安倍晋三首相の訪韓当時だったと記憶している。安倍首相は訪韓中に国立顕忠院を参拝し、それなりに韓日関係に誠意を見せた。歴代の日本首相では初めてだった。6年後の2012年末の第2次安倍内閣発足当時とは雰囲気がかなり違った。
 盧大統領と安倍首相は青瓦台で首脳会談をした。会談の後に盧大統領が不満を表した。自分の提案を安倍首相がすぐに拒んだという。「東海、日本海などと海の名称で争うことがある。漢字で青海(チョンヘ)、英語でブルーシー(Blue Sea)にするのはどうか」。盧大統領は安倍首相にこのように提案したという。西海(ソヘ)を黄海またはイエローシー(Yellow Sea)と呼ぶように、東海も第3の名称で呼べばよいのではないかという考えだった。
 しかし安倍首相は「実務陣から何も伝え聞いていない」と言って話を遮ったという。事前に実務協議もしていない話を突然なぜするのかという反応だった。盧大統領は会談後、日本側の態度についてもどかしいと言った。「それなら何のために首脳が会って話すのか。事前に調整された話以外は一言も話してはいけないのか。一度考えてみようと言うこともできるのに、最初から議論自体を拒む」。
 盧大統領が済州海軍基地を推進したのには、そのような日本と中国を牽制するという意味があった。ただ、外交関係を考慮して公開的に話すことはなかった。盧大統領は海軍基地をめぐる論争が激しくなると、自ら説得に動いた。2007年6月に済州で地域の主要人物を集めて懇談会を開いた。この席で盧大統領はこのように強調した。「どんな平和の地にも非武装はありません。済州の海上に緊急事態が発生した場合、6、7時間かかる南海岸から来ることができるでしょうか」。
 盧大統領が退いた後、済州海軍基地をめぐる状況はこじれた。デモ隊と警察の物理的衝突にまで広がり、国全体に混乱があった。竣工後6年以上経過したが、まだ痛みは消えていない。国の未来のための決定が一部の国民には傷として残った。今でも済州海軍基地のことを考えると胸が痛む。
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